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石破茂氏は総裁選善戦で今後も「党内野党」に徹するべき理由
https://diamond.jp/articles/-/180245
2018.9.21 上久保誠人:立命館大学政策科学部教授 ダイヤモンド・オンライン
Photo:AFP/AFLO
自民党総裁選が開票され、安倍晋三首相が石破茂元幹事長(61)を破って、連続3選を決めた。首相は553票(議員票329票、地方票224票)を獲得し、石破氏は254票(議員票73票、地方票181票)だった。
当初、首相が議員票の8割超を確保する情勢で圧倒的にリードしていたが、石破氏が地方票で大健闘した上に、議員票も20票以上増やしたことになる。総裁選に圧勝して政権基盤を固め、アベノミクスや「やりたい政策」の実現に突き進む首相の目論見は、石破氏の予想外の大健闘で崩れる可能性が出てきた。
自民党総裁選の立会演説会で見た
予想以上の安倍首相への不満
京都新聞の依頼で、9月15日(土)に行われた自民党総裁選立候補者の立会演説会に行って、両候補の演説を聞いた。その時、もっと一方的に安倍首相に拍手が起こるかと思ったが、全く違っていたので驚いた。首相に拍手が起きたのは、憲法改正と北朝鮮拉致問題の解決を訴えた時くらいだった。
一方、石破氏がアベノミクスや官庁の公文書の管理など政策の問題点を突いた時は、割れんばかりの拍手が何度も起こっていた。演説後、京都新聞のインタビューで、「党員票は今後の政権運営を考えて無視できない結果が出るかもしれない」と答えたが、その直感は外れてはいなかったことになる。
総裁選の期間中、安倍首相陣営が、国会議員のみならず、地方組織にまで厳しい締め付けを行っているという報道が続いていた。だが、その裏で安倍首相の政権運営に不満を募らせる人が予想以上に多かったということだ。
石破氏は、側近の斎藤健農水相が「石破氏を支持するなら閣僚を辞めろ」という圧力を受けるほど、相当な困難の中での総裁選出馬となったが、賭けに勝ったといえるだろう。この連載では、安倍圧勝のムードの中、石破氏に対して「どうせ負けるなら、派手に負けて冷や飯を食っておいたがいい。そのほうが、アベノミクスが破たんした時、チャンスが訪れるかもしれないから」とエールを送っていた(本連載第190回)。しかし、思わぬ善戦で状況は変わることになる。
石破氏は今後、安倍政権に一定の影響力を持てることになるだろう。石破氏自身の入閣や、石破派のメンバーに対する入閣、党役員起用の話がくるかもしれない。その時、その話を受けていくのか、反主流を決め込んで安倍政権とかかわらず、次に備えるのかは、熟考する必要がある。
岸田文雄氏はアベノミクスへの
絶対服従を続けるしかない
この連載では、「アベノミクスはいずれ破綻する。『カネが切れたら、また金がいる』のバラマキ政策が、いつまでも続けられるわけがない。ましてや、その規模が異次元であれば、その被害も甚大なものとなろう。安倍政権は、何が何でも東京五輪までは、経済を維持しようとするだろう。だが、その後は、必ず反動が来るはずだ」と言い続けてきた(第122回)。
総裁選での石破氏大善戦で、今後アベノミクスはどうなるのだろうか。残念ながら、安倍首相は「アベノミクス」を「この道しかない」と、これまで以上に頑なに推進しようとするのではないかと思う。
問題は、安倍首相を支持し、「勝ち馬に乗っていたつもり」だった者たちの行動だ。特に、安倍首相からの「禅譲」を期待して、「今の政治課題に、安倍首相を中心にしっかりと取り組みを進めることが適切だと判断した」として総裁選出馬を取りやめた岸田文雄政調会長だ。
総裁選での岸田氏の行動の問題点については、iRONNAで論じさせてもらったので、ここでは簡潔にまとめたい。野田佳彦政権時の「税と社会保障の一体改革」の「三党合意」(第44回)を、自民党側で取りまとめる中心となった宏池会の領袖である岸田氏が、もろ手を挙げて「アベノミクス」に完全服従を宣言した。それは、岸田氏が安倍首相の軍門に下ったような印象を国民に強烈に与えることになり、首相の名前がついた経済政策「アベノミクス」に対する「批判を許さない空気」を、一挙に日本社会全体に拡散することになる、深刻な悪影響がある。
それがこの総裁選の結果でどうなるか。残念ながら、岸田氏はアベノミクスを無批判に、礼賛し続けることになるだろう。もし、手のひら返しでアベノミクス批判を始めたら、それこそ岸田氏は「風見鶏」「考えがぶれる人」と国民の信頼を完全に失うことになる。首相の座の「禅譲」を求めて服従した者は、首相が今後どうなろうと、首相と一蓮托生となり、心中するしか道はないからだ。
