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いまこそ谷内正太郎NSC局長の出番ではないのか
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2018-09-14 天木直人のブログ
プーチン大統領の、「一切の前提条件なしで、年末までに平和条約を結ぼう」という提案から一夜明け、日本国中は安倍・プーチン批判一色だ。 安倍政権のやる事にはすべて反対の野党が批判するのはわかる。 総裁選で安倍首相と対抗する石破氏が批判するのはわかる。 ロシア嫌いという一点で見事に一致する産経と共産党が、今回ばかりは一緒になって批判するのはわかる。 安倍批判を売りにする日刊ゲンダイが批判するのも、わかり過ぎるほどわかる。 しかし、大手メディアの中で、ただの一つも、この提案に応じるべきだと書くものがないのには驚かされる。 なによりも、 自民党の中から、ただの一人もプーチン提案に打てば響けと言い出す者が出て来ないのには驚かされる。 いまさらプーチン大統領になめられるな、と言ってみたところで、これ以上どうなめられるというのか。 なめられついでに、もっとなめられるふりをして、元を取るのだ。 「領土棚上げ」提案のどこが悪い。 尖閣諸島を棚上げしようという中国の提案を反故にしたてめに、いまでは棚上げしたくても出来なくなってしまった。 力をつけた中国は、いまでは日本を相手にせず、尖閣を自分たちのものだと堂々と言い張るようになってしまった。 その失敗から何も学ぼうとしないのか。 いまや完全に軍事占領されたも同然の北方領土を、ここで「棚上げ」に戻せるなら、これほどうまい話はないだろう。 プーチン大統領にその気はなくても、安倍首相がそう主張すればいいのだ。 「一切の前提条件抜き」とはそういう事だ。 前提条件がないのだから、平和条約交渉で何でも要求できる。 そこで堂々と四島の領有権を主張すればいいのだ。 そしてプーチン大統領は「年末までに平和条約を結ぼう」と言った。 「いまやらないでいつやるのか。われわれがやらないで、ほかの誰がやるのか」 そうプーチンに呼びかけたのは安倍首相の方だったではないか。 それにプーチンは応えたのだ。 いまやらないでどうする。 それにしても、安倍首相は外交音痴だ。 だからこそ、その安倍首相の指南役として外務官僚OBの谷内正太郎NSC局長がいるではないか。 谷内君は、何をボヤボヤしているのだろう。 とっさに持ち出されて、東方経済フォーラムの場で助言する余裕がなかったのはわかる。 しかし、その後、ロシア滞在中にいくらでも助言できたはずだ。 帰国する前にプーチン大統領に、「その提案に賛成だ」と安倍首相に返答させることはできたはずだ。 世論の反発を恐れてためらっているとしたら大きな間違いだ。 日ロ戦争で勝利した後の講和条約に反対して日比谷焼き討ち事件を起こした例を見るまでもなく、「世論」は十分な情報を持たずに間違いをする。 そんな世論を恐れる必要は、いまの安倍政権にはないはずだ。 平和条約締結交渉を拒否する事への批判はあっても、平和条約締結交渉に応じる事を批判する事は誰も出来ない。 もし年内に、安倍首相の手で平和条約合意を実現し、日ロ関係を前進させる事が出来るなら、それこそが、安倍首相にとって、唯一の、しかし誰にも出来なかった最大の、外交成果となるのだ。 谷内正太郎はそう安倍首相に進言しなかったのか。 しなかったなら帰国した直後の今、そう進言すべきだ。 ここで動かなければ、谷内正太郎の存在価値はない。 ここで動かなければ安倍外交の出番はない。 私は、安倍・河野・谷内は、そのうち間違いなくロシアとの平和条約交渉に動き出すと思っている(了)
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