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米「脱・遺伝子組み換え作物」が拡散 しかし日本市場は… 外資の餌食 日本の台所が危ない https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241090 2018/11/07 日刊ゲンダイ オバマ大統領(当時)も横ヤリ/(C)日刊ゲンダイ 1990年代後半から全米で爆発的に普及した遺伝子組み換え作物だが、2010年代になって安全性に疑問が沸き上がった。果たして12年11月、カリフォルニア州で、遺伝子組み換え食品の表示義務化をめぐる住民投票が実施されることになった。 「遺伝子組み換え作物が素晴らしいというのなら、表示して誇ればいい。私たちには買わない権利がある」――。義務化推進派はそう訴えた。事前調査では大多数が表示の義務化を支持していたが、結果は賛成49%、反対51%。表示義務化は実現しなかった。 モンサント、デュポンなどのバイオ企業やペプシコ、ネスレなど食品会社が巨額の資金を投じて、大反対キャンペーンを展開。CMで「食品価格が高騰する」と訴えたことが奏功したとみられている。 その後、13年にワシントン州、14年にオレゴン州の住民投票でも僅差で否決されたが、人口わずか62万人のバーモント州が風穴をあける。14年4月、全米で初めて遺伝子組み換えの表示を義務付ける法律を州議会で可決。16年7月1日から施行された。ところがこの動きに横ヤリが入る。同年7月29日、オバマ大統領は、遺伝子組み換え食品をバーコード表示でもOKとする連邦法に署名。ハッキリ目立つ表示を義務付けたバーモント州の法律は無効にされたのだ。 バーコードでは何の意味だか分からない。オバマの連邦法は義務化反対派の完勝。 オバマ政権で農務長官を務めたビルサック氏は、コテコテの遺伝子組み換え推進論者で、リベラルなオバマも多国籍企業に囲われていたのである。 「確かに、これまで米国で法律での表示義務化は成功していません。しかし、民間レベルで、非GMO(遺伝子組み換えでない)の認証を行い、食品に表示したり、非GMO食品の情報を提供する動きが広がりました。また、化学肥料や農薬を使わない有機農作物も売り上げが伸びています」(アジア太平洋資料センターの内田聖子氏) 米国の「“脱”遺伝子組み換え作物」は、世界を巻き込みつつある。 「米国の他、ブラジル、インド、カナダなどで遺伝子組み換え作物の栽培は減少し始めています。ルーマニア、ウクライナはすでに遺伝子組み換え作物の作付けから撤退し、ロシアと中国もその方向で検討しています」(元農水大臣で弁護士の山田正彦氏) 1996年の栽培開始以来、遺伝子組み換え作物の耕作面積は一貫して右肩上がりだったが、15年に初めて前年比1%のマイナス成長になった。16年は盛り返したものの、世界的な退潮がうかがえる。追い詰められた多国籍企業の目に留まったのが日本市場なのである。 =つづく (取材=本紙・生田修平、高月太樹)
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