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入管法衆院強行採決前日の首相・法相答弁の誠実さを可視化。論点ずらしと質問無視が明らかに
https://hbol.jp/180591
2018.12.08 犬飼淳 ハーバー・ビジネス・オンライン
2018年11月27日、実質的な移民政策である入管法(出入国管理法改正案)が衆議院で強行採決された。
外国人技能実習生の大量失踪、その聴取票の法務省データ改ざんの疑いなど問題が山積みであったにも関わらず、だ。さらに12月6日には技能実習生が2015〜17年の3年間だけで実に69名も死亡(実習中の事故12名、自殺6名、殺害4名を含む)したという衝撃の事実まで判明した。この法案が十分な審議を経ずに採決されてしまったことは間違いない。
そこで本記事では、強行採決前日の11月26日の衆議院 予算委員会で立憲民主党・山尾志桜里議員と山下法務大臣および安倍総理の関連質疑を取り上げ、その回答を信号機のように3色3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で直感的に視覚化していく。
安倍総理、まともな回答は5%だけ!
山下貴司法務大臣と安倍晋三総理の答弁を集計した結果、このようになった。
《色別集計・結果》
●山下法相 赤信号64% 青信号32% 灰色4%
●安倍総理 赤信号52% 黄信号29% 青信号5% 灰色15%
2人とも半分以上を赤信号が占めており、ほとんど質問に答えていない。
安倍総理に至っては質問に回答したと判断できる内容(青信号)はわずか5%にとどまった。
いったいどのような答弁だったのか詳しく見ていきたい。
山下法相、冒頭から論点ずらし
入管法改正の第一の論点となったのは、この改正が従来は禁止されていた「単純労働」分野での外国人就労を認めるものになるのか否かという点だ。政府は一貫して「一定の知識・経験を要する業務」に限ると主張しているが、その定義が曖昧なまま政府は拙速に法案を通過させようしていた。
【入管法 強行採決前日】2018年11月26日 衆議院予算委員会 山尾志桜里議員vs山下法相&安倍総理
この単純労働について法務省は「例えば土を右から左に動かすだけの仕事」と例示をしており、この例示を維持するのかを問うた山尾議員。これに対する山下法務大臣の回答がこれだ。
「お答えいたします。今回の受け入れにおいては、個別の作業に着目して単純か否かを判断するものではなく、従事する業務を総体として、たとえば各業務を構成する複数の作業の内容とか、手順であるとか、要求されるスキルであるとか、知識であるとか経験であるとか・・全体として評価するわけでございます。その上で一定の専門性・技能を有するかについて評価するものであります」
判定は、発言全体が「質問と無関係」な「論点のすり替え」であり、当然「赤信号」だ。
冒頭の1段落目、山下大臣は一言目(今回の受け入れにおいては)からあからさま論点をすり替えている。
山尾議員の質問:土を右から左という例示を維持するか否か
山下大臣の答弁:専門性の評価基準
この間、すり替えに気づいた山尾議員は「質問に答えてください」と何度も抗議するも、山下法務大臣は完全に無視して一方的にすり替えの答弁をまくし立てた。
「で、ということで、まあ、一般的抽象的にここで例を示すという事は先ほど申し上げた総合的な評価、それをやることを、なるということをご理解頂いた上であれば、やはりここは適当ではないということになります」
最後にようやく「適当ではない」という回答を述べた山下大臣。
すかさず山尾議員は「では、法務省の例示は撤回するということでありました」と結論部分を簡潔にまとめて、次の安倍総理の質問へと移っていく。
「回答できない」のに話し続けようとする安倍総理
これまで総理は「単純労働は外国人の受け入れ拡大をしない」という趣旨の答弁を続けてきた。それでは今後の日本社会で単純労働は誰が担うのか、という山尾議員の質問に対する安倍総理の回答がこれだ(1分12秒〜)。
【入管法 強行採決前日】2018年11月26日 衆議院予算委員会 山尾志桜里議員vs山下法相&安倍総理
