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財務省のパワハラ防止対策「360度評価」に対する強烈な違和感 根本問題は「身分制」にあるのに
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57433
2018.09.09 ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
旧日本軍より軍隊組織に近い構造
財務省では昔から「恐竜番付」と呼ばれる怪文書が出回ることが知られている。番付にランクインするのは、部下が恐れる上司たちだ。
依然としてパワハラ体質な官庁ならではのものだが、これを改善しようとする動きがみられている。具体的な解決策として、「360度評価」の導入を検討しているという。
この制度は、上司が部下を人事評価するだけではなく、同僚や部下、場合によっては取引先の担当者などもその評価に加わるというもの。複数の人員が判断するため、能力が比較的客観的に測りやすいのがメリットだ。
だが果たして、財務省にこのような制度はなじむのだろうか。
財務省に限ったことではないが、現在の人事評価といえば、キャリア制度という厳然たる「身分制」が敷かれている。採用時に総合職試験を経た役人はいわば「特急券」を持ち、出世のスピードは「新幹線」並み、それ以外のノンキャリア組は「鈍行普通列車」といわれる。
民間にはない霞が関中央省庁の特色であるが、キャリアとノンキャリアは交わることのない2路線である。
ゆえに本気で財務省改革を断行するには、現代の「身分制」ともいわれるキャリア制度を撤廃する必要があるのは間違いない。今年相次いだ財務省の不祥事は、まさにキャリア官僚のおごりが元凶といえるからだ。
佐川宣寿前国税庁長官の文書改竄事件は、そうした例のひとつといえる。現場を知らないキャリア官僚が自分の国会答弁に都合のいいように決裁文書を書き換えさせてしまったわけだ。
現場を知っているノンキャリア官僚がそのままトップについていれば、このようなことは起こらなかったはずだ。
福田淳一前財務事務次官の女性記者に対する不適切行為においても、同じように心のおごりがどこかにあったように思える。だからこそ、キャリア制度の解体が財務省の信頼回復には不可欠なのだが、それには手を付けずに「360度評価」という話が出てきたのは理解に苦しむ。
不祥事続きの財務省だから、外部の意見も聞くという誠実な姿勢を見せなければならないという思いがあるのだろう。だがそんな生ぬるいレベルで、財務省が生まれ変わるとは到底思えない。
なかば戒律化したタテ社会の財務省は、旧日本軍にもたとえられることがある。じつは、財務省の予算用語には旧日本軍から流用されているものも多い。たとえば予算が成立するときに「撃ち方やめ」というが、まさに軍隊用語だ。
ある戦争研究者に言わせると、財務省は旧日本軍より軍隊組織に近い構造をしているという。たしかに、来年に迫る消費増税に向け、一糸乱れぬ隊列を組んでマスコミ、学会を折伏しようとするさまを見れば、軍隊組織になぞらえられても仕方ないだろう。だがこの軍隊は国民を守るのではなく、緊縮財政によって国を滅ぼしかねないものだ。
「360度評価」というのならいっそのこと、一般企業でいえば「取引先」にあたる各省庁の予算担当者にも人事評価させたらいいだろう。財務省の予算カットへの対抗手段を各省が持つことになれば、「360度評価」も役立つかもしれない。
『週刊現代』2018年9月15日号より
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