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米韓FTAの二の舞に…「地産地消」の学校給食がなくなる日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/240602
2018/10/31 日刊ゲンダイ
地元の食材給食を楽しむ児童たち(C)共同通信社
種子を扱う多国籍企業の門戸開放要求に、政府は日本の食市場を開こうとしている。参入障壁の撤廃や自由でフェアな貿易といえばもっともらしく聞こえるが、それを「食」に当てはめるととんでもないことが起こる。
2012年に発効した米韓FTA(自由貿易協定)でターゲットにされた韓国の学校給食が象徴的な事例だ。
韓国では、身の回りでとれたものを食べるのが体に最も良いという「身土不二」という考え方があり、学校給食は「地産地消」とする条例が自治体で設けられていた。ところが、FTAの観点から見れば、これらの条例は地元業者のえこひいきになり、米国の農産物を差別していることになる。
東大大学院の鈴木宣弘教授(農政)が言う。
「地産地消を貫いて、韓国の地元業者を優遇すれば、ISDS(紛争解決)条項で韓国政府が訴えられかねない。韓国政府は訴訟リスクを回避するため、自治体を指導し、地産地消の学校給食を定めた条例が次々に廃止されました。韓国は米国にうまくやられました」
しかし、自由貿易や訴訟リスク回避と引き換えに、地産地消の給食が消えたことで、韓国国民が失ったものは計り知れない。
「地産地消は食の安全、安心を支えるものであるだけでなく、その国の文化です。しかし、自由貿易の世界では、それが差別になってしまう。米国は日本の給食市場も、間違いなく狙っています。日本でも地産地消がやり玉に挙げられかねません。韓国の二の舞いにならないためにも、もっと世論が騒がなければいけないのですが、『種子法』廃止や食をめぐるFTAの問題などについて取り上げるメディアが少ない。このままでは、知らないうちに学校給食が餌食になります」(鈴木宣弘教授)
日本でも、地産地消が大事だと思う人は多いはずだ。このまま黙って餌食にされていいのか。
=つづく
(取材=本紙・生田修平、高月太樹)
《連載[外資の餌食 日本の台所が危ない]──米韓FTAによって“地産地消”の学校給食が廃止された韓国が失ったもの》 https://t.co/ZARvWx3kQM
— うさみ正記 (@usami_masaki) 2018年10月30日
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