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4回連続で記者の質問に答弁拒否を繰り返した河野外相の裏を読み解く
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2018-12-12 天木直人のブログ
きのう12月11日、閣議後に開かれた外務省の記者会見で、河野外相が北方領土交渉の見通しを記者から聞かれ、4回も立て続けに答弁を拒否した。 いくら河野外相が強引でも、この答弁拒否は異常だ。 その背景に何があるのか。 それはもちろんわからない。 しかし、安倍首相が二島返還で決着する事を政治決断した経緯を振り返ってみると、推測はできる。 おそらく、そのいずれか、あるいはすべてが当たっていると思う。 北方領土交渉に関する一連の日ロ首脳会談の報道の中で、私が「おやっ」と思ったのは、アルゼンチンでの安倍・プーチン首脳会談で、今後の交渉がラブロフ・河野外相に委ねられたことだ。 安倍首相が2島返還に踏み切ったとされるその前の首脳会談では、プーチン大統領の横にいたのはラブロフ外相だったが、安倍首相の横にいたのは河野外相ではなく、谷内正太郎NSC局長だった。 つまり、密議ともいえる一番重要な会談の時に、河野外相は不在だったのだ。 その時点で、安倍首相は、北方領土問題は、自分一人でプーチン大統領と取引する事を決めたに違いない。 しかし、それでは河野外相の立場がない。 そこで、アルゼンチンでの首脳会談で、わざわざラブロフ・河野外相の 会談で今後の協議を行う事にして、河野外相の出番をつくったのだ。 しかし、その一方で、実際の交渉は次官級の官僚にゆだねた。 二島返還の指南役である佐藤優は、最近いたるところでこう解説している。 二島返還は裏ルートでの交渉で事実上決着したと。 その佐藤優の解説を知った時、私の推測は確信になった。 安倍首相は、来年6月の大阪でのG20の時に、間違いなく北方領土返還と日ロ平和条約の締結という歴史的偉業を達成するつもりだ」。 そして解散・総選挙に打って出る。 もちろん、それは完全な合意ではなく、お互いが自国に有利なように解釈できる同床異夢の合意だ。 その合意の正確なところは誰にもわからない密約に委ねられる事になる。 しかし、それでも、その合意は安倍首相が解散・総選挙に打って出るには十分な表向きの体裁をとる。 河野外相が4回も記者の質問を無視したのは、この密約のシナリオを悟られないように安倍首相に一切答えるなと厳命されたか、あるいは自分がダミーに使われている事に気づいた河野外相が、その質問は安倍首相に聞いてくれと抗議の意味でふてくされたのか、それとも、まったく知らされていないので、答えようにも答えられなかったか、そのいずれかだ。 どっちにしても、北方領土問題については河野外相の出る幕はない。 安倍首相にとっては、河野外相は、自分に代わって韓国政府に厳しく当たって憎まれ役に徹してくれればいいのだ。 もはや河野外相に首相の目はなくなった。 これも安倍首相の意向に違いない(了)
「次の質問をどうぞ」河野外相 会見で質問を繰り返し無視 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181211/k10011743181000.html 2018年12月11日 16時18分 NHK 動画→https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181211/k10011743181000.html 北方領土問題でロシア側が日本をけん制する発言をしていることについて、河野外務大臣は、11日の記者会見で見解を問われましたが、記者の質問を繰り返し無視する一幕がありました。河野大臣には、交渉に向けた環境を整えるねらいがあるとみられますが、質問そのものに応じない姿勢には批判が出ることも予想されます。 北方領土問題をめぐって、ロシアのラブロフ外相は、第2次世界大戦の結果、北方領土はロシアの領土となったことを日本が認めない以上、交渉は進められないと日本側をけん制したほか、トルトネフ副首相も、強い姿勢で交渉に臨むと強調しています。 こうした発言について、河野外務大臣は、11日の記者会見で、記者団から見解を問われたのに対し、「次の質問をどうぞ」と4回にわたって繰り返し述べ、質問には、一切答えませんでした。 そして、記者団が「公の場での質問に対し、そうした答弁は不適切ではないか」とただすと、「交渉に向けての環境をしっかり整えたい」と説明しました。 河野外務大臣は、政府の方針を交渉の場以外で発信することは、よけいな臆測を呼び、交渉のためにならないなどとして、国会でもたびたび発言を控えることに理解を求めていて、今回の対応も、そうしたねらいがあるとみられますが、質問そのものに応じない姿勢には批判が出ることも予想されます。 立民 辻元氏「外務大臣失格と言わざるを得ず残念」 立憲民主党の辻元国会対策委員長は、記者団に対し、「記者が質問する後ろには国民がいるわけで、質問にまともに答えず、無視するような姿勢は、国民を無視していることに等しい。親子孫3代で議員をやっている世間知らずな大臣にありがちな対応に見えた。情報公開の姿勢にも、誠実さにも欠けると思うし、外務大臣失格と言わざるを得ず残念でならない」と述べました。
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