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10月 12, 2018
<米共和党のルビオ上院議員と民主党のスミス下院議員は10日、米議会で記者会見し、中国政府が新疆(しんきょう)ウイグル自治区で少数民族のウイグル族に対し「空前の弾圧」を行っていると非難し、対中経済制裁など、強力な対抗措置をとるようトランプ政権に促す法案を提出すると発表した。
ウイグル族の多くはイスラム教徒。
両議員はまた、中国政府が米国内のウイグル族系移民らに対し、同自治区での実態に関する口止めなどを狙った嫌がらせを行っていると指摘し、連邦捜査局(FBI)のレイ長官に捜査を求める書簡を送ったことも明らかにした。
ルビオ氏は、中国で「国家分裂罪」で有罪判決を受け投獄されているウイグル族経済学者、イリハム・トフティ氏をノーベル平和賞候補に推薦する意向も表明したほか、国際オリンピック委員会(IOC)に2022年の北京冬季五輪開催を見直すよう要請する考えを明らかにした。
両議員は議会超党派でつくる「中国に関する議会・行政府委員会」の共同議長で、同日公表した委員会の年次報告書で指摘した。
同委員会は中国の人権状況などの監視を目的に00年に設置。報告書は中国政府が100万人以上の少数民族を「再教育施設」に強制収容していると指摘した。
報告書は強制収容を「第二次大戦以来の大量監禁で、かつての南アフリカでのアパルトヘイト(人種隔離)さながらの公的な人種差別政策だ」と指弾した。
報告書はまた、「中国共産党による支配強化」と「インターネット管理強化」の問題も強調。人権派弁護士や市民団体などの排除について触れ、「中国の人権状況は習近平国家主席(共産党総書記)が権力を掌握して以降、全ての分野で悪化の一途をたどり続けている」と結論づけた。
ルビオ氏は、共産党が特定の外国人記者に査証(ビザ)を発給しないなどの措置を通じて外国メディアの論調を操作していると指摘し、「米国を含む世界の記者で、中国に迎合する記者が出ている」と批判した>(以上「産経新聞」より引用)
上記記事でも明らかなように、新疆ウィグル自治区に対する中国の侵略は目に余る。米国は「中国の覇権」主義を本気で挫こうと米中貿易戦争を仕掛けているが、ここに来て「人権問題」で中国政府への批判を強めている。
しかし中国の周辺民族に対する侵略の現実は「民族抹殺」と呼ぶべきものだ。人口統計を見ると1990年時点で新疆ウイグル自治区の総数が1499万人のうち、漢族が565万人。1995年には、総人口1661万人のうち漢族が632万人と、5年間で漢族人口は67万人も増加している。2000年には、漢族人口は約749万人となっており、5年間で117万人も増加しており、10年間で184万人の漢族が新疆ウイグル自治区において増加している。
だが中国政府の公表する人口統計には軍人の数が含まれていない。2003年の兵団総人口は257.9万人だからそれを漢民族に加えると、実際の人口比は漢族がウイグル族を上回っていると推測される。
これが隣接する少数民族の土地を奪う大国のやり方だ。それはロシアが長い年月をかけてクリミア半島のタタール人を追い出し、ロシア人を入植させ続けてついに全住民の60%をロシア人が占めるに到った段階で、住民投票により「民主的」にクリミア半島の帰属をロシアと決めて、ロシアが併合したやり方を彷彿とさせる。
中国政府が新疆ウィグル自治区を侵略する目的はその豊富な地下資源にある。新疆は石油と天然ガスの埋蔵量が豊富で、これまでに38カ所の油田、天然ガス田が発見されている。新疆の油田としては塔里木(タリム)油田、準噶爾(ジュンガル)油田、吐哈(トゥハ)油田が3大油田とされ、独山子(トゥーシャンツー)、烏魯木斉(ウルムチ)、克拉瑪依(クラマイ)、庫車(クチャ)、塔里木の5大精油工場で原油精製も行われている。
新疆の石油と天然ガスの埋蔵量は、それぞれ中国全体の埋蔵量の28%と33%を占めており、今日では油田開発が新疆の経済発展の中心となっている。特に、西部大開発政策開始以降は、パイプライン敷設や送電線建設などが活発化している。これには、中国国内最大の油田であった黒竜江省の大慶油田の生産量が近年では減少してきたために、新疆の油田の重要性が相対的に増していることも関連している。
そして忘れてならないのは新疆ウイグル自治区ではロプノール核実験場付近を中心に、1964年から46回の中国による核実験が行われており、放射能汚染による地域住民の健康状態や、農作物への被害が指摘されている点だ。
そうした環境破壊は、タリム盆地周辺地域のオアシスの人口が漢族の急激な入植により増加により、水需要が増加すると同時に過放牧などによる草原の荒廃などからタクラマカン砂漠が拡大しているといわれている。
タクラマカン砂漠やゴビ砂漠や黄土草原などは黄砂の飛翔気汲んでもあり、黄砂は日本のみならず東アジアの広範囲に被害を及ぼしている。
中国政府の人権抑圧のみならず結果として民族抹殺を目論む「洗国政策」は到底容認できるものではない。国際世論が中国政府の悪逆非道さに批判の声を上げるべきだ。
それは米中貿易戦争以前の問題であり、日本の親中派といわれる政治家諸氏にも新疆ウィグル自治区やチベットに対する中国の「洗国政策」を忘れずに批判すべきだ。
*「洗国政策」とは
「洗国」とは中国において「他国」を乗っ取るために多用される手法。まず国内の流民を数十万人から数百万人規模で「対象国」へ移住させる。当初は「外国人労働者」として送り込み、やがて「移民」として永住させ現地に婚姻などを通して同化させ、最終的に「他国」を中国領土とする。
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