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ゴーン叩きの前に検証が必要 司法取引の卑しさ、危うさ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243623
2018/12/13 日刊ゲンダイ 文字起こし
常道を踏み外した異常な解任劇(右は日産の西川社長)(C)共同通信社
日産のゴーン前会長の電撃逮捕から3週間が過ぎたが、東京地検特捜部の捜査に手詰まり感が漂っている。
10日の再逮捕容疑は、金融商品取引法違反。2015〜17年度の有価証券報告書に役員報酬を過少記載した疑いだが、検察は勾留期限が切れる同日に、10〜14年度の5年分の過少記載でゴーンらを起訴している。
「8年分を立件するなら、2度に分けず、一括して起訴すべきだ」とするゴーンの弁護人の抗議は当然で、特捜部は特別背任や横領など事件の“本丸”にたどり着けず、いまだ事件の“入り口”で足踏みしているのだ。
ゴーン事件の強引な捜査手法に海外メディアは猛批判を浴びせているが、日本のメディアは特捜部の応援団に徹するのみ。「オランダのペーパー子会社を通じ、リオやレバノンに高級住宅を購入」「実姉への年間約10万ドルのアドバイザリー契約に実態なし」「日産の経費で家族旅行」――とまあ、「日産再生の英雄」とゴーンをもてはやしていた連中が、手のひらを返して「独裁経営」「公私混同」と書き立てる。
特捜部のリーク情報を垂れ流し、強欲ゴーンの“銭ゲバ”ぶりを印象付け、捜査の正当性を強調するのに、ひと肌脱いでいるようなものだ。
日本のメディアはゴーンを袋叩きする前にもう一度、検証すべき事柄がある。それはゴーン逮捕前に取った日産の異常な行動だ。
■軍事クーデターを連想させる異様な解任劇
本来、会社のカネを流用された疑いが生じれば、まず監査役が調べ、本人から事情を聴き、社内規定に違反していれば処分する。その上で刑事事件の疑いがあったら、初めて検察庁に告発するのが常道だろう。
ところが、ゴーン逮捕当日の深夜に会見した西川広人社長は「ゴーンから事情を聴いたのか」と問われ、「聴いていない」と答えた。日産は本人の言い分さえ聞かず、ごく小人数で極秘の調査を進め、司法取引までして、ゴーンを検察に売ったわけだ。
1982年に起きた三越のワンマン社長、岡田茂氏の「なぜだ!」の解任劇を持ち出すまでもなく、問題のある経営者を排除するためなら、取締役会で緊急動議にかけて解任を決める手段もある。日産はそうした企業の常識を逸脱し、検察という「国家権力」を盾に取り、いきなりゴーンを排除したのだ。
日産の不可思議なゴーン解任劇について、ジャーナリストの神保太郎氏は月刊誌「世界」19年1月号の連載コラムで〈軍を動かして実権を握るクーデターを連想させる〉と書いている。
軍事クーデターに例えられるほどの異常な解任劇を、日本の大新聞・TVは検証しようとしない体たらくだ。
「ゴーン容疑者の不可解な排除劇の背景には『国策捜査』の側面もあります。仏ルノー社に吸収・統合されかけていた日産を守りたい経産省が、ゴーン容疑者の『変節』によってルノー傘下となる流れを阻止したい日産幹部と手を握った排除劇です。両者の意向に沿って特捜部は捜査を進めているように映ります。問題は、政官民が一体となって事件化すれば、ゴーン容疑者といえども、ひとたまりもないことです。この権力行使の恐ろしさを、なぜメディアは検証しないのか。不思議でなりません」(法大名誉教授・須藤春夫氏=メディア論)
強欲ゴーンの逮捕劇がまざまざと見せつけたのは、国の意向にそぐわない者の排除に動く、国家権力の危険性なのだ。
立件されていた可能性も(C)日刊ゲンダイ
政権の罪を見逃し手に入れたナントカに刃物 |
検察にとって今回のゴーン逮捕劇は、今年6月に導入されたばかりの「司法取引」の大宣伝の場でもある。検察側のリーク報道によると、日産は長く秘書室長を務めたゴーンの元側近と、その上司でインド系イギリス人の専務執行役員の2人に対する司法取引を受け入れたという。
日本版司法取引は、捜査対象者が検察に他人の犯罪を供述する見返りに、刑事処分を免れたり、軽くしてもらえる卑しい制度だ。強欲ゴーンの私的流用は、かつての部下が罪逃れに証言したもの。それに基づくリーク報道は「マユツバ」と疑ってかかった方がいい。
司法取引の導入は、検察にすれば9年越しの悲願だ。元厚労次官の村木厚子氏の冤罪を招いた、2010年の大阪地検の証拠改竄で特捜部長以下が逮捕された事件以来、「取り調べの可視化と引き換えに、政権にひれ伏し続けて手に入れた」と指摘する声もある。
