#負担の現場への押し付けは、どこでも行われているが左翼系国家の問題点は、あまり報道されない
キューバ最大の外貨獲得源「医師・看護師派遣」の闇が問題化 https://hbol.jp/173730/2 白石和幸 2018.08.29 Parentingupstream via pixabay(CC0 Creative Commons) キューバで一番の外貨獲得源は何かご存知だろうか? それは外国への人的派遣サービスである。その中でも一番のドル稼ぎに貢献しているのは医師と看護師の外国への派遣である。 医師派遣で年間1兆円近くの歳入 ホセ・ルイス・ロドリゲス元経済相によると、2011年から2015年の間に年間ベースで115億4300万ドル(1兆2700億円)がキューバ政府のこの分野における歳入になっているというのだ。また、2016年度保健統計年鑑によると、62か国にキューバ人医師が派遣されているという。その内訳はラテンアメリカの24か国、サブサハラ27か国、中東と北アフリカ2か国、中央アジアと太平洋7か国、それにロシアとポルトガルにも派遣されているという。 派遣されている医師の数は2015年統計で5万人以上で、キューバの医師の数は2016年統計で9万161人とされている。因みに、看護師は8万9072人と統計されている。即ち、キューバの医師の半数が外国に派遣されて政府のドル稼ぎに貢献しているということになる。(参照:「Martinoticias」) 医師が一番多く派遣されているのはベネズエラとブラジルで、それ以外にカタール、クウェート、中国、アルジェリア、サウジアラビアそして南アフリカとなっているそうだ。そして、このキューバ人医師の現地での奉仕に対してキューバ政府にその報酬が支払われるわけである。 ただ、経済的に貧困な国に対しては飽くまでボランティアとして医師団を派遣しているそうだ。その対象になっている国はハイチ、ボリビア、エルサルバドル、グアテマラ、ニカラグア、ホンジュラス、エチオピア、コンゴ、タンザニア、モザンビケといった国々である。(参照:「Martinoticias」) 実質的な「タダ働き」に医師らが反旗 ところが、派遣された医師や看護師ら医療団は、キューバ政府が派遣前に約束したこととは全く異なる厳しい現状に直面し、その結果、その職務を放棄して米国に移住するという現象が起きているのである。これが特に顕著なのはベネズエラに派遣された医療団の中から発生しているというのである。 そして米国に移住したキューバ人医師らが抱えるている一番の問題は、キューバ政府が彼らの帰国を許可しないということなのである。その理由は、キューバ政府によると、彼らは与えられたミッションの職務を放棄したというのが理由だとしている。 彼らから見れば、政府は彼らを囚人のごとく拘束し、人的権利も侵害するようなミッションだったということには一度も触れたことがなかったと指摘しているのである。しかも、給与を受け取る権利も剥奪されたそうだ。 しかし、政府は彼らを逃亡者だと見做しているという。それに対して、彼らは職務を放棄したことは認めるとしながらも、それは大きな欺瞞であったとし、祖国そして彼らの家族から逃避したのではないと答えている。(参照:「Cubanet」) 次のページ 「医師を搾取する奴隷制度だった」 「医師を搾取する奴隷制度だった」 マリア・エウヘニア・ラゴマシノさんの場合、彼女は2007年から2011年までベネズエラで派遣医師として働き、その後ブラジルに派遣された。そこで2013年から2015年まで働いたそうだ。その後は、他の多くの仲間と同様に米国で生活するようになったという訳である。 彼女は、「私は外国に出た時に初めて物事を明確に見ることができるようになった。(キューバを出国する前に)言われていたことが全て偽りであったことに気づいた。(政府が)約束したことは守られず、権力をふるって人間性とは程遠いものだった」と語っている。 メルセーデス・ウイリアムズさんの場合は、ベネズエラを脱出してコロンビアに入国。米国大使館に出頭して米国に入国できる許可書を入手。それ以後、彼女の両親と再会できることはなかったそうだ。