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「全体主義」のシンボル消費税増税?冗談じゃねェぞ!
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2018/10/28/post-2134.html
サンデー毎日 2018年10月28日号
牧太郎の青い空白い雲/690
熱心な読者は気づかれていると思うが、このところ「安倍・全体主義の恐怖」について書いてきた。
「樹木希林さんが道徳ドラマ『星野君の二塁打』を読んだら?」(687回)では「チームのために、自分を犠牲にして"送りバント"しろ!」という全体主義の危うさを指摘し、「"相撲協会vs.貴乃花"の背景に安倍『村八分主義』あり!」(前回)では「一門に入らないと廃業だ!」と貴乃花に迫る協会の体質に迫った。
個人より全体!という昨今の"安倍流"にどうしても加担できない。だから批判した。
で、今回は、安倍政権はなぜ「全体主義」を標榜(ひょうぼう)するのか? その原因を書きたい。
答えは簡単。結論をまず言おう。
安倍長期政権は失敗だらけで、日本を間違いなく「貧乏国」にしてしまった。コレを隠すため「全体主義」を利用している。そう分析した。
× × ×
日本国は低迷している。それが証拠に、例えば、アメリカ経済を牽引(けんいん)している「ビック5」。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトの5社の株価時価総額は合計478兆円である。
ところが、日本は......第1位のトヨタ自動車でも、わずか22・6兆円である。「鉄は国家なり」と自負していた新日鐵住金でも2・1兆円。まあ、ユニクロが5・5兆円と健闘しているが、日本経済はすこぶる貧乏になった(正確な数字は分からないが、中国のアリババでさえ、株価時価総額は100兆円に迫っているという)。
この「体たらく」を隠すために、安倍政権はゼロ金利に逃げ込んだ。金融政策に過剰に介入して、異次元金融緩和と公的資金で株価を引き上げる。「インチキ」株価操作である。
庶民(個人)は預貯金しても金利がなくなってしまったので、自動的?に「貧乏」にならざるを得ない。
「全体(国の経済)のためだから個人は金利を諦めろ!」というわけだ(もちろん、銀行は極貧になった)。
とはいえ、もし、この6年間で、累計65兆円といわれる公的資金が株価操作に投入されなければ、多分、日経平均は3割方、安くなったハズだ。
インチキな株価操作で「全体」という名前の富裕層は潤った。「景気が良くなった」と喜んだ。しかし、コレは全くの幻想である。
大企業はこのインチキを知っているから、給料を上げようとしない。個人の所得はどんどん減っていく。これが、我が全体主義国家の実情である。
× × ×
こんな「大失敗続きの安倍晋三首相」が総裁3選を果たした。
もちろん、これもインチキである。自民党員104万人の55%の支持を受けた、と胸を張るが、コレは有権者の1%にも当たらない。民主主義だなんて言えない代物だ。
その安倍政権が「平気でやろう!」としているのが「2019年10月の消費税増税」である。
メディアも「消費税増税は既定路線」と、議論しないように仕向けている。
だが、そんな理不尽なことができるのか?
家計簿みたいな単純な収支計算で国家予算を配分する財務省。平気で、安倍さんの「お友達のために」法外な補助金を提供する財務省。そんな彼らが「増税する!」と言っても、誰がついてくるのだろうか。
増税すれば、今でも(ゼロ金利に目をつぶって)預貯金している「庶民(個人)」は消費しなくなる。
消費税不況は目に見えている。
菅義偉官房長官は10月7日のNHKのテレビ番組で「10%への消費税引き上げはリーマン・ショックのようなことがない限り実施する」と話したようだが、実態は(全体主義に隠れて)リーマン・ショック並みの大不況が近づいているのだ!
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