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米に史上最年少の女性議員誕生 日本の野党が学ぶべきこと https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241234 2018/11/09 日刊ゲンダイ 中間選挙で一躍時の人に(C)ロイター共同 「世界はより良くできるのです!」 6日(日本時間7日)投開票の米中間選挙の勝利会見でこう力強く語ったのは、史上最年少の女性下院議員(民主党)となったアレクサンドリア・オカシオコルテス氏(29)だ。 彼女は、労働者階級の家庭に生まれたヒスパニック系だ。ボストン大学卒業後、2008年に急死した父に代わり、バーテンダーやウエートレスの仕事を掛け持ちして家計を支えていたという。 そんな経歴の彼女が注目を浴びたのは、中間選挙に先立ち候補者を選んだ今年6月の民主党予備選挙。無名の新人にもかかわらず、若者や有色人種を取り込む“ドブ板”選挙戦を展開し、10期連続当選の現職だった民主党主流派で重鎮の牙城を崩したのだ。最近では、マイケル・ムーア監督の最新作「華氏119」に“反トランプ”派として取り上げられ、耳目を集めている。 彼女の快進撃には、“安倍1強”を許している日本の野党が大いに学ぶべき点がある。 オカシオコルテス氏は、仕事を掛け持ちしながら家計を支えた自身の経験を踏まえ、「ワーキングクラスの代表」を自任。企業献金を受け取らず、SNSを通じて政策を広める「草の根運動」に徹して若者やマイノリティーの支持を集めた。 ■田中康夫氏も野党に苦言 彼女の組織に頼らぬ選挙戦について、元長野県知事で作家の田中康夫氏は自身の公式動画で、次のように語っていた。 「(彼女に)左派勢力がついてきたのは、労働組合とくっついた、個人に立脚していない民主党への危機感があったから」 来年の参院選を控え、野党に求められるのは、組合などとつるんで既得権益を守ろうとする候補ではなく、彼女のような労働現場の苦労を知る“叩き上げ”の候補ではないか。田中康夫氏に改めて聞いた。 「オカシオコルテス氏が選ばれたのは、16年の大統領選で、経済成長から取り残された、いわゆる『ラストベルト』の人たちがトランプ大統領に希望を見いだしたのと同じではないか。日本では、野党が『連合』という“労働貴族”とズブズブです。『政権獲得』を目指す野党が、票田を持つ組合と一緒になっていては、組合の“イエスマン”にしかなれない。ドラスチックな改革など期待できませんよ」 組織の後ろ盾がなければ票を獲得することができない――。こんな言い訳が日本でまかり通っている限り、野党が政権交代を実現するのは難しい。
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