「あのー、ま、単純労働についてどうかと言う質問についてはですね、既にこの予算委員会において山下大臣からお答えをさして頂いて、いわゆる大臣としてですね、これが単純、あの、おー、いわば、多くの方々が、生業のために一生懸命なされている仕事を単純労働と、いわば、あー、切り分けて行く、簡単に切り分けて行くことは、あー、するべきではないと言う趣旨の答弁は、大臣としてはそう答弁をされているところでございます。(※黄信号)
ま、そこで実際にですね、えー、今既に、えー、様々な分野において人手不足が、あー、これは深刻になっているわけで、ま、ございますが、その中においてもですね、しかし、その分野で頑張ろうという日本の方々も沢山いるわけでございますし、ま、生産性の向上にもですね、全力をあげ、政府としても支援をしているところでございまして。そういう中で、さらに努力を重ねてもなお、えー、足りない分野についてですね、えー、外国人の人材を活用して行こうということでございますが、(※赤信号)
しかし、そこでですね、えー、ご質問は、あー、では単純労働は、では、どうかという事でございますが、(※黄信号)
それが誰かと言うことを私が今ここで、えー答弁することは出来ないのでございますが(※青信号)
いずれにいたしましてもですね、えー、これは需要と供給と言う関係で成り立つものでございますが、ま、様々な形でですね、今、えー(※黄信号)」
1、3、5段落目は質問を復唱したり、その場の誰もが知っている質問の背景をなぜか丁寧に説明しており、黄信号とした。いわゆる時間稼ぎである。
2段落目の赤信号は巧妙に論点をすり替えており、ご飯論法と呼べるだろう。
山尾議員の質問:「単純労働」の担い手
安倍総理の答弁:「人手不足の仕事」の担い手
そして、4段落目の青信号は回答ではあるが、その中身は「回答できない」というゼロ回答であった。
質問をする野党議員の立場で考えてみれば、質疑時間は限られているので回答できないのであれば答弁を止めて、別の質問をさせて欲しいと当然考えるだろう。
「回答できない」と言いつつも、まだ答弁を続けようとする安倍総理に対して、「答弁できないなら、もう止めてください」と山尾議員が抗議するのは当然のことである。
しかし、この後、安倍総理は驚くべき行動に出る。
【入管法 強行採決前日】2018年11月26日 衆議院予算委員会 山尾志桜里議員vs山下法相&安倍総理
動画は3分4秒〜。
「今ですね、え、あの、すみません、答弁してる最中にですね、質問されたのに止めて下さいと言うのはですね、どうかと、思うわけですが。今、あのー、まさに、まさに答弁の途中で、えー、ございます」(※赤信号)
1段落目、あたかも山尾議員が失礼なことを言っているかのように誤解させる内容をあえて発言している。これはまさに厚顔無恥話法(ご飯論法と同様、上西充子教授が考案)に当てはまる。自分に非があるのに相手に責任転嫁するような発言を行い、そこだけ切り取った映像がテレビで流されることで相手の印象を悪くする。言ったもの勝ちの印象操作である。
また、この時、安倍総理はかなりのオーバーリアクションで発言しており、テレビカメラを意識しているようにも見受けられる。その様子は動画でぜひご確認頂きたい。
「それは、それはですね、えー、今、様々な形でですね、色々な事業が成り立っているわけでございますが、なかなか、その作業自体にですね、その作業から、どんどんステップアップして行く見込みのないものについては、たとえばですね、えー、
アルバイトという形でですね、様々な人が関わっているものも沢山あるわけでございまして、そうした形でですね、補充されていくということもあるんだろうと言う風に考えております」(※赤信号)
そして2段落目、またも論点のすり替えを行っている。
山尾議員の質問:単純労働の「担い手」
安倍総理の答弁:単純労働の「現状」
この答弁の間、山尾議員は野田聖子委員長に対して「委員長、もう聞いてないことを答えています」等と複数回にわたって抗議しているが、委員長はこの抗議を黙殺し、安倍総理に質問と関係ない答弁を続けさせている。
質問に何ら答えられなかった安倍総理に対して、山尾議員は最後に以下のように総括している。