最初に母親が亡くなり、今年父親が亡くなった。帰国の許可が下りないから生前中の両親に会えなかったのである。彼女は「ミッションから離れたのは、医師を搾取するやり方は正に奴隷制度だったからだ。私はあそこ(ベネズエラ)では奴隷になったように感じていた」と語っている。そして愛する人たちに会うことができないことに心が傷むと表明。また、彼女はキューバでは法律や規定が大衆の前に公表されることはないと指摘している。 ギッセル・ヘレラさんの場合は、ある日曜日が勤務日ではなかったので上司の許可なくミランダ市からカラカス市へ行ったが、許可なく行動したとして他の仲間の前で上司から厳しく叱責されたという。そのあと上司からセクハラの被害を受けたそうだ。そのようなこともあって現在マイアミに移住した。彼女は、キューバでは絶対に見つけることのできない未来を米国で見つけたと語っている。(参照:「Cubanet」) キューバ人医師らは国際司法裁判所に提訴 昨年11月に彼らはキューバ政府が権利の侵害をしたとして告発し、それを国際司法裁判所に提訴している。同様に、ワシントンの人権委員会、フランシスコ法王、米州機構、国連などにもこの問題を提起したそうだ。そこには、我々はキューバ政府によって現代の奴隷制度の対象にされ、逃亡者と見做されて我々の家族とも8年間も会えない罪を着せられ、キューバで支払われる給与も剥奪されたと言った内容が記されているとしている。(参照:「Infobae」) オバマ前大統領がキューバと国交正常化を果たした時に、それに先陣を切って反対したのはキューバ人2世のマルコ・ルビオ上院議員であった。彼の反対の理由はキューバは独裁政治が続いており民主政治が確立されていないからだとしている。 米国に移住したキューバ人医師らがキューバ政府に抗議しているのは、正にルビオ議員が指摘している一面から垣間見ることができる。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。 白石和幸 1
2 今この記事も読まれています • 正体を隠して活動する日本会議の「カルト性」 • 「お客様は神様じゃない」。14年間続けた居酒屋のトイレが、常にキレイだった理由 • デタラメなデータで強行採決された高度プロフェッショナル制。忘れてはならない第196回国会の異様さ「5〜6月」編 • 沖縄県知事選に出馬予定の自由党・玉城デニー幹事長と会談後、立憲民主党・枝野幸男代表が支援を表明 • 米成人7割がネット企業によるニュース配信のパーソナライズに否定的。偏見のエコーチェンバー化を危惧 ハッシュタグ キューバ 中米 医療 搾取 https://www.nikkeyshimbun.jp/2018/180830-02topics.html ブラジル国内のベネズエラ人は3万800人=3年前の1千人が30倍に 2018年8月30日 ブラジル地理統計院(IBGE)が29日、7月1日現在でブラジル国内に住んでいるベネズエラ人は3万800人と発表した。この内の1万人は、今年の上半期に入国した人達だという。 この数字は連邦警察がまとめた移民関連のデータを基にして算出されたもので、統計を開始した2015年は、国内在留のベネズエラ人は1千人と報告されていた。 ベネズエラ人が急増した理由は、ベネズエラにおける政治的、経済的、社会的な危機に他ならない。同国ではこの3年間で、体制派と反体制派との抗争や、年100万%とも言われる超ハイパーインフレ、生活必需品も含む物資の供給不足などが続いている。 IBGEは、実際に入国した記録があるベネズエラ人の数に、出生率や死亡率などを考慮して、先の数字を算出した。また、ベネズエラ人の99%は、ロライマ州のボア・ヴィスタやパカライマに住んでいるという。 ロライマ州の人口は57万6600人で、州都のボア・ヴィスタには37万5400人が住んでいるとされているから、ベネズエラ人は州都の人口の8%以上を占めている事になる。 ロライマ州の知事のスエリー・カンポス氏は22日、国境を越えてパカライマ市に入ってくるベネズエラ人は1日800人に上り、州内の学校に在籍中のベネズエラ人子弟は1484