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9月6日の北海道における全面的な停電(ブラックアウト)は、地震による火力発電所の停止のため不可抗力で引き起こされたのではなく、ある程度送電可能な状況にありながら人為的な遮断、それも政府の介入により生じたものと考えざるを得ない。
北海道新聞の記事(9月13日朝刊)から6日午前の状況を時系列で見てみよう。
@午前3時3分 最大震度7の激震が発電所の所在地である厚真町を襲う。
A午前3時8分 北海道電力(以下“北電”)最大の厚真火力発電所にある3基の発電設備(1号機、2号機、4号機があり3号機は廃止されている)の内2号機と4号機が地震直後に停止し、1号機だけが運転を続けた。全道的なブラックアウトを防ぐため道東、道北、函館など多くの地域を停電させた。
B午前3時11分 北海道と本州を結ぶ「北本連携線」がフル活動し、最大量である60万KWの電力が本州から北海道に向けて送電が開始された。この時点で、道内の需給バランスは不安定ながらも保つことができていた。
C午前3時15分〜3時17分で道東にある釧路市立総合病院、釧路赤十字病院で地震直後に遮断された送電が再開されたことが確認されている。
D午前3時25分 厚真発電所で唯一運転を続けていた1号機は、ボイラー管の損傷が深刻化、他の2基停止による電力の周波数低下に耐え切れずに自動停止した。1号機停止で、道内の他の発電所も連鎖的に停止、道内全域295万戸が停電した。
E午前3時28分 北電の発表と異なり、後志管内の倶知安町と岩内町の病院はこの時間まで送電が続いていた。ここにつながっている送電線の先には泊原子力発電所(同管内泊村)があり、常に冷却が必要な使用済み核燃料が大量に置かれている。北電は冷却を維持するために、あらゆる手段で電力供給を維持しようとしたようだ。同時刻に冷却用の非常用電源が動き始めた。
北海道中にある全て発電機が送電線で結ばれて完全に同期して回転している。また北海道全体で常に発電電力と需要電力が一致していなければならない。常に生じる需要電力の変動には全道の発電所の発電電力を分担して調整することで対処している。
9月6日地震直後には2・4号機の停止で合せて130万kW規模の供給電力が失われ、他の発電所の発電量の増強では対処できないため、道東、道北、函館など多くの地域を停電させて対処した。
その25分後に周波数低下に耐え切れずに1号機35万kWが停止し、道内の他の発電所も連鎖的に停止して道内全域295万戸が停電した、とされている。
北電のホームページには中央給電指令所の役割として「使う電気の量の変化を常に監視し、変化に合わせて各発電所での発電量を調整する司令塔としての役割を担っています。」と書いてある。
疑問は、2・4号機の停止で合せて130万kW規模の供給電力発電機の停止に合わせて道東、道北、函館など多くの地域を停電させて対処できていたにもかかわらず、規模の小さい1号機35万kWクラスの停止に、更なる需要地域の停電で対処できなかったのか、また、「北本連携線」で受けていた電力供給がなぜ止められたか、である。
1号機35万kWの停止にはなす術もなく傍観していて全道的なブラックアウトに陥ってしまったというのだろうか。仮に要員が傍観していたとしても、需給の調整はコンピュータで精密に管理されているであろうから全道で一斉に遮断されるとは考え難い。
さらに、泊原発への送電は“ブラックアウト”後も3分間はを続けていたというから、けっして傍観していたら全部停電してしまった、という訳ではないだろう。恐らく泊発電所への送電を突然止めてしまったら、万一非常用発電設備が起動しなかった場合に大事になることを恐れて、起動の確認を待って3分後に遮断したのだろう。
3分後に人為的に遮断したわけであり、少なくとも泊発電所に接続されている送電線について3分間だけではなくそのまま継続的な送電が可能であったと考えるのが合理的である。その程度の電力があれば「北本連携線」によって本州から供給を受け続けることも十分可能であっただろう。つまり、北海道の“ブラックアウト”は、厚真発電所1号機の停止に伴い不可抗力で発生したのではなく、送電を遮断することで人為的に引き起こしたものである。
どこが“北海道ブラックアウト”つまり北海道全体での送電の遮断を指示あるいは命令したのであろうか。北電の上層部とは考え難い。地震に伴う停電は自然災害であり不可抗力であるが、ある程度の地域には給電可能な状態にあるにもかかわらず全面的に停電させることに北電にとって何のメリットもない。
考えられるのは政府による介入、事実上の“北海道ブラックアウト命令”である。
「北朝鮮のミサイルが飛んでくるから、地下や頑丈な建物に避難せよ」と言って危機を煽った電力版である。北海道中を停電にして北海道民に非常事態を体験させ、マスコミで報道させることで全国民に危機意識を植え付けたかったのだろう。この推論を邪推と捉える人もいるかもしれないが、“北海道ブラックアウト”騒動は異常であった。
地震で停止した発電所や北海道中に電気を送る送電線や遮断器などの設備、家庭や工場などの需要家に電力を供給する配電設備もほとんど北電のものであ。このようにに停電に対しての一義的な責任は明らかに北電にあるにも拘らず、北電から停電に関する説明は一切なかったと言っていい。
これに対して、世耕通産大臣は地震当日の6日から連日、設備の被災状況や復旧の見通し、節電の呼びかけから計画停電の可能性、後に節電目標の緩和と計画停電を当面実施しないまで連日情報を発信続けたのに対し、北電の真弓社長は6日の停電後から一週間一切の発言が無く、14日になって初めて応じた記者会見ではブラックアウトまでの経緯については「検証中」として説明を拒む有様であった。
北電は公益事業と言えども民間企業である。民間企業の事故に対して所管の大臣が全面的に説明責任を果たすなどということが他にあるだろうか。鉄道事故が起こったら、鉄道会社の社長が顔を見せずに運輸大臣が説明責任を果たすなどということがあるだろうか。航空事故に関しても同様である。勿論被害などの影響が大きければ所管の大臣などが顔を見せることはあるだろうが、それぞれの行政分野の必要性に応じてのことであって、私企業の業務そのものに係ることは無いのではないだろうか。
電力自由化によって、北電など既存の電力会社がほぼ独占していた状態から、発電・送電・小売と分離されることになったとしても電力会社に代わって経産省が全面的に電気事業を運営することにはならない。これはJRと複数の私鉄が混在している地域で運輸省が鉄道事業を運営することにならないと同様である。
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