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古賀茂明「安倍氏と石破氏のどっちが危険? 大手マスコミに代わり判定する」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180909-00000019-sasahi-pol
AERA dot. 9/10(月) 7:00配信
著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者...
安倍総理(左)と石破氏 (c)朝日新聞社
自民党総裁選が7日告示された。安倍晋三総理(現総裁)と石破茂元防衛相の一騎打ちだ。野田聖子氏まで安倍総理支持を表明し、国会議員票の8割超の支持が見込まれる安倍総理に対し、石破氏が劣勢であるのは誰の目にも明らかだ。
一方、新聞やテレビの世論調査では、自民支持層では安倍氏がかなり優勢だが、全体での支持率は、安倍氏と石破氏は非常に拮抗している。自民党総裁選だから、自民党員が総裁を選ぶのは当然だが、国民世論と自民党内世論のこの明らかな差異は、自民党が国民政党ではなくなっていることを示している。
反自民層の人から見れば、安倍氏でも石破氏でも、どうせ自民党の政策を行うのだから、どちらも、支持できないという回答になりそうなものだが、実際には、石破氏への支持が非常に高い。
反安倍のリベラル層は、憲法改正、特に9条改正には絶対反対という人が多いが、石破氏は、バリバリの憲法改正論者である。リベラル層が強く反対する緊急事態条項を入れる改憲についても石破氏の方が熱心な感がある。したがって、石破氏は安倍氏に比べ、「よりタカ派」「より危険」だというのがこれまでのリベラル層の見方だった。それにもかかわらず、ここへ来て、リベラル層で石破氏を評価する声が高まっているのは矛盾しているように見える。
では、実際に、石破氏と安倍氏のどちらが危険なのか?その点を、憲法9条の改正論について具体的に見てみよう。
安倍氏は、憲法9条1項の戦争放棄と2項の戦力不保持・交戦権否認の条項を両方ともそのまま残したうえで、9条の2という条文を新設し、そこに自衛隊の保持規定を置くという案を示している。
対する石破氏は、自民党の元々の憲法改正草案にあったとおり。9条1項の戦争放棄の条項は残すが、2項の戦力不保持・交戦権否認の条項は削除して、新たに自衛隊保持規定を置くとする。
安倍氏は、自分の改憲案は、1項2項をそのまま残すから、憲法の「平和主義」は微塵も揺るがないと主張している。新設する自衛隊保持規定については、今も自衛隊は存在しているのに、憲法上は、あたかも存在してはいけないかのように見え、現に違憲論も根強いので、自衛隊員に申し訳ないから、そのような状況をなくすために設けることにしたという解説をしている。これは、かなりのまやかしである。実際に自衛隊違憲論を唱える学者は極めて少数であり、合憲論の方が圧倒的に多い。
また、政府も一貫して自衛隊合憲論を唱えてきており、その考え方は、国民の間にも広く浸透しているので、いまさら、「自衛隊員に申し訳ない」などというのは取ってつけた議論に過ぎない。
しかし、安倍総理が、あえてそのような主張をするのは、9条改正に対して、依然として、国民の間に反対が根強く、大きな改正をすると言うと、国民投票で負ける恐れがあることを知っているからだ。しかし、安倍氏は、国民が反対していても、何とか改憲してしまいたいという気持ちを持っている。そこで、あえて、「何も変わらない」という「ウソ」を唱えて、改憲の是非についてまだ答えを出していない無党派層、中立層に対して安心感を与えて(と言えば聞こえはよいが、よくわからないうちに騙してという方がいいかもしれない)改憲に賛成させようという作戦である。
一方の石破氏の改正案は、自民党の改憲草案と同じく、9条2項を削除し、これに代わって、「前項(戦争放棄の規定)の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」という条項を入れるというものだ。そのうえで自衛隊の保持規定を新たに設ける。これは、自衛隊は紛れもなく戦力であり、自衛のためとはいえ、「戦力不保持」という条文と矛盾しているから、そういう条項は削除するというわかりやすい考え方だ。また、自衛権を「解釈論」で限定的に認めるのではなく、集団的自衛権を含め、自衛権は、日本が独立国である以上は、国連憲章で認められているとおり、日本にも当然に認められるものだとし、1項の戦争放棄だけだと、自衛権まで放棄しているという解釈論が出てくるので、そうではないことを明記するという考え方である。
さらに、「交戦権」は、単に戦争をする権利というものではなく、戦争のルールを定めたものであって、交戦権を認めないということは戦争のルールを認めないということと同じでおかしな議論だとする。話が専門的になるため、多くの国会議員さえ理解していないが、自衛のためであっても、ひとたび戦争を始めるとなれば、戦争に関する国際ルールに従う義務が生じ、逆に国際法上の権利が認められる。だから、「交戦権否認」というと、敵に攻められたときに一切の国際ルールの適用を否定するという意味にもなり、日本が国際法違反をしますということになる。また、自衛隊員が捕虜になったときにその国際法上の権利を否定するともとられかねない。その意味でも、この条項は廃止すべきであるというのだ。(私は石破氏とは憲法論において全く異なる立場を取っていて、石破氏の議論には納得できない点があるが、本稿は、安倍氏と石破氏のどちらが危ないかを論じるためのものであるので、いちいち、石破氏の論に反論することはしない)
石破氏の論理は、以上のとおり、非常に明快だ。自身でも述べているが、氏の考え方は、イメージやみせかけで改憲を目指すのではなく、「強い論理」をバックに「丁寧に」国民に説明し、その理解を得たうえで改憲を目指すという考え方だとする。したがって、国民の意見が割れていて、改憲賛成論が十分に理解を得ていない現段階での改憲は、時期尚早だとして、次期臨時国会で自民党改憲案を提示すべきとする安倍首相の考えを「スケジュールありき」として、明確に批判している。
石破氏の改憲の手続き論で言えば、国民の過半数ギリギリの賛成で無理矢理改憲するのではなく、それをかなり上回る支持を得るべきだということになる。石破氏の改憲案では、おそらく当分の間国民投票に持ち込むことは困難であろう。これについて、石破氏は、9条改正はそんなに急ぐべき課題ではないとしている。
つまり、9条改正についてみると、論理的には安倍氏よりも本格的な改正を主張するものの、国民本位の議論を目指し、スケジュールありきで強行することはないという点では、安倍氏よりも石破氏の方が穏健だと言える。リベラル派から見れば、より危険度の低い総理候補ということになるだろう。
■自民党のマスコミへの要請は、石破氏との論戦封印狙い?