「つまりですね、諸悪の根源は単純労働なんて割り切れる仕事は無いんだけど『単純労働は入れないから、そんなに拡大しません』とこういう風に言いたいがために例示を一つも挙げられないような幻の単純労働なるカテゴリーを無理に作るから、こういう苦しい答弁になるんじゃないですか」
実に的を射た指摘だ。
これまでの分析でお見せした通り、論点のすり替えがあった際に山尾議員はすぐに指摘して委員長にも抗議をするも、答弁者にも委員長にも黙殺されて質疑時間を無駄にされている。
また、安倍総理に至っては、その講義の声を逆手にとって「厚顔無恥話法」を披露している。この様子は文字を読むだけでは伝わらないため、ぜひ上記のYoutube動画でご確認頂きたい。
「野党は反対ばかり」という意見は果たして正しいのか、自ずと答えは見えるはずだ。
<文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/@jun21101016>
【犬飼淳氏】
サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。
犬飼淳氏の(note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(日本語版/英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している
記事を書きました。山尾志桜里議員の質問に対し、#ご飯論法 #厚顔無恥話法 #信号無視話法 が繰り返された答弁です。
— 犬飼淳 / Jun Inukai (@jun21101016) 2018年12月7日
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入管法衆院強行採決前日の首相・法相答弁の誠実さを可視化。論点ずらしと質問無視が明らかに https://t.co/v79KuDyrHS
— みっち (@4K3l776ufpy9REw) 2018年12月8日
安倍は厚顔無恥の裸の王様状態!そろそろインフルエンザいやカンフル剤を注射しよう!!!!
審議時間を極端に少なくしているだけでなく、審議に応じない安倍晋三とその内閣… 国会を機能不全に⁈ https://t.co/6bLNEccunM
— はやぶさ・安心できる未来に (@8823earth) 2018年12月8日
#外国人労働者 #安倍首相 #自民党 #入管法 #経団連 #nhk_news #NHK #報道ステーション#安倍はアホ
— 沈黙は独裁を生む (@FBujSx8MIqxA0Jp) 2018年12月8日
質問には全く答えなかった
安倍内閣総理大臣、山下厚労大臣https://t.co/oMSqipZYfZ
国会運営毎分1250万もかかるのならこれだろ糾弾すべきは。国会でまともに話ができずにただ質問者の時間を浪費する #安倍晋三 さん #山下貴司 さん 税金返しなさい。https://t.co/EfVomFaWrz
— hiroshiSD #アベじゃないのがイイ #アソウじゃないのもいい。 (@hiroshiSD) 2018年12月8日
安部総理、まともな答弁は5%だけ…?!💢😠💢https://t.co/8KojE0u15N
— 鈴木 雅彦 (@chario09) 2018年12月8日
入管法衆院強行採決前日の首相・法相答弁の誠実さを可視化。論点ずらしと質問無視が明らかに 結局誰のために採用する法案なのか?厳しい審査を経て入管を認められた外国人が就く業種で、どれほど日本の人材不足を改善できるのかもはなはだ疑問だ。あきれる安倍総理の答弁。https://t.co/TAoTx1rGFS
— お笑い芸人評論家 (@owr_qsydd) 2018年12月8日
この記事に載っている安倍の答弁を読んでみてもらいたい。これが一国の首相の答弁なのだ。小学校で教師に当てられた勉強不足の生徒がしどろもどろに答えに窮している、そんな感じだ。これで首相が務まる日本という国の劣化はとどまるところを知らない。https://t.co/AdbltykGHd
— Holms (@Holms6) 2018年12月8日
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