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戦後謀略史象徴としての2012年12月2日
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2018年12月 2日 植草一秀の『知られざる真実』
2012年12月2日の日曜日、午前8時3分に中央高速道路笹子トンネルで天井崩落事故が起きた。 9人の方が亡くなった。 改めて、謹んで哀悼の意を表したい。 この日、未来の党の公約発表が行われた。 2012年12月16日に総選挙が実施された。 この選挙に向けての公約発表であった。 解散を決定したのは野田佳彦氏である。 野田佳彦氏は2009年8月30日の総選挙に際して、 「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」 ことを、声を張り上げて訴えた。 1.2009年7月14日野田佳彦氏衆院本会議討論演説 https://www.youtube.com/watch?v=-3wVwe8a_8c 2.2009年8月15日野田佳彦氏街頭演説 http://www.youtube.com/watch?v=y-oG4PEPeGo 2の2009年8月15日の街頭演説は「野田佳彦のシロアリ演説」としてよく知られるようになった演説である。 2012年1月に、本ブログで紹介して一気に拡散されたものである。 野田氏は次のように述べた。 「天下りを許さないわたりを許さない。それを徹底してゆきたいと思います。 消費税1%分は二兆五千億円です。十二兆六千億円ということは、消費税5%ということです。 消費税5%分の皆さんの税金に、天下り法人がぶら下がっている。シロアリがたかっているんです。 それなのに、シロアリを退治しないで、今度は消費税引き上げるんですか? 鳩山さんが四年間消費税を引き上げないと言ったのは、そこなんです。 シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。」 天下り利権=シロアリ利権について、野田氏は2012年7月14日の麻生太郎首相に対する不信任決議案の賛成討論で次のように述べていた。 「私どもの調査によって、ことしの五月に、平成十九年度のお金の使い方でわかったことがあります。 二万五千人の国家公務員OBが四千五百の法人に天下りをし、その四千五百法人に十二兆一千億円の血税が流れていることがわかりました。 その前の年には、十二兆六千億円の血税が流れていることがわかりました。 消費税五%分のお金です。これだけの税金に、一言で言えば、シロアリが群がっている構図があるんです。 そのシロアリを退治して、働きアリの政治を実現しなければならないのです。 天下りをなくし、わたりをなくしていくという国民の声に全くこた えない麻生政権は、不信任に値します。」 この野田佳彦氏が首相に就任して、シロアリ退治なき消費税増税に突き進んだ。 2012年8月、野田内閣は、主権者との約束を一方的に踏みにじって「シロアリ退治なき消費税増税法」を強行制定した。 消費税率を10%にすることは、野田内閣が決めたことなのだ。 民主党内で、主権者との公約を一方的に破棄することはできないとする勢力が反乱を起こした。 本来は野田一派が民主党を離党して新党を結成するべきであったが、おかしなことに、正当な主張を貫いた勢力が民主党を離党して新党を創設したのだ。 これが、小沢一郎氏が率いた「国民の生活が第一」である。 その後、選挙前に「未来の党」に名称が変更されたが、この新党はれっきとした野党第二党であり、民主、自民に対する、「第三極」政党だった。 この「未来の党」の政権公約が発表されたのが2012年12月2日なのだ。 この日の早朝に笹子トンネル崩落事故が発生した。 メディアは報道番組をトンネル事故報道一色に染め抜いた。 日曜夜のフジテレビ報道番組は番組放送時間のすべてをトンネル事故に充当した。 政権公約は1秒も伝えなかったのである。 2012年12月2日のトンネル事故と未来の党公約発表隠蔽に、日本の闇の片鱗が垣間見える。 |
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