自民党は、新聞・テレビに対して、「インタビュー、取材記事、写真の掲載にあたっては、内容、掲載面積などで各候補者を平等、公平に扱う」ことを要請している。安倍氏と石破氏に関する報道の分量を同じにしろという意味だ。マスコミ側は、もちろん、こんな要請は無視すればよい。しかし、実際には現場で「忖度」が働く。特にテレビ局はこれを杓子定規に守っているように見える。筆者が現場スタッフから得た情報では、あるテレビ局では、秒単位で両者の扱いについてチェックしている報道番組さえあるという。
こうなると、石破氏は非常に不利だ。なぜなら、石破氏がどんなに「忍耐強く」「丁寧に」持論を説明したいと言っても、国民と直接接する機会は限られる。そこで、非常に重要になるのが、マスコミの報道だ。
しかし、石破氏の考えをわかりやすく伝えようとすれば、テレビ局は、ある程度の時間を使って解説する必要がある。一方、安倍氏の側からは、非常に単純なメッセージしか出ていない。その前提で、両者の分量を同じにしろと言われると、石破氏の議論は、安倍氏側の分量だけしか報じてもらえない。結果、石破氏が望む「丁寧な」解説は全く行われないどころか、論点すら紹介されないということにさえなる。
逆に言えば、「イメージ戦略」中心に持論を展開する安倍氏側に非常に有利な仕組みだと言って良いだろう。とりわけ、各地で大災害が相次ぎ、その報道で紙面や放送時間が取られてしまう中では、総裁選の憲法論の解説は、9条全文をそのまま温存する安倍氏と2項の戦力不保持と交戦権否認を削除する石破氏というところで報道が止まってしまう。そうなると、どうしても、安倍氏の方が平和主義的で、石破氏の方が好戦的だと取られやすい。まさに、そこが安倍氏側の狙いでもある。
つまり、安倍氏は安全で石破氏は危険だというイメージ戦略だ。
■米朝開戦への対応が踏み絵 どちらが好戦的か
9条改正論に関して、詳しい議論を国民に伝えることが難しいというのであれば、どうやったら、両者の「戦争」に対する考え方の差異を明らかにできるのだろうか。そう考えてみると、我々国民にとって最も差し迫った問題である北朝鮮問題への対応について議論すればよいのではないかと、私は考えた。
実は、8月17日に石破茂氏と1時間半にわたって対談をする機会があった(「週刊プレイボーイ」)が、そこで、この問題を取り上げたのだ。私の質問はこうだ。「もし米朝交渉が決裂し、トランプ大統領が北朝鮮を攻撃するとしたら、日本はアメリカといっしょに戦うのですか?」
これは、決して現実とかけ離れた質問ではない。現に、米朝交渉は停滞し、トランプ大統領が、再び圧力路線に戻ることを示唆する発言を行う中では、極めて現実的な質問と言ってよい。
安倍氏なら、「仮定の質問には答えない」と言うだろう。石破氏も、非常にデリケートな問題だから、最後はうまくかわすのではないか。私は、そう予想していた。いわばダメもとの質問だ。
しかし、予想に反して石破氏はこう言い切った。「同盟は相手国の戦争に巻き込まれる恐怖と、相手国から見捨てられる恐怖のジレンマの中で、ウィンウィンの関係を目指してマネジメントすべきもの。だから、日本としてはまず、北を攻撃してもアメリカが得るものはない、攻撃はやめた方がよいと説得しなければいけない。私が集団的自衛権にこだわるのは、アメリカと共に戦争するためではない。アメリカなしには自立できないような現状から、日本が脱却するために必要な権利だと考えているからなんです」
これは、非常に大きな意味を持つ。安倍総理は、トランプ大統領の「すべての選択肢がテーブルの上にある」という発言を「無条件に」評価し歓迎した。これは、ある意味、衝撃的なことだ。日本が、自らが巻き込まれるかもしれない戦争について、それを止める側に立つのではなく、賞賛する立場をあらかじめ明らかにしたからだ。前代未聞の出来事だと言ってよい。
一方の石破氏は、明確に、「やめた方がよいと(トランプ大統領を)説得しなければいけない」と明言した。
米朝交渉が停滞し、再び危機モードに戻る可能性が出てくる中で、この両者の違いは、日本国民にとっては、非常に大きな意味がある。憲法改正の中身がどうなっても、直ちに戦争になるわけではない。しかし、米朝戦争のリスクは、現実のものだ。それに対して、アメリカによる開戦を肯定し、しかも「常に米国と一体」であることを強調する安倍総理と「戦争を止める」という石破氏。ここまで両者が正面から対立する論点は他にない。しかし、この論点は、報道では、いまだに明確にされていない。
