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天皇退位までに国民が答えを出さなければいけない事
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2019-01-04 天木直人のブログ
新年の各紙の社説の中で、私が最も注目したのは、きのう1月3日の毎日新聞の「象徴の意義を確かめ合う」という社説だ。 その社説は、一言で言えば、われわれが天皇制を是として維持していくなら、象徴天皇の意義について新天皇と共同作業で作り上げていかねばならないという問題提起だ。 この社説で注目すべき点はいくつかある。 まず、「そもそも憲法が定める国民統合の象徴とは抽象的な概念で、明確な定義はない」と率直に認めているところだ。 我々は定義のない概念の下で70年余りも憲法を護持して来たのだ。 このまま放置されていいはずはない。 次にこう書かれているところだ。 「陛下を支えて来られた皇后さまが即位20年の記者会見で『象徴の意味は今も言葉には表しがたい』と述べたことは今なお重い」と。 驚いた。 10年も前に皇后さまは問題提起されていたのだ。 天皇陛下の2016年8月8日のあの「おことば」は、まさしく皇后陛下と共有された「おことば」だったのだ。 そして、天皇制と民主主義の併存について触れているところだ。 毎日のこの社説は次のように書いている。 「戦後しばらくは、民主主義と天皇制と供存について疑問視する声が相当程度あった」と。 今でも疑問視する国民は、共産党に限らず、厳然として存在することを私は知っている。 だからこそ、平成天皇は、「国民主権の憲法を重んじて行動し、天皇と国民の関係に、戦前の暗い記憶が影響を与える事のないよう努めた」(毎日社説)のだ。 しかし、その毎日新聞の社説でさえ、象徴天皇の在るべき姿について明示していない。 「新天皇との共同作業で作り上げていくものであろう」としか書いていない。 これでは天皇陛下の「おことば」が泣く。 なんのために天皇陛下は批判を覚悟であの「おことば」を発せられたというのか。 毎日新聞は、はっきり書くべきだ。 新天皇にその作業を委ねることなく、今上天皇は自分の在位の間中、全身全霊で答えを示されて来たと。 そして2年前のあの「おことば」で、それでよかったか、国民はどう思うかと、問われたのだと。 だから国民は4月末までの間に答えを出さなければいけないと。 そうしないまま平成を終わらせるわけにはいかないと。 そう毎日新聞は書くべきだ。 そして、国民の意思を示すのは国会議員であり、その集まりである政党であるから、毎日新聞は、4月末までに各党に質問すべきだ。 今上天皇の問いかけにどう答えるかと。 憲法9条をこの国の最高の政治的方針(国是)と答える政党が出て来ないまま新天皇の時代を迎えるわけにはいかないのである(了) 社説 次の扉へ ポスト平成の年に 象徴の意義を確かめ合う https://mainichi.jp/articles/20190103/ddm/003/070/076000c 毎日新聞 2019年1月3日 東京朝刊 今年は4月いっぱいで平成が幕を閉じ、新天皇が誕生する年である。 国民とともにある象徴天皇像。それは今の天皇陛下が、長い皇室の歴史を踏まえつつ、自ら築き上げてこられたものだ。5月に皇太子さまに引き継がれる節目は、主権者の国民が改めて天皇制のあり方を考える契機になる。 そもそも憲法が定める国民統合の象徴とは抽象的な概念で、明確な定義はない。陛下を支えてこられた皇后さまが即位20年の記者会見で「象徴の意味は今も言葉には表しがたい」と述べたことは今なお重い。 象徴像を模索した陛下の歩みは時代状況にも影響を受けた。右肩上がりの経済成長を遂げた昭和が終わると、二つの大震災を含め、災害が相次ぐ。被災地を訪れ、膝をついて被災者に寄り添う姿に国民は感銘を受けた。混迷の時代、皇室への関心は一層高まった。 戦後民主主義との調和 テレビを通じた発信も象徴としての役割を推し進めた。東日本大震災でのビデオメッセージをはじめ、国民に直接語りかける形が定着し、天皇が身近な存在になった。 戦後しばらくは、民主主義と天皇制との併存について疑問視する声が相当程度あった。だが、陛下は国民主権の憲法を重んじて行動し、天皇と国民の関係に、戦前の暗い記憶が影響を与えることのないよう努めた。平成は民主主義と天皇制が調和した時代といえる。 NHK放送文化研究所が1973年から5年ごとに行っている国民の意識調査によると、「好感」や「尊敬」など陛下への好意的な回答が2013年には約7割に上り、過去40年間で最高となった。 「能動的な天皇」は、時代の流れの中で、陛下がたどり着いた象徴の形である。陛下は昨年12月の誕生日にあたり、記者会見で「象徴としての私の立場を受け入れ、私を支え続けてくれた多くの国民」に対し、あえて「衷心(ちゅうしん)より」という言葉を使い、感謝のお気持ちを表した。 現代の天皇制が国民の支持なくしては成り立たないことを誰よりも強く意識してきたからだろう。 能動的な天皇は、加齢で体力が衰えれば役割が果たせなくなる。陛下が退位を望んだのは、ご自身の考える象徴像と深く結びついている。 皇位を継ぐ皇太子さまは、昨年2月の誕生日に合わせた記者会見で、両陛下が築いた「国民とともに歩む」姿勢を踏襲する考えを明らかにされた。そのうえで「社会の変化に応じた形」で行動していくことも皇室の役割という認識を示した。 では、これからの時代に応じた象徴像とは何か。 秋篠宮さまが昨年、宗教色の強い皇室行事の大嘗祭(だいじょうさい)について「国費で賄うことが適当かどうか」と問題提起されたように、皇室のあり方が変わる可能性は常にある。 継承の議論急ぐべきだ 皇室の大衆化が進み、週刊誌で皇室関係のスキャンダルがたびたび伝えられる時代でもある。伝統を守りつつ、現代の国民感覚とどう折り合いをつけていくのか。 対応の仕方によっては、天皇制が不安定になることも考えられる。生前での退位をこれからも認めるのかどうかも大きな課題である。 先細りする皇位継承者をめぐる議論もこれ以上、先延ばしできない。陛下の退位後、皇位を継げる若い皇族は秋篠宮家の悠仁(ひさひと)さましかいない。安定した皇位継承のためには、「女性天皇」や「女系天皇」の可能性を排除せず、できるだけ早い時期から議論を始めるべきだ。 国際社会に目を向ければ、アメリカをはじめ、富める者と貧しい者や、国民と移民の間で分断が進み、国としてのまとまりにほころびが生まれている。 国民のシンボルとしての天皇は、社会の連携を保つ役割を担っているように見える。それは天皇を頂点とした戦前の疑似家族国家とは明らかに異なる。 平成最後となった、新年に伴うきのうの一般参賀には平成最多の15万人超が詰めかけた。象徴天皇としての務めに全身全霊を傾けた陛下への感謝の大きさを示した。 振り返れば、象徴とはどうあるべきかを、私たちは陛下に委ねすぎていたのではないか。 新しい時代の象徴天皇像は、まさに国民の「総意」に基づき、新天皇との共同作業で作り上げていくものであろう。
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