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「東京五輪の経済効果32兆円」のお粗末な実態…大半が空論同然、五輪後の不況が濃厚(Business Journal)
http://www.asyura2.com/18/senkyo254/msg/245.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 11 月 27 日 00:26:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「東京五輪の経済効果32兆円」のお粗末な実態…大半が空論同然、五輪後の不況が濃厚
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25632.html
2018.11.26 文=池田利道/東京23区研究所所長 Business Journal


東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗氏(写真:つのだよしお/アフロ)


 内閣府が2015年6月に実施した「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」によると、五輪開催で期待される効果(全18項目に対する複数回答)のトップは「障害者への理解向上」(44.4%)。第2グループが「障害者を含むスポーツの振興」(39.2%)、「交通インフラの利便性向上」(38.5%)、「すべての人に優しい街づくりの促進」(38.4%)、「観光客の増加」(37.7%)。以後、「選手の競技力の向上」(34.9%)、「日本人の国際化・マナー向上」(34.3%)、「地域活性化」(32.6%)、「経済波及効果や雇用の創出」(32.0%)と続く。

 何事につけ経済第一主義が幅を利かす昨今の風潮に照らすと、上位にあがってきそうな経済効果への期待は18項目中9番目。誤差を考慮しても、第2グループに届かない位置にある。五輪という「特別な祭典」を前に、国民が目先の利益を超えた高邁な期待を示した結果といえようか。

 だが、実態はというと、「障害者への理解向上」はほとんど進んでいない。内閣府の「障害者に関する世論調査」(2017年8月実施)では、「障害者に対する差別や偏見がある」と思う人が84%。2016年4月に施行された障害者差別解消法を知らない人が77%。その当然の結果として、障害者の側からは差別や偏見が改善されていないという声が、今なお圧倒的な多数を占める。オリ・パラの開催がこの事態を一気に好転させるとは、とても考えられない。

■最後はやっぱりカネ目でしょう

 国民が五輪に期待する効果の2位以下も、むなしさが募るばかりだ。

「障害者を含むスポーツの振興」という美名の裏に障害者がスポーツ施設から締め出される例は、枚挙にいとまがない。「すべての人に優しい街づくり」といいながら、受動喫煙対策は骨抜きにされ、LGBT(性的少数者)へのゆがんだ目も改まりそうにない。「選手の競技力の向上」に至っては、アスリートファーストとはかけ離れた内幕が次々と明らかにされる始末だ。

 交通インフラの利便性向上や観光客の増加、あるいは日本人の国際化うんぬんの裏の実態は、本連載で触れてきた通り。地域活性化は戦略次第で広がりが期待できるものの、事前合宿の誘致とありきたりのインバウンド誘客くらいしか聞こえてこないようでは、「効果も限定的」とあきらめ顔になるしかない。

 かくして、五輪への期待は、「最後はやっぱりカネ目でしょう」とばかりに、経済波及効果にすがりつくしかなくなってしまう。

■五輪の経済波及効果はドラえもんのポケットか?

 2017年3月、東京都は五輪の経済波及効果を約32兆円と試算した。その1カ月前には、みずほ総合研究所が約30兆円という試算を発表している。ほぼ同額だからといって、「客観的に分析すると誰が計算しても結果は大きく変わらない」などと思ってはいけない。

 都の試算は、招致が決まった2013〜30年(大会10年後)までの18年間。一方、みずほ総研は2014〜20年の7年間。期間はまったく異なる。なぜ、こうも大きな差が生じるのだろうか。

 経済波及効果は、直接的な効果と付随して発生する効果の2つで構成される。このうち、前者はある程度正確に把握できる。一方、都の試算では、「レガシー効果」と呼ばれている後者は取り上げる項目やデータの解釈によって結果が大きく変わってくる。予測が正しかったかどうかの検証もきわめて難しい。いわば、言いたい放題の言いっぱなし。言葉は悪いが“鉛筆ひと舐め”だ。

