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11月 19, 2018
<「私は来年10月の消費税増税は凍結すべきだと思っています。10%への税率引き上げは日本経済を破壊するからです」
「しんぶん赤旗日曜版」(11月18日付け)で、こう断言しているのは、2012年から安倍内閣で内閣官房参与を務めている、藤井聡・京都大学大学院教授だ。藤井氏は「しんぶん赤旗日曜版」のインタビューに応じ、景気への悪影響、貧困の拡大、被災地復興への打撃といった観点から、2面に渡って消費増税の危険性を語っている。
実は藤井氏が消費増税反対を唱えるのはこのインタビューが初めてではない。先日刊行された著書『「10%消費税」が日本経済を破壊する』(晶文社)においても、〈デフレ状況にある現在の我が国において消費増税を行うことは、 国民を貧困化させ、日本を貧国化させ、そして、挙げ句に日本の「財政基盤」そのものを破壊することにつながると確信する〉と主張。増税の「凍結」、いや「減税」こそが〈日本経済に最悪の被害がもたらされることを避けるための、最善の策〉だとし、増税の凍結・減税は〈政治の力で変えられるのは、当たり前〉だと述べているのだ。
そもそも、安倍首相は「日本経済は11年ぶりとなる6四半期連続のプラス成長」「内需主導の力強い経済成長が実現している」などとしきりに景気回復を強調するが、一方で今年9月のJNN世論調査では84%の人がアベノミクスの景気回復について「実感ない」と答えている。だが、これは当然の話だ。藤井氏によると各世帯の年間消費額は、2014年に消費税を5%から8%に引き上げる直前が369万円だったのに、増税後は一気に下がりつづけ、2017年には335万円にまで落ち込んだのだ。つまり、〈消費増税のせいで、私達は一世帯当たり年間 34 万円分も「貧しい暮らし」を余儀なくされるようになった〉というわけだ。
しかも、「景気回復」との掛け声とは裏腹に、2014年の増税後からサラリーマンの給与水準も低いままで一向に回復していない。中小企業の「景況感」をはかる業況判断指数(DI)も、リーマンショックで「どん底」に落ちて以降はマイナス(景気が悪い)ながらも徐々に回復しつつあったが、2014年の増税によって改善傾向がマイナス領域でピタリと止まったまま。「消費」「賃金」「景況判断」の客観的データからも、2014年消費増税によって庶民の暮らしは大打撃を受け、依然として深刻な状態にあることがわかる。何より、日本経済全体の6割を占める「消費」の総額(実質値)は、消費増税前後で14兆円も下落。その後も消費は冷え込んだままなのだ>(以上「LITERA」より引用)
経済学を学んだものなら、現在の日本経済の現状から消費増税の実施はGDPを大きく毀損する、ということは誰にでも解る簡単な経済原理だ。それは消費税が総需要そのものを直接減少させる効果を持つからだ。
だから8%増税を実施した2014年4月を境にややインフレ化からデフレ化に逆戻りして、国民が貧困化した。日本経済を考えるなら消費増税を断行するのは狂気の沙汰だ。
経済成長なくして増税はあり得ない。反対に経済成長すれば税制をいじらなくても自然増となる。
経済成長のためには生産の効率化が必要だ。それは生産設備を現状のままにして、「人手不足」だから外国人労働者を入れれば良い、というものではない。それでは労働者一人当たりの賃金は上昇しない。つまり国民は貧困化したままだ。
企業の人手不足を政府は放置すべきだ。そして海外移転した企業が国内回帰するのを促進するためのUターン投資減税を実施すべきだ。国内で新工場を建設するに際して、旧来の生産設備をそのまま再現する愚かな経営者はいない。必ず新規生産性の高い工場を建設するはずだ。
そして企業の技術・研究開発に対しても減税措置を講じるべきだ。ただ本税を引き下げた法人税は30%台まで戻すべきだ。本税を引き下げて分かったことは内部留保を増やすだけで、賃金の増加に繋がらなかった、ということだ。
財政規律論者は政府内から追放して、財政拡大策を強力に推進すべきだ。まずは経済拡大の先鞭を政府が執らないでどうする。そして国土強靭化の公共事業を全国規模で展開することだ。日本国民が不慮に命を落とし財産を失うのは「戦争」ではない。毎年のように繰り返される災害だ。
あえて自然災害、と書かなかったのは人災の側面も大きいと思うからだ。広島の土砂災害は砂防堰堤がなかったことと、あってもいかなる土砂流出を想定して造ったのか意味不明なチャッチイものでしかなかったからだ。
岡山県の堤防決壊は古来より政治の要諦とされて来た「治山治水」を怠ったからに他ならない。それらを自然災害で片づけられるのか。安倍氏が政権当初に公言した「国土強靭化」策を実施していれば少しは軽減できたはずだ。
国土防衛は必要だが、ポンコツ兵器を爆買いしても何の役にも立たない。それよりは耐久年数に達している社会インフラん更新こそが急がれる。安倍氏は何の展望もないプーチン会談で国民の関心を内政から逸らすのではなく、真摯に国民の生命と財産を守るために死力を尽くすべきだ。
消費増税により税制を複雑怪奇にするよりも、消費税を5%に減税して、経済拡大策に死力を尽くすべきだ。それこそが日本の防衛力を高める近道でもある。なにしろGDPの1%枠があるから、防衛費を増やすにはGDPを大きくするしかない。経済拡大策に政治家全員が頭を絞れ。
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