日本だけが、90年代に経験した失われた10年間の苦痛を、再び10年以上も経験しなければならないのか？ 今度の苦痛は、いざなぎ景気越えの見かけの景気をともなわない。なぜなら、見かけのいざなぎ景気越えは、国内市場の縮小を海外市場の拡大によってカバーされた、蜃気楼化され偽装・捏造・改竄された経済指数が正体だからだ。

この偽装された経済蜃気楼を、日本の指導者とエコノミストたちは、現実だと錯覚している。そのため、第二次世界的スーパーバブルの到来に対して、全く無防備である。そして、このスーパーバブルの原因が、ニクソンのドルとキンの交換停止にあることを知らない。

それは、ドルのキン離れによる世界の信用膨張で、最も恩恵を受けた国が日本だからだ。そのため、日本は、最大の打撃をこうむる。

だから、慣習期の商品にあぐらをかき、市場拡大のインパクトのある商品を開発できなかった企業は、縮小＆倒産は避けられない。

米国を襲った30年代の大恐慌が、各産業のトップ企業を入れ替え、次の時代をリードする企業を誕生させ急成長させた。1950年代以降の世界的企業の多くは、1930年代をチャンスにして登場した企業なのだ。日本で同じことが，これから起きる。

しかし日本の安倍総理と麻生財務大臣は，競争と淘汰の常識をもっているために，「貧乏人や中小企業や農業は首をつって死ね（そうすれば淘汰され景気は早く回復する）」と、常々思っているために、ついついホンネの失言をしてしまう。

しかも年金や保険と郵政民営化に味をしめ，外資に売り渡したが，安倍総理は農地の株式化と農協の株式化により155兆円を外資と危険な大企業にタダで差し上げようとしている。そして水道の民営化，安倍総理の売国は止まらない。そして消費税増税をさらに企んでいる。

安倍政権のアト周期説は、発生した結果を説明する限り的中率は百％である。頭が良くなる薬を買った男が、売った男に「効き目がない」と抗議した。すると、売った男は「それ、そのように効き目が現れたではないか」と手を叩いて喜んだ。そして独裁を堅持し，圧力や恐怖を与え，反論するものを排除していく。

経済は、現象の発生を正確に予告できるが、常識を否定するために分かりにくいものだ。

トランプ大統領が仕掛けた，高関税について，これは米国が財政破綻と金融破綻に困り高関税で逃げ切ろうとしている苦肉の対策なんです。1929年の前回成功したが，今回は半分は成功するが半分は失敗する。

1929年の米国政府は、輸入商品に高関税をかけ規制した。外国投資流入は規制しなかった。いや、外国投資の利益を防衛するため、高関税政策を採用していたのだ。

この米国の高関税政策に対する各国の報復関税が世界に普及したために、世界貿易が三分の一になり、第一次世界信用収縮恐慌は発生したのだ、と経済学は総括した。

だから今日、世界のエコノミストは全員、超関税自由貿易?義者なのである。つまり、関税をゼロにし、自国の農業や中小企業を壊滅させても、世界信用収縮恐慌の再発は絶対に防止すべきだと信じているのだ。

そのために、世界信用収縮恐慌を発生させる世界機軸通貨の交代は見えない。そして、迫りくるバブル崩壊のインジケーターの足音が振り切れるタイミングも予知できない。

しかし新機軸と産業革命でこの危機を脱出できる。トランプ大統領はこの部分鎖国で逃げられないか実験しているのです。日本には二国間貿易協定をさらに迫ることになる。ＴＰＰでは米国の財政・金融破綻は確実です。

日本の安倍政権の政治は、その時その時の対症療法で、根本治療のタイミングを遅らせ、朝令暮改を繰り返すだけである。

基軸通貨のフロート化で、歯止めを失った世界の通貨は膨張し、株や都会土地を中心に信用膨張バブルを発生させる。その空前のバブル景気を謳歌した米国と日本が、次の表のように三段階の株暴落を経験し、新基軸通貨体制に移行するまで、収束復元できないのだ。

ただし地方の農地は，価値はゼロ，少子高齢化でタダ同然。買い手より貰い手がいないのです，しかもその農地ほをタダで大企業と外資にあげると安倍の農業白書に書かれている。すなわち農協の155兆円も差し上げることになる。日本の農地はもう絶望です。

だから、経験則だと「戦争以外に世界信用収縮恐慌からは脱出できない」ということになる。日本は、戦争ごとに景気を回復する米国の軍需産業の指導者には、戦争景気待望論は根強い。

地球を破壊させることが確実な第三次世界大戦を避けるためには、世界信用収縮恐慌を収拾するため、国益エゴを捨て、とりあえずドル・円・ユーロの三極基軸通貨体制を採用し、固定為替システムに戻し、通貨を安定させるべきだ。間違いなく戦争は避けられます。機軸通貨の多極化は三極基軸通貨体制です。元が入ると四極基軸通貨体制になる。