 それがおまけのプラスαならまだいいが、都の試算では総額32兆円のうち27兆円、みずほ総研の試算では同30兆円のうち28兆円。「おまけ」のほうが、はるかに大きい。

 図表1に、都の試算におけるレガシー効果の内訳を示した。五輪と銘打てばなんでも出てくるドラえもんのポケットのようだ。


※全画面で画像拡大

■「水素社会がレガシー」の違和感

 たとえば、本当の勝負はこれからのインバウンド観光は、「五輪を機にいかなる取り組みを展開し、その結果どれだけ需要を上乗せできるか」という戦略的ストーリーがあって初めてレガシー分を算定することができる。ロボット産業の拡大も、五輪を契機として私たちの生活の中にロボット共生社会が急速に普及・定着していくのならレガシーに勘定できるが、単に一部導入するというレベルでは、技術革新のトレンドに乗ったショーでしかない。

 バリアフリーの促進をレガシーとすることについては、さらに評価が辛くなる。オリ・パラの開催がないと東京のバリアフリーは進まないということなのか。だとしたら、本末転倒も甚だしい。

 一番強い違和感を覚えるのが、水素社会の実現だ。なるほど東京五輪では、移動手段としての燃料電池自動車の活用や、選手村での燃料電池コージェネレーションの導入を図るという。しかし、2030年に向けて水素社会が定着するには、水素ステーションの問題を筆頭にまだまだ多くの課題が横たわっている。これらの課題に対する大胆な提案なしに、「先行的に導入するからレガシーだ」というのではあまりにも安易すぎる。

■五輪後の経済低迷は必然

 額の多寡はともかくとして、五輪は経済的な発展効果をもたらすことができるのだろうか。

 前回の東京五輪の翌年、我が国は「昭和40年不況」に見舞われた。大手証券会社が軒並み赤字に転落し、山一證券では取り付け騒動まで発生したことから、「証券不況」とも呼ばれる。

 五輪開催後に景気が低迷したのは、1964年の東京大会だけではない。図表2に示したように、1988年のソウルから2012年のロンドンまでの7大会のうち、IT景気の波に乗っていた1996年のアトランタ大会と2012年のロンドン大会を除く5大会で五輪開催後に景気の低迷が訪れている。



 この事実はすでに多くの識者が指摘しており、読者もご存じのことだろう。つけ加えると、これはジンクスでもなんでもない。大きなイベントが終わると、どうしても「宴の後」よろしき中だるみが生まれてくる。ましてや五輪だ。無理をしてでも投資の前倒しが行われ、その結果として「燃え尽き症候群」とでも呼び得る「五輪ロス」が生じるのは不思議なことではない。

■成長神話が崩れ去る「終わりの始まり」

 問題は、それが一時的な現象なのか、構造的な変化なのかにある。一時的なものなら、しばらく我慢していればいい。だが、どうもそうではなさそうだ。

 図表3に、プレ五輪5年間とポスト五輪5年間の経済成長率の平均値を整理してみた。1964年の東京大会は、翌年の経済低迷に対して戦後初の赤字国債を発行するという政治的決断を行うことよって、いざなぎ景気へのV字回復を果たすことができた。しかし、そこには、新たな刺激を与えると再び経済が好転に向かうという、時代の背景が存在していたことを忘れてはならない。



 ソウル以降の各大会では、アトランタとロンドンを除き、ポスト五輪の経済成長率がプレ五輪を下回っている。五輪の開催には膨大な費用を要する。このため、経済発展のバックボーンがないと五輪招致に手を挙げることができない。しかし、あまりにも大きすぎる負担は、かつて機能していた成長のバランスを崩してしまいかねない。こうして、五輪後の経済低迷は成長神話が崩れ去る「終わりの始まり」へとつながっていくことになる。

