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議論は棚上げ…号令一下、拙速に作成された横並び教科書 安倍政権が推進 アブない道徳教育
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242576
2018/11/28 日刊ゲンダイ 教科化決定から4年で子どもたちのもとへ(C)日刊ゲンダイ 道徳の教科化を巡り、文科省が目指してきたのは、登場人物の気持ちを追うだけの「読み物道徳」ではなく、「考え、議論する道徳」の土台となる教科書作りだったはずだ。その狙いは、少なくとも現状においては、ほとんど実現していない。 連載2回目で取り上げた「かぼちゃのつる」もそうだが、小学校で今年使われている8社の教科書を見ると、同じ読み物が非常に多いことが目につく。「はしの上のおおかみ」「花さき山」「ブラッドレーのせい求書」「雨のバス停留所で」「手品師」などはすべての教科書に掲載されている。また、16の読み物について、4社以上が掲載した。同じく読み物中心の国語の教科書では、およそ考えられない事態だ。 こうした画一的傾向が生まれた最大の理由は「時間」である。検定教科書は世に出るまで非常に時間を要する。教科書会社が内容を編集するのにおよそ1年。文科省の検定を受けるのに1年。各自治体の教育委員会がどの社を採択するか決め、それに応じて印刷、製本、発送するのに1年。最低3年の期間が必要となる。 しかも、道徳教科書は全くの新規分野だけに前例がなく、どうしても余計に時間がかかる。本来なら、教科化スタート年度の5年前には内容の検討に入る必要があろう。教科化決定が2014年。そこから5年かけて作成した教科書が完成する20年度あたりに「特別な教科 道徳」を始めるのが順当なところだ。 にもかかわらず、安倍政権が進める道徳の教科化は、そうした事情にお構いなしに異例のスピードで18年度に前倒しされていく。教科書を作る側にしてみれば、たまったものではない。いきおい、文科省が作成、配布した副読本「私たちの道徳」をはじめ、従来からある教材が扱う読み物を集めておけば無難だとばかりに、各社横並びで同じ話を取り上げる結果になったのだろう。 中でもテッパンに安全なのは、「私たちの道徳」に掲載された読み物である。いわば文科省のお墨付き。検定で文句を言われる恐れは皆無だ。8社がそろって採用した「はしの上のおおかみ」「ブラッドレーのせい求書」「雨のバス停留所で」がそれだ。 検定教科書の登場によって、「私たちの道徳」が国定教科書同然に使われる恐ろしい状況は回避されるはずだった。それが、この3作品に関しては、国が選んだ読み物を全社で取り上げたために、日本中の子どもが読まされるわけである。教科書会社の拙速主義が偏った教科書を作っている。 (つづく) 寺脇研 京都造形芸術大学客員教授 1952年、福岡市生まれ。ラ・サール中高、東大法学部を経て、75年に文部省(当時)入省。初等中等教育局職業教育課長、大臣官房審議官、文化庁文化部長などを歴任し、2006年に退官。ゆとり教育の旗振り役を務め、“ミスター文部省”と呼ばれた。「危ない危ない『道徳教科書』」など著書多数。
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