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合計三歩も後退したところから出発する改憲論議の前途多難 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239197
2018/10/11 日刊ゲンダイ
安倍首相(C)日刊ゲンダイ
「読売新聞」10月5日付の1面トップは「改憲案、自民単独で提示/臨時国会/与党協議見送りへ」の大見出しだった。一般の読者がこれを見れば、「おっ、安倍さんもいろいろ難題を抱えて大変だが、改憲に関しては頑張って突き進むつもりらしいな」と思うかもしれない。しかし、それは誤解である。憲法族の野党議員が次のように解説する。
「安倍は本当は、事前に公明党と調整し、与党としての改憲原案を衆参両院の憲法審査会に提出したかった。それでないと、とうてい来年の参院選前(すなわち改憲派が3分の2議席を失う前)に国民投票を発議することなどできない。ところが公明党は、いま9条改正に手を染めたら学会組織が崩壊するから応じない。そこで一歩後退して“自民単独”になった。そのうえ自民が出すのは、12年の野党時代に公表した党としての正式な改憲草案ではなくて、安倍が昨年5月に個人的に読売新聞などに発表した4項目のメモみたいなものだから、内容面でも一歩後退になる。そうなると、憲法審査会の審議に堪えうる草案として“提出”することは諦めざるを得ず、代わりに、そのメモみたいなものを“提示”することになった。提示というのはプリントを配布して説明するだけだから、さらにもう一歩の後退――というのが読売の見出しの意味です」と。
つまり、改憲を総裁3選後の最大テーマとする安倍は、最初からすでに合計三歩も後退したところから出発せざるを得なくなっているというのである。しかも、自民党のベテラン秘書に言わせると「その4項目自体も怪しい」。
4項目とは、9条3項追加、緊急事態条項、参院選合区解消、教育の充実と、「改憲のやりやすそうな箇所」のつまみ食い候補リストで、相互に何の脈絡もなく、従って「あるべき国の姿」を示しているわけでもない。そんな4項目を、12年草案との整合性も定かならぬまま党の正式の案として議決せよと言われても、総務会も困るだろう。
こういう安倍流の拙速で粗雑な改憲論議のやり方に公然と反発した石破茂が、総裁選で地方党員票の45%を集めたのだから、全党打って一丸となって「これで行くぞ!」という盛り上がりに達することはあり得ない。それが不安なので、改憲推進本部長に下村博文、総務会長に加藤勝信を配置したのだが、安倍の言うことを聞くお友達で要所を押さえたからといって、全党が言うことを聞くとは限らない。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
『(読売10/5)改憲案、自民単独で提示へ…与党協議は見送り』
— 名もなき投資家(上澄みを吸う人by某弁護士命名) (@value_investors) 2018年10月6日
条文案は、〈1〉自衛隊の根拠規定の明記〈2〉緊急事態対応〈3〉参院選の合区解消〈4〉教育の充実――の4項目。
しっかり「国家緊急事態条項」が盛り込まれてますねぇ・・・(ー ー;) pic.twitter.com/JsGUguvw9i
自民、改憲案で与党協議見送りへ 国会に単独提示、9条改正など。
— umekichi (@umekichkun) 2018年10月5日
これ、沖縄県知事選挙の結果の影響が大きい。
沖縄から日本が変わって行く。
おかしい事は、おかしいと言える国がいい。
言いたいことは言っていいのにね。
https://t.co/VrhYNceGPD
https://t.co/5ME98b63mg
— Dr.サキ (@XKyuji) 2018年10月5日
自民党は今月下旬に召集される臨時国会に、憲法改正案を公明党との事前協議は行わず、単独で提示する方針を固めた。安倍氏は公明党との調整を行いたいと述べていたが、公明党・山口代表は、安倍氏の改憲意欲に不快感を示していた。命を守る公明党としては当然だ。
安倍チャマは、沖縄知事選で自公が物量に物を言わせた作戦が失敗し、あまつさえ学会に分裂がおきており、安保法制を強行突破したときの情勢とは、ガラッと変わっていることに気が付かないのでしょうか?そうであればノータリンという他ありません。https://t.co/L3O6Taz5Ox #日刊ゲンダイDIGITAL
— 木津 繁 (@KizuShigeru) 2018年10月11日
合計三歩も後退したところから出発する改憲論議の前途多難 https://t.co/nHE9iFMSWp #日刊ゲンダイDIGITAL
— a.kimitoki@時王を僭称するなテレ朝 (@kimitoki) 2018年10月11日
そのうちアベシ、「ボクチャン、ナントコシュウケンのシンだ!ケンシロウに勝ったんだぞー、アベシ!」
てわめくんでない?
三歩も後退したところから出発する改憲論議の前途多難
— KK (@Trapelus) 2018年10月10日
安倍の拙速で粗雑な改憲論議のやり方に公然と反発した石破茂が、総裁選で地方党員票の45%を集めたのだから、全党打って一丸となって「これで行くぞ!」という盛り上がりに達することはあり得ない...
永田町の裏を読む 高野孟(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/Xr1KebdfVX
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