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庶民の力結集で2019日本政治に激震走る
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2019年1月 3日 植草一秀の『知られざる真実』
政治決戦の年となる2019年の内外政治経済金融情勢の大きな流れを展望しておこう。 国内では重要イベントが相次ぐが、安倍内閣にとっては受難の年になるだろう。 5月1日に新元号に移行する。 4月1日になるまで新元号は明らかにされない。 新元号情報が漏洩すれば、その元号の採用は取りやめになる。 民間企業の事務負担は膨大だ。 参院選は7月21日投票が有力である。 拙著『日本を直撃する「複合崩壊」の正体』(ビジネス社) https://amzn.to/2PPBhAE に7月21日が投票日になるとの見通しの根拠を詳述した。 通常国会は1月28日に召集され、通常国会会期末は6月27日が会期末になる可能性が高い。 6月28−29日には大阪でG20首脳会議が開催される。 日本が初めて議長国になる。 7月21日は参院選の投票日になることが想定されるが、通常国会がこの日程で開かれる場合、衆参ダブル選が実施されることも否定できない。 そして、10月に消費税率が10%に引き上げされることになっている。 ただし、安倍首相は、過去2回、消費税率10%への移行を延期しており、3度目の延期が決定される可能性は低くない。 安倍首相は参院選で勝利して参議院の3分の2以上議席を改憲勢力で占有することを目指す。 安倍首相は2020年の改定憲法施行を目指しており、参院選に勝利することが必須の過大になっている。 しかし、情勢は甘くなく、そのために衆参ダブル選が企図される可能性がある。 この7月決戦の前に、4月に統一地方選と衆院補選が実施される。 4月7日に、北海道、神奈川、福井、三重、奈良、鳥取、島根、徳島、福岡、大分の10道県での知事選と、岩手、宮城、福島、茨城、東京、沖縄を除く41道府県での道府県議選が実施される。 さらに、4月7日には、札幌、相模原、静岡、浜松、広島の5つの政令市で市長選が行わるとともに、大阪府知事選、大阪市長選が行われる可能性がある。 4月21日には、その他の市区町村の首長・議員選と衆院補選が行われる。 衆院補選は4月21日に、大阪12区と沖縄3区で実施されることが確定している。 安倍政治の本質は「大資本のための政治」である。 したがって、利益を供与される大資本が安倍政治を全面支援するのは順当であると言える。 しかし、このことは、安倍政治が「庶民の利益を損なう政治」であることを意味している。 2019年の政治決戦の勝敗を左右する鍵を握るのは「庶民」の動きである。 「庶民」が結束して2019政治決戦に立ち向かうと、日本政治が激変することになる。 安倍首相は外交に活路を見出そうとしているが、環境は甘いものでない。 米国のトランプ大統領は総力戦を展開した2018年11月の中間選挙で勝利を掴むことができなかった。 上院過半数は維持したが、下院で民主党に完敗した。 下院の多数議席を民主党が占有し、トランプ大統領に対する追及を激化させる可能性が高い。 中間選挙での最大の注目点は、大統領選の結果を左右する中西部激戦州で、共和党が軒並み敗北したことである。 トランプ大統領の再選に黄信号が灯る状況が生じている。 その米国が日本とFTA(自由貿易協定)交渉を行う。 安倍首相はFTAでないと強弁しているが、実態は明白にFTAである。 米国は新協定に「為替条項」を盛り込むことを主張してくる可能性が高い。 為替が円高に振れて日本株価がさらに下落する可能性が高まっている。 対ロシア交渉で、安倍首相は従来の日本政府の主張を取り下げて、1956年日ロ共同宣言に回帰する方針を示した。 「4島の帰属問題を決着して平和条約締結」との主張を取り下げて、「平和条約を締結して2島の引き渡し」の路線に変節した。 ロシアは仮に2島を引き渡しても、2島の主権を譲らない可能性が高い。 これは「2島マイナス無限大」であり、安倍首相は国内保守派から総攻撃される可能性が高い。 2019政治決戦では、日本の庶民の力が結集され、日本政治に激震が走る可能性が高いと思われる。 |
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