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「平成」の改革バカ騒ぎが行き着いた“安倍政権”という悪夢 それでもバカとは戦え
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244798
2019/01/05 日刊ゲンダイ
安倍首相(C)共同通信社
先日、書店に行ったら、「頭に来てもアホとは戦うな!」という本が平積みになっていた。たしかにアホと戦うのは面倒だ。議論して勝ったところで連中は改心しないし、逆恨みされるだけ。時間の無駄だし、ストレスの原因にもなる。合理的に考える人間はアホとは戦わないと思う。
しかし、それでも戦っている人たちがいる。合理より大切なものがあると考えるからだろう。
バカを放置するのか、それとも戦うのか。多くの人が同じような悩みを抱えてきた。
ドイツの哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェが書いた「ツァラトゥストラ」もそういう話だ。賢者ツァラトゥストラは、バカに説教しても無駄だと俗世に呆れ果て隠遁する。しかし、それでも人間の可能性を捨てきれず、再び語りだす。そこにあるのは人間愛・人類愛だ。守りたいもの、愛するものを持っている人間は戦う。それはニヒリストが考えるようなカネで換算できる価値ではない。
程度の差こそあれ、人間の営みとはそのようなものだと思う。自宅の前にゴミが落ちていたら、ほうきとちり取りで掃除をする。放っておけば風で吹き飛んでいくかもしれないし、誰かが片付けるかもしれない。掃除したところで時間がたてばまたゴミが増えていく。それでも掃除をする。これも日々の生活に対する愛だ。
バカと戦ったところで、バカがいなくなるわけではない。社会のダニを批判したところで、日本がよくなる保証もない。それでも、目の前にあるゴミは片付けなければならない。
あくまでイメージだが、歯の隙間に橋下徹が挟まっていたら嫌だろう。つまようじや歯ブラシでかき出そうとする。ハエが飛んでいたら殺虫スプレーをシューッとするし、ゴキブリがいたら新聞紙を丸めて叩き潰す。そこでは行為と目的は一致している。
ニーチェは、現代は「排泄する力をもはやもたない一つの社会」(「権力への意志」)だと言った。排泄物をため込めば、今のようなクソまみれの社会になる。国家の解体はすでに最終段階に入った。平成の30年にわたる「改革」のバカ騒ぎが安倍政権という悪夢に行き着いたのだとしたら、たとえ手遅れであったとしても、事なかれ主義と「大人の態度」を投げ捨て、バカとは戦わなければならない。これは人間の尊厳に対する義務なのだ。
適菜収 作家
1975年生まれ。早大で西洋文学を学び、ニーチェを専攻。ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体」など著書多数。近著に「もう、きみには頼まない 安倍晋三への退場勧告」。
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— toripy (Evil to LDP) (@t_toripy) 2019年1月4日
【それでもバカとは戦え】@
— KK (@Trapelus) 2019年1月4日
作家 適菜収
「平成」の改革バカ騒ぎが行き着いた安倍政権という悪夢
バカと戦ったところで、バカがいなくなるわけではない。社会のダニを批判したところで、日本がよくなる保証もない。それでも目の前にあるゴミは片付けなければならない
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