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9月 27, 2018
<日米首脳会談では通商問題を巡り、日本が米国の自動車・同部品の輸入制限を回避できるかどうかが焦点となる。日本は農産物関税などを含む2国間の通商交渉入りで米国の譲歩を引き出したい考えだ。安倍晋三首相は交渉中の自動車輸入制限発動の棚上げを要請するが、その判断はトランプ米大統領次第だ。
トランプ氏は今春以降、米国に輸入される自動車・同部品に20〜25%の追加関税を課す輸入制限をちらつかせながら、各国との通商交渉で譲歩を迫る手法を繰り返している。日本の対米自動車輸出は174万台と輸出の4割を占めており、輸入制限が発動されれば国内経済が打撃を受けるのは必至だ。欧州や韓国など自動車を主要産業とする国も回避に躍起になっている。
欧州連合(EU)は7月、米国との首脳会談で「関税交渉中は自動車輸入制限の発動を控える」との約束を取り付けた。共同声明での言及はなかったが、共同記者会見でユンケル欧州委員長が「発動回避」に言及してトランプ氏が追認。EUが米国産の大豆や天然ガスの輸入拡大、工業品の関税交渉入りを約束したのに加え、ユンケル氏が記者会見の場で突然言及するという機転で回避を勝ち取った側面もある。
一方、韓国は24日に署名した米韓自由貿易協定(FTA)改定で、自動車関税の撤廃期間を20年間延長するなど米国に大幅譲歩したが、輸入制限を回避するという保証は得られなかった。米国が輸入制限を回避する基準は明確でなく、トランプ氏の判断次第というのが実態だ。
日本政府は今回の首脳会談で、農産品などの関税交渉入りのカードを切る見返りに、トランプ氏から輸入制限回避の言質を得たい考えだ。トランプ氏と安倍首相との親密な関係がプラスに働く可能性に期待しながらも、日本政府はトランプ氏がどう反応するかを固唾(かたず)をのんで見守っている>(以上「毎日新聞」より引用)
トランプ氏はWTO体制を破壊しようとしているようだ。米国の貿易赤字を梃子にして、「貿易均衡」を正義の刃に見立てて振り回している。
欧州連合に対しても自動車などの輸入に高関税を科すと脅して、米国産の大豆や天然ガスをEUが輸入拡大することで妥協した。だが韓国は24日に署名した米韓自由貿易協定(FTA)改定で、自動車関税の撤廃期間を20年間延長するなど米国に大幅譲歩したが、輸入制限を回避するという保証は得られなかった、という。トランプ氏の気紛れに世界は掻き回されている。
日本政府はどうだろうか。ネゴシエイションの下手な日本人の国民性から、EUのような巧みな交渉は苦手だ。どちらかというと直線的で融通無碍な交渉術を見せたことはない。
しかもトランプ氏を相手に安倍氏は卑屈なほどポンコツ兵器の爆買いを言いなりにすぎた。おそらくトランプ氏は安倍氏を組み易し、と甘く見ているだろう。いや、既に昨日の昼食会談でジャブの一つや二つかまされているだろう。
安倍氏は長い昼食会談後に「(トランプ氏との昼食会談は)有意義だった」とコメントしているが、そんなことはない。トランプ氏が好きなゴルフの安倍氏からの申し出を断ったからには、日米首脳会談に余程期するものがあるのだろう。
トランプ氏は昨日の国連総会での演説で「私は僅か二年にして米国大統領として歴代大統領よりもよほど良く働いている」と自画自存して見せて会場の失笑を買った。それでも臆することなく北朝鮮の変化を挙げて「非核化を進める」と何一つ具体的な成果の上がっていない対北交渉を自慢して見せた。
トランプ氏は米国民に「大統領として良くやっている」と印象付けたいのだろう。11月の中間選挙のみならず、二年後の大統領再選を睨んで40%以上ある現在の支持率をさらに上げようとしている。
そのタイミングでの日米貿易交渉だ。米国は「日本は叩けば幾らでも譲歩する」と歴史的に舐めている。それはペリー以来の伝統になっているようだ。おそらく安倍氏もトランプ氏に叩かれて大幅譲歩するだろう。これまでも少しでも強く言われるとポンコツ兵器の爆買いをして見せた。
これ以上のポンコツ兵器の爆買いは出来ない。防衛予算は既にGDPの1%を越えている。それもリポ払いの後年度負担部分を別にして、だ。気前よく国民の税を世界漫遊でばら撒いて来たが、米国にも気前よく安倍氏は札びらを切ってきた。
自動車に高関税の制裁を科すというのなら、日本政府はそれを甘んじて受け入れればどうだろうか。日本の食糧安全保障にかかわる食糧の輸入拡大を決して取引材料にしてはならない。
高関税を科された日本製自動車の米国内の販売価格はそれだけ上がることになるが、それを支払うのは米国民だ。今度は米国民がトランプ氏の高関税政策に評価を与える番だ。
そして同時に25%という馬鹿げた高関税をWTOに提訴することだ。提訴の結論が出るまで一年ないし二年程度かかるだろうが、トランプ氏と取引して下手な妥協をするよりも、国際的なルールを重んじる方が世界の利益につながる。強者の横暴を許さない日本の態度に世界は賛同するだろう。
先にトランプ氏は「イラン合意」を破棄してイラン制裁に動いた。それは国際条約の破棄に等しい。日本は米国の「金魚の糞」になるべきではなかったが、イラン原油の「禁輸」に動こうとしている。何という愚かなことだろうか。
トランプ氏に迎合する態度を世界の首脳で最初に示し、大統領選に当選した直後に安倍氏がトランプタワー訪問したのが躓きの元だった。それはオバマ氏がエージェントとして代表していた「米国の1%」からの離反を意味した。
フォーク・ダンスが相手を変えるように、安倍氏はさっさと付き合う相手を変えた。この変わり身の早さは彼の頭の軽さだ。海千山千の業界を遊泳してきたトランプ氏は瞬時にして安倍氏の人品を見抜いたはずだ。
卑しい人物にはその人品にふさわしい土産しか用意されない。日本のマスメディアは安倍氏をヨイショしようとして苦労する会談結果になるだろう。ただ安倍氏はシレッとして「協議はうまくいった」と誤魔化すだろうが。
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