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11月 14, 2018
<日本銀行の資産が日本の名目国内総生産(GDP)の規模を超えた。日銀が13日公表した営業毎旬報告によると、10日時点の資産は553兆5923億円と、年率換算した4−6月期の名目GDPの552兆8207億円を上回った。
保有資産のうち国債は469兆1410億円。日銀が国債買い入れを柱とする異次元緩和を開始する直前の2013年3月末の資産額は164兆円だった。異次元緩和が始まって5年以上たった今も2%物価上昇目標達成は遠く、9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比1.0%上昇にとどまる。金融正常化が進む米欧との距離が広がる中、異次元緩和の副作用への懸念も強まっている。
黒田東彦総裁は13年4月、2年程度で2%の物価目標を達成すると宣言し、長期国債の保有額が2倍以上になるよう買い入れを開始。その後、マイナス金利や長短金利操作が導入された。今年7月の金融政策決定会合では「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定」とした政策金利のフォワードガイダンス(指針)を導入し、長期金利のある程度の変動を認めた>(以上「Bloomberg」より引用)
日銀は正念場に差し掛かったようだ。異次元金融緩和は限界値に達した。すでにマイナス金利で日本の金融機関は根底から痛めつけられている。これ以上の負担を金融機関に強要するわけにはいかない。
そもそも異次元金融緩和だけで経済成長をどうにかしようとするのは無理だった。安倍自公政権は日銀の金融緩和策と並行して財政拡大策を基本とする経済刺激策との合わせ技でデフレからの脱却と経済成長を実現する「当初計画」だった。
しかし「当初計画」の柱だった国土強靭化策はアッという間に財務官僚の使嗾する財政規律論に掻き消され、公共事業費が後退する中で毎年のように激烈な災害が日本各地を見舞った。国土強靭化していない堤防や山は崩れて、国民の多くが土砂災害で毎年のように亡くなっている。
そして安倍自公政権の狂った政治により「労働法」破壊や「技能実習生」と称する究極のデフレ化策が実施され、経済は安倍自公政権の政策通りに停滞し、国民は貧困化した。
日銀が独り頑張っても、所詮は「金融政策」に過ぎない。実体経済を拡大する実効性ある投資拡大策や技術・研究開発促進策なき安倍自公政権の空虚な「戦争準備」法案乱立と米国製ポンコツ兵器爆買い策だけで、日本経済がどうやって成長できるというのだろうか。
企業は短期利益の最大化だけを目論んで海外移転する事ばかり考え、国内の生産設備投資を行わない。そして経済界とタッグを組んだ安倍自公政権は安価な外国人労働者を大量に入れる「デフレ化策」に熱狂している。さぞかし日銀のアナリストたちはバカバカしさに呆れ返っているだろう。日銀だけが割を食っている、と。
しかしデフレ化策の一端を「円安」も担っていることを忘れてはならない。そろそろ出口戦略を明確に示さないと、日本だけがいつまでも世界経済から置き去りにされるだけだ。日本の沈没は止まらない。
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