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牛飼いも大工も農民も漁民も、それぞれの目線で憲法を読み語れ。(澤藤統一郎の憲法日記)
http://www.asyura2.com/18/senkyo252/msg/780.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 10 月 27 日 23:20:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

牛飼いも大工も農民も漁民も、それぞれの目線で憲法を読み語れ。
http://article9.jp/wordpress/?p=11345
2018年10月27日 澤藤統一郎の憲法日記


 牛飼が歌よむ時に 世の中の 新しき歌 大いに起る

アララギに拠った伊藤左千夫のご存じの歌。「伊藤左千夫歌集」巻頭の一首だそうだ。この著名な一首を本歌として、ひねってみた。

 大工らが日本国憲法よむ時に 自由と人権 大いに起る

私の手許に、「大工の明良、憲法を読む:土台と大黒柱が肝心!」という新刊本がある。著者明良佐藤は1943年の生まれ、私と同い年のホンモノの大工だという。大工が書いた、大工目線の憲法の解説書である。憲法の成り立ちと構造を語り、前文から全条を解説している。これは快挙だ。

伊藤左千夫は、歌人としての高みから牛飼に歌作を薦めたのではない。伊藤左千夫自身が、乳牛を飼育して牛乳の製造販売に従事していた人。冒頭の一首は牛飼い自身の歌であればこその、生活者の歌としての清新さと骨太の逞しさを感じさせる。

大工の明良も、左千夫と同じことを憲法の分野でやった。研究者としての高みから、大工に憲法を解説したのではない。大工の仕事を比喩として、憲法の成り立ちを説明したものでもない。ホンモノの大工が、大工目線で憲法の全条文を読み、大工目線で憲法を解説したのだ。

この本の惹句がなかなかに秀逸である。
帯に「『君たちはどう生きるか?』の憲法版」とある。そう言って大袈裟でもなかろう。併せて、「『君たちはこの憲法をどう守るか?』と大工の明良さんは問いかける」ともある。徹底した護憲の立場。それを「若い君たち」に問いかけている。憲法に接した著者の感動と理解を若い世代に語り伝えようという情熱で書かれている。

上野千鶴子が帯で推薦の評を書いている。

「今さらながら、『えーっ、びっくり!』の連続。こんなわかりやすい憲法解説書はなかった」というもの。

出版元の現代書館はこう宣伝している。

「学者・弁護士・政治家の本では絶対に見られなかった“大工の憲法論”。大工の目で日本国憲法を読み解くと、それは驚きのベストホームだった! 従来の憲法論とはまったく異なる論点から明らかになる憲法の可能性を楽しく解説。」

この書の特徴は「大工目線」に尽きる。たとえば、憲法99条の「公務員の憲法尊重擁護義務」の解説で、立憲主義に触れる部分は、次のような書き方になっている。

 大工の目から言うと、家づくりの図面は、すべての職人等が守らなければならない最高法規といっていいものです。各職人が図面を勝手に解釈してつくったら、家づくりが順調に進みません。
 内閣総理大臣に相当する棟梁が率先して守らなければ、他の職人に示しがつかないどころか、他の職人から、棟梁が勝手に解釈するなら、こっちもやりいいようにするよ、となり、図面通りの家ができなくなってしまいます。
 それでは依頼主、つまり主権者である住む主人公の思いが実現できなくなります。
 憲法擁護義務は天皇、首相、大臣、議員、裁判官だけ。そこに国民が入っていない、というのは、家づくりでいえば当然です。家づくりをするのは大工等の職人で、家の設計図を守らなければならないのは職人です。依頼主である家の主人公が、家をつくる職人であるわけがないからです。
 建て主は、自分たちの思い通りの家ができていくのかを監視し、チエックしないとあとで欠陥住宅をつかまされたと、泣きが入るかもしれませんよ。


国民が施主、総理大臣以下の公務員が職人。施主から職人に渡された設計図が憲法に相当するもので、職人が勝手に設計を変えてはならない。施主は職人をしっかり監視しチエックしないと、思い通りの家が建たないというのだ。分かり易いではないか。

私はこの本のゲラの段階で目を通している。出版社からの依頼で校正に関わっている。忙しい折だったが楽しい作業だった。

改めて思う。牛飼いも大工も左官もサラリーマンも公務員も商人も教員も、女性も在日も障がい者も、学生も子どもも、犯罪被害者も冤罪に苦しむ人も、それぞれの目線で憲法を読み語れ。農民には農民の、漁民には漁民の目線があう。それぞれの立場で他の人たちが気付かない憲法を読む目線があるだろう。

「大工の明良」のように、憲法全文の解説をし、さらに「第2部 憲法を深く考えてみたら未来に光が見えてくる」と論文まで付するのは至難の業。条文のひとつでも、テーマのひとつでも、それぞれの目線で、憲法を読んで大いに語ろうではないか。

主権者国民がそれぞれの目線で主体的に憲法を読み語るまさにそのときにこそ、「新しき 憲法の時代」が到来するのではないだろうか。そして、民主主義も、自由も人権も、平和の風も、大いに起ることになるだろう。

この本の体裁は以下のとおりである。
単行本: 294ページ
出版社: 現代書館
発売日: 2018/10/8
1600円+税
http://www.gendaishokan.co.jp/new03.htm

(2018年10月27日)




 

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コメント
1. 2018年10月28日 19:27:55 : UGd5uG6y2Q : _7yrpMxYnqY[621] 報告
許される ルール破りも 地位あれば

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