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●胃の痛みが消えた 安倍政権は参議院選後に終わる(1)
かなり長期にわたって、ブログの更新を怠ってきた。特に理由はないが、安倍の悪口を言うのに飽きてきた、という感じがないでもない。まぁその辺が、安倍政権の狙いであり、国民が政治に飽きる(ニヒリズム)ことは、彼らの望みを適えてやることにも繋がるのを承知でも、飽きてきた。
正直、ここまで、恥知らずで民主主義に馴染まない政治システム、政治家や官僚が、当該国家に、これだけもいたのかと云う事実は驚がくものだ。筆者の記憶が正しければ、昭和35年、浅沼稲次郎日本社会党委員長が日比谷公会堂で登壇演説の最中に、右翼思想を持つ 山口二矢(17歳)*後に自殺 に殺傷されると云うテロルが起こり、大日本愛国党・赤尾敏総裁などが逮捕される事件があった。この時以来、日本社会においては、右翼思想を危険視する「空気」が支配的になり、国民的コンセンサスが成立したという風潮があったように思われる。
しかし現実は、相当に違うものだったようだ。イデオロギーに疎い生活をしていた所為もあるだろうが、どうも彼らは、経済成長に紛れて成長したかに見える、日本の上澄みのような民主主義の下辺の澱みの中で、ジッとチャンスを窺って生きながらえていたようだ。安倍晋三という、ノータリンが政権の座に就いて以降、ジワジワと正体を現し、「日本会議」、「日本青年会議所」、「自民党ネットサポータ」などのかく乱と、それに乗じた一部の奇妙な社会現象とも言える「ネット右翼」な人種によって、日本に右翼思想が再生された。これに、誰かが発信するフェイクニュースにも、世間は充分にかく乱されている。
この社会現象とも言える右翼イデオロギーの再生は、一部の人間たちによる、跳ね返りな恣意行為なのだが、声が大きく明瞭で、内容は別にして、恥や外聞を投げ捨てて、捨て身で、執拗に、その陳腐な右翼主義を拡散する。我が国のネット上には、彼らしかいないような錯覚を覚えさせる頻度で、安倍マンセーをガナリ、書きなぐり、大声で嘘を言い、明瞭な言葉で、内容のない日本語を繰り返す。世間では、彼らの偏執狂的言辞を、馬鹿々々しく眺めているのだが、この行為が、驚くほどノータリンの脳に共感を与えるらしく、雨後の筍と増殖しているのが、いまの日本だ。
このような社会現象と、安倍政権が時を同じくしたのが、幸運と云うか、不運と云うか、立場によって、大きく変わる。いずれにせよ、このような社会現象的政治マターは、長期にわたると、定着してしまう。本来であれば、民主的人々に、これらの現象を押し退けるパワーがあれば良いのだが、上澄み民主主義国家に、このパワーがあると云うのは、幻想と判断せざるを得ない。一定の民主主義的正論を語る人々や、行動する人々もいるにはいるが、ネット社会での対応力には限界があると見るべき状況だ。
また今後、戦争中の悲惨さや、戦後直ぐの日本と云う国を知っている世代が老いてゆき、国家の構成員から消えて行くわけなのだから、末恐ろしいと言わざるを得ない。根本的に、民主主義を勝ち得た国の人々と、棚からぼた餅で手に入れた国々の人々との間には、大きな乖離があると云う事実を、安倍政権を通じて知ることにもなっている。このような民主主義と云う政治制度で、当面、日本が存続する以上、重大な社会国家の命題になったことが露わになった。
敗戦によって得られた民主主義は、どこかに借り物の臭いがしていた。正義不正義、善悪、公正不公正、公平不公平。そのような価値観よりも、日本の戦後復興は、儲けるだけ儲けようとするエコノミックアニマルだったわけだが、この経済的損得勘定が、社会の公正公平と云うルールに勝っていたのだから、その人々の、子供や孫が、同じような価値観、或いはそれ以上に、下劣な価値観を政治に押しつけてきたのが、ここ30年の日本ではないのだろうか。
安倍晋三が言うところのアベノミクスなるものも、この日本人が最も好む、景気の好さを演出することで、その成果を誇った。しかし、安倍政権が公表する各種数値は、公文書改ざんと同様に、作文された形跡が見られ、GDPなどは組み込み変更で、下駄を履かせるズルをするものになっている。また、輸出企業が、戦後最大の利益を計上できたのも、為替利益と米国の無分別な消費に支えられたものである。そして、その企業の利益は、歴史的取締報酬に反映し、また内部留保として、企業内で処理されている。つまり、幻想のトリクルダウンは、やはり幻想そのものだったということだ。
また、安倍の権力のバックボーンに存在する右翼団体「日本会議」「日本青年会議所」「神社本庁」など。そして、当然のように利益相反な経済界の応援を受けているのが現状だ。これらの勢力は、総じて、国家は個人に優先するという国家意識を持っているので、極めて、民主主義と相いれない性癖を持っている。為に、安倍政権は、国家主義的方向を指向することとなり、ファシズム化する。そこで、何を模範とすべきか考える時、あまりにも身近に“大日本帝国憲法”があると云うのが現況だろう。安倍は、石破との戦いに勝利し、就任会見で、憲法改正を真っ先に口にした。
ここまでみて来ると、お先真っ暗になるのだが、ここはひとつ、腰を据えて考えてみるべき段階だ。今回は、自民党の総裁選びではあったが、党員票に、みるべきものがあっというのは衆目の一致するところだろう。議員票は、利益損得が優先される投票行動になるわけで、到底安倍政治の評価には縁遠いものである。この党員票も、安倍を支持した各派閥の領袖の地元では、徹底的な締めつけがあったわけで、牢獄から投票したようなもので、参考にはならない。つまり、その選挙区を除けば、石破茂候補が断然勝っているというのが事実だ。このことが、今後の政局において、重大な意味を持つ。
後編に続く(安倍政権が、来年、どのように崩壊するかを考える)
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