他の安倍首相支持者も、同じようなものだろう。今後はより、安倍首相の周辺に固まり、アベノミクスへの批判を許さなくなる、メディアや地方に対して、より締め付けを厳しくすることになるのではないだろうか。
石破氏はアベノミクスから距離を置き
日本のサイレントマジョリティの支持を得るべき
その意味で、石破氏は安倍首相サイドからの内閣・党人事での誘いに乗らず、引き続き「党内野党」の立場で自由な発言の場を確保した方がいいだろう。
正直、総裁選での石破氏のアベノミクス批判は具体性を欠いていた。「アベノミクスは大企業が儲かるだけで、地方へのトリクルダウンは起きていない」「経済成長の芽は地方にある」と主張していた。だが、地方重視は「心情的」には理解できても、それが実現するという具体的なイメージを、演説を聞いた誰も持てなかったのではないだろうか。
要するに、少子高齢化が進んで50代、60代ばかりの地方に、たとえおカネが降りてきて瞬間的に賑やかにり「地方創生」と喜んでみたところで、若者がいない、子どもがいないのでは一瞬だけのものとなる。そのことを国民は皆、知っているから、「地方創生」と訴えられても白けているのである。
この連載では、アベノミクスの問題は、「斜陽産業にカネをつぎ込んでいるだけで、これから富を生む新しい産業がなにも生まれていないこと」だと主張してきた(第163回)。石破氏のアベノミクス批判も、そこには踏み込めていない。その結果、安倍首相と石破氏の論戦は、高齢者、地方の話ばかりに終始し、都市の若者や子育て世代に向けた前向きなメッセージは全くなかった。
今回の総裁選は、ある意味最初から安倍首相が勝つことはわかっていた。だからこそ、長期的なビジョン、未来を語ることができたはずだった。だが、そこに踏み込めなかったことは残念だった。
今後の石破氏に望みたいことは、自民党内の「反安倍勢力」をまとめていくだけではなく、野党の中の賛同者も含めて、政界全体に幅広く支持層を募っていくことである。それは、この連載が主張してきた「新しい中道勢力」を作ることである(第162回)。
北海道大学教授の中島岳志氏が「安倍首相に対抗するため、『選択的夫婦別姓に賛成』『LGBTの婚姻に関する権利を保障する』など、『価値観』の問題で姿勢を鮮明にすべきだ」と論じている(WEBRONZA「自民党を読む(1)」石破茂)。基本的に賛成である。自民党総裁選で未来の話が出なかったのは、保守派の伝統的な価値観では、現代の社会問題を解決するには限界があるからではないだろうか(第144回)。
石破氏も「保守」であるため、なかなか自らの価値観を変えるのは難しいかもしれない。だが、今まさに子育てに取り組んでいるような現役世代が、本当に求めていることは何かを徹底的に追求し、仲間を募っていくことに力を注いでほしい。
なにより重要なことは、2012年の第二次安倍政権の登場以来、自民党は「保守」を、野党は「左翼」の支持を得ようとしてきたが、実はどちらも日本社会ではマイノリティである。民主党政権の失敗以来、政治に白けて自民党を消極的に支持してきただけの、都市部の現役世代を中心とする「中道」の人たちこそ、日本の「サイレントマジョリティ」だという認識を持つことだ(第136回・P.3)。石破氏は、「保守」という枠にとらわれず、その支持を得るべく、活動するべきである。
(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)
石破茂氏は総裁選善戦で今後も「党内野党」に徹するべき理由 https://t.co/ELO7weoAw9
— こう (@Satan_02) 2018年9月21日
結局党をまとめ切れていないだけ。駄々っ子のように自分の思い通りにならないから不満に思うならまず、自分の力不足を反省すべき。やくざまがいな脅しを行いながら勝ちきれなかった阿部氏に将来はない。
石破茂氏は総裁選善戦で今後も「党内野党」に徹するべき理由 https://t.co/guOnBMjGWo
— ほじなし爺 (@zLzDcjdFnVghtfx) 2018年9月20日
意気地なしの姑息な岸田、絶対に総理の椅子は座れませんよ。
アベノミクスの問題は、「斜陽産業にカネをつぎ込んでいるだけで、これから富を生む新しい産業がなにも生まれていないこと」
— 芝生は砂に植えるもの (@rook0081) 2018年9月20日
https://t.co/hDUxulACgH
参院選。消費税増税。意外と早いんだろうなあ賞味期限切れ。もう名刺つくりはじめたかもしれない石破くん。内閣総理大臣・石破茂https://t.co/CDCqQ3K9av
— pop (@kkbd0702) 2018年9月20日
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