 アトランタとともにポスト五輪のほうが高い成長率を示すロンドン大会は、リーマン・ショックに端を発する世界金融危機と、その傷が十分癒えぬままに噴き出した欧州債務危機という最悪の状況下で開催された。従って、その影響を割り引いて考える必要があるが、それでも図表3に参考として記した英独仏の比較において、プレ五輪では成長率がもっとも低かったイギリスが、ポスト五輪ではもっとも高くなっている。社会の大きな舵の切り直しに五輪をしたたかに利用した成果が、ここに表われているといっていいだろう。

 このまま進めば、ポスト2020は明より暗のほうが優勢のようだ。では、どうすればいいのか。迂遠なようでも、「なぜ五輪を開催するのか」の原点に立ち返り、改めて国民的コンセンサスを得るための議論を高めるしかない。すべてはそこから始まり、すべてがそこからねじれ出したのだから。

(文=池田利道/東京23区研究所所長)















 

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コメント
1. 2018年11月27日 06:39:35 : eUTpkAQIBY : _ykxv7Bctt8[1217] 報告
どうも五輪にしろ万博にしろ、
トラヌ狸という新しいタヌキのスピーシーが牛耳っているようだな

あそっか、アベノミクスからしてトラヌ狸属の旗振りだったか

2. 2018年11月27日 08:33:40 : CzYJx39lTc : FaXl5LfuFC0[1347] 報告

「ウソの先駆者=森喜朗」その最近の写真を見ると、

その背後に『死に神』が写っている。−−−−背後霊なのか?

3. 2018年11月27日 18:47:40 : IJjjrLkBu1 : Tp0IihGPIW0[3724] 報告
  確かに表向きの経済効果を考えると取らぬ狸の皮算用だが、それはあくまでも税金や公金を使われる側の一般底辺納税者から見た見方であって、関係者からすれば、取らぬ狸どころか、予算として必ず手中に入る金目であろう。
   大型公共事業の例に漏れず、建設前の調査費用と建設時に投入される国費は膨大であるところ、建設後の稼働や維持管理は地元自治体に任せてしまえば閑古鳥が鳴こうと一向に構わないのが中央政府の関係者であり、だからこそ、首を横に振るという選択肢が無い首長の承認行為が建設事業には必須なのである。
   調査と建設に要した公金さえ得れば、後は自治体による四苦八苦の維持費の捻出をさせるためにも首長の承認を要する仕組みがあるのだろう。
   案の定、空港にしても港湾にしてもダムにしても、完成後は自治体が維持費で困窮する例は多いのである。
   オリンピックや万博、IRとて中央で経済効果を喧伝すれば自治体が飛びつくからそう言っているのであり、関係者は採算などは考えていない。
   あくまでもオリンピックに群がる利権関係者にとっての経済効果であり、国民納税者にとっての経済効果では無いことは明白であり、実は後は野となれ山となれの心境であろう。
   森友事件等での世論の批判に苦しむ夫人に対して安倍は、悪名は無名を凌ぐというからね、と慰めたという報道が有ったと記憶しているが、この首相の文言からしても、幾ら悪名高かろうが、一旦走り出したらこっちのもんだ的な感覚であるに違い無い。
   オリンピックや万博、IRは、今や公金を宛にした魑魅魍魎による投資話に過ぎないのであり、如何に納税者から集めた公金を投資しバックマージンを得るかで浮足立ち、本義をまともに考えている関係者が居たとしても、直に澄んだ水には住めないと知るだろう。
   かつ軍団から裏切り者として礼遇されない為にも、寄らば大樹、長いものには巻かれろで、良心を捨てて仲間内だけの利権確保を是とすることになるのであり、いわばマフィア型の契りが最優先になるのが自民財官護送船団方式であり、こうした組織が水面下では筍の地下茎のように各国を跨いで繋がっているのではないかと思えるほど、日本のトップも大胆不敵、無名を凌ぐ悪名振りである。
    
    
4. 2018年11月27日 20:49:03 : G5D6FEvRq2 : TCTC0rq01SQ[164] 報告
もう誰も 興味がないさ 効果など

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