■嘘をつかないのはどちらか
もう一つ大事な論点がある。それは、「正直、公正、石破茂」というキャッチフレーズをめぐる争いだ。このフレーズが、安倍氏個人を批判するものだとして、自民党主流派内から「反党的」だという批判が強まった。しかし、「正直、公正」と言って批判されるというのは聞いたことがない。
安倍氏は、一方で、モリカケ疑惑を全面的に否定しながら、昭恵夫人や谷査恵子元昭恵夫人付職員などの証人喚問なしでの幕引きを図っている。国民の大多数は、この疑惑の解明が不十分だと不満を持っている。「正直、公正」というと、安倍氏が「嘘つき」「えこひいき」であるという意味になると、主流派は言っているそうだが、それは自ら、国民がそう思っていることを認めているのと同じだ。
もちろん、正直公正と言葉で言うのはたやすい。そう言ったから、石破氏が正直公正だということにはならない。ただ、国民の前で長時間の論戦を行えば、その発言の内容と過去の言動との整合性、質問に答える姿勢などによって、その人の人柄を判断する材料が与えられる。しかし、論戦がほとんどなければ、この面での材料が少ない中での選択になってしまう。特に、石破氏は、マスコミに露出する機会が安倍総理に比べて格段に少ないで明らかに不利になる。
そこで、今回の石破氏との対談で私が感じたことを一つの材料として提供したい。
まず第一に、私は、石破氏とは外交安保政策について立場が大きく異なる。しかし、対談を通じて、石破氏は、相手を威圧したり、論駁したりするような態度を見せず、淡々と持論を論理的に説明する姿勢に終始した。そのためか、私は、全く嫌な気持ちになることはなく、対談が終わって握手するときには、むしろ親近感さえ覚えた。意見が違っても、相手の言葉に耳を傾ける態度が徹底しているので、そういう印象を受けたのだと思う。この点は、国会での安倍総理の言動とは好対照である。
もう一つ、小さなエピソードがある。どうして、私と対談したのかという問いに対して、リップサービスをしようと思ったのか、石破氏は、「日本官僚の中枢にいて、中を知った人の批判は現実味と説得力がある」と私を持ち上げる発言をした後、「古賀さんの書いたものは、」と続けた。普通なら、その後は、「ほとんど読みました」「すべて読みました」などと言うのが予想されるところだ。ところが、石破氏は、「3分の1くらい読んでいる。そうだよねと深くうなずける。そういう人はさほどいない」と続けたのだ。「3分の1」と聞いて、ガクッとなったが、逆に、「正直」な人だと思った。こんなところで、そんなに厳密さにこだわる必要はないだろう。私はその瞬間、この人は嘘をつけない人だなと感じた。
どちらが危ないのか、そして、どちらが真に信頼できる総理になれるのか。それがわかるような論戦を期待したいのだが、その前に勝負は決し、結果として、「危ないリーダー」が選ばれてしまうのだろうか。
古賀茂明「安倍氏と石破氏のどっちが危険? 大手マスコミに代わり判定する」 https://t.co/WVupAjow3d
— 海賊白髪爺さん (@Vi6MceJl6KLxaGN) 2018年9月9日
まやかしに引っ掛かってはいけない!安倍政権のまやかしは度を越えている。もりかけ、拉致問題とまやかしは数えきれない!
改憲には反対だ。そして晋三さんの元での改憲は慎むべき❗
■(https://t.co/w2wHA2Rf4K) 【古賀茂明「安倍氏と石破氏のどっちが危険?大手マスコミに代わり判定する」】(https://t.co/nCqdIYDshb)/《全体での支持率は、安倍氏と石破氏は非常に拮抗している。自民党総裁選だから、自民党員が総裁を選ぶのは当然だが、国民世論と自民党内世論のこの明ら…》
— AS (@ActSludge) 2018年9月9日
多分安倍さんが勝つと思いますし、それは、日本社会は、誠実さを重要視しないことの証明だと考えてます。
— ふー (@jicchi127) 2018年9月10日
大企業の不正、スポーツ界の問題続出。組織は頭から腐る。
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