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9月 18, 2018
<安倍晋三首相は13日、ロシアのプーチン大統領が日本との平和条約の年内締結を提案し、北方領土交渉を先送りする考えを示唆したことについて「プーチン氏の平和条約締結に対する意欲の表れだと捉えている」との認識を示した。日本は領土問題を解決した上での平和条約締結をめざしてきたが、ロシアに対する抗議はせず、静観する方針だ。
ロシア・ウラジオストクから帰国後、首相官邸で会談した公明党の山口那津男代表に対して明らかにした。山口氏によると、首相は「政府の方針として北方四島の帰属(の問題)を解決して平和条約を締結する基本には変わりない」とも述べたという。
菅義偉官房長官も13日の記者会見で「我が国の立場についてはロシア側も承知していると思う」と強調。プーチン氏の発言は、日本の基本方針とは根本的に異なるが、河野太郎外相は13日、ハノイで記者団に「平和条約を結ぼうというのだから文句を言う筋合いのものではない」と述べた。
日本政府としては、反論や批判をしてロシアを刺激すれば、交渉全体にさらなる悪影響を及ぼしかねないとの判断があるとみられるが、与野党からは批判の声があがっている>(以上「朝日新聞」より引用)
河野太郎氏の「平和条約を結ぼうというのだから文句を言う筋合いのものではない」との発言は戴けない。平和条約を締結することは領土問題の決着という前提だからだ。
つまりプーチン氏は北方領土問題は現状で何も存在しない、というロシアの立場を国際会議の場で表明した。安倍氏は直ちに席を蹴って帰国するなり、その場で立ち上がって「プーチン氏の平和条約締結の提案は前提条件を忘れた愚かな発言だ」と会場にいた全員に日本の立場を知らせなければならなかった。
安倍外交は完全に破綻した。いや破綻していたというべきだ。プーチン氏と22回も会談して、何を話し合っていたのだろうか。四方山話か与太話にうつつを抜かして政府専用機を乗り回していたとしか思えない。
ロシアが北方領土開発に中国の資本参加の計画を進めている、とプーチン氏が日本を牽制しても動揺してはならない。ただ北方領土は日本固有の領土だ、と中国への警告だけは忘れてはならない。
ロシアは広大な不毛のシベリアを抱え、そのさらに極東の地の最果ての北方領土まで「兵站」を伸ばすのは得策でないことは十分に承知している。出来れば日本に高額で買い取って欲しいところだろう。
しかし日米地位協定で日本は実質米国の占領下にあって、米国は日本国内の米国が望む場所に米軍基地を持てることになっている。つまり北方領土が日本に返還されれば、そこに米軍基地が建設される可能性がかなり高い。そのことをロシアは最も恐れている。
日本はロシアの乾分でもなければ米国の乾分でもない。歴とした独立国家として、日本の領有権を主張して、それが受け入られない限り平和条約を締結する必要はない。
もとより、ユーラシア大陸東岸まで進出したロシアは日本にとって邪魔でしかない。強欲なロシア人たちに日本の領土を呉れてやる必要は微塵もない。なぜ安倍氏が北方領土の共同開発といった愚策に前のめりなのか、理解できない。それはロシアの北方領土強化以外の何物でもないではないか。
日本にとってロシアが占有・支配する北方領土は寂れて朽ち果てる方が良い。そこに暮らすロシア人が困窮して本土へ逃げ帰る方が良い。北方領土が「共同開発」で豊かになり、魅力的な土地になってロシア人が陸続と入植して来る方が日本にとって良くない。
日本が取り返すには、ロシアと敵対して北方領土と交易している全ての日本側海域を封鎖することだ。西側諸国の一員としてウクライナ・クリミア経済制裁に「参加」していると主張すれば良いだけだ。そうした「骨太の外交」が安倍氏にはなぜ出来ないのか。
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