この間、小渕優子元経産相の政治資金規正法違反事件や甘利明元経済再生相の口利き賄賂疑惑など、告発を受理した“政治家案件”はあったが、いずれも検察は不起訴など大甘処分で済ませてきた。時の政権の罪を見逃してまで司法取引を欲したようにも見えるのだ。
「立件に向けたストーリーに沿い、時に容疑者を壁際に立たせ、罵声を浴びせてまで自白させる。こうした強引な手法は今では通じません。大阪地検の改ざん事件以来、取り調べの可視化が大前提となり、検察の捜査能力自体も年々弱体化。その穴を埋める“武器”として検察が長年、政権に求め続けたのが、司法取引なのです」(元検事で弁護士の落合洋司氏)
東京地検特捜部に逮捕された経験を持つ元ライブドア社長の堀江貴文氏は、司法取引導入を盛り込んだ刑事司法改革関連法案審議の参考人質疑で「検察の焼け太り、証拠改竄事件で叩かれたのに、権限拡大に持っていった」と批判した。ホリエモンの言う通り、国策捜査がお得意の検察に、こんな武器を与えるのは“ナントカに刃物”だ。
検察がその気になれば、関係者に司法取引を持ちかけ、ウソの供述をデッチ上げれば、国家にとっての邪魔者を立件して、排斥することなど朝飯前だろう。
■国家の邪魔者を立件するハードルは下がる
10年1月、民主党の小沢一郎代表の元秘書ら3人が政治資金規正法違反で突然逮捕された「陸山会事件」も、司法取引があれば「小沢サイドにゼネコンから闇献金があった」という検察側が描いたシナリオ通りの展開になったかも知れない。
前出の落合洋司氏はこう言った。
「元秘書3人に司法取引による減免処分をチラつかせて供述を得ていれば、小沢氏本人の立件に向けたハードルも下がった可能性があります。自分の罪を免れるため、検察に売り渡した人物について、オーバーな供述をしてしまう可能性も高い。つまり、司法取引は常に検察に悪用されて、無実の人が犯罪に巻き込まれる危険性をはらんでいる。乱用の防止策として定められているのは、検察との司法取引の協議に必ず弁護士が立ち会うことと、虚偽供述や証拠偽造には5年以下の懲役を科すことくらいなものです。乱用に歯止めをかけるには、メディアによる不断の監視が必要なのです」
司法取引の本場、米国では、レイプ殺人などで有罪確定後、DNA鑑定によって冤罪が判明した250件のうち、司法取引に応じた囚人などが無実の人に対し、不利な証言を行ったケースは52件(21%)に上ったとの報告がある。
国策捜査がはびこる日本では、同じように冤罪に陥る無実の人々がさらに増えても、おかしくない。
「『密告すればお咎めなし』の司法取引制度は法の下の平等に反し、権力側の恣意的な運用によって密告奨励の暗黒の監視社会が到来しかねません。それなのに、検察のお先棒を担ぎ、高額報酬のゴーン容疑者の飽くなき強欲さを強調し、国民感情をたきつける日本のメディアに危機意識は感じられない。むしろ権力と一体化し、司法取引の危うさを覆い隠している印象です」(須藤春夫氏=前出)
ゴーンの肩を持つ気は毛頭ないが、元カリスマ経営者への「メディア・リンチ」に司法当局はニンマリ。高笑いが聞こえてきそうだ。
ゴーン叩きの前に検証が必要 司法取引の卑しさ、危うさ https://t.co/5dYsYFMA4a #日刊ゲンダイDIGITAL
— 国民こそ主権者;砂頭巾 (@553Sandhood) 2018年12月13日
日刊ゲンダイ12/13:ゴーン叩きの前に検証が必要 司法取引の卑しさ、危うさ
— 日本共和国設立委員会 (@whoswhoaz) 2018年12月13日
『密告すればお咎めなし』の司法取引制度は法の下の平等に反し、権力側の恣意的な運用によって密告奨励の暗黒の監視社会が到来しかねない
マスゴミに危機意識は感じられない。むしろ権力と一体化している
戦前と同じ!
司法取引という制度の卑しさ、危うさ 当局は密告監視社会にニンマリだろう ゴーンを袋叩きにする前にもう一度、日産自動車が取った異常な行動の検証が必要 「密告すればお咎めなし」は,法の下の平等に反しないのか。国策捜査がお得意の検察にこんな武器≠与えていいのか(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/jVUyT0LzpY
— KK (@Trapelus) 2018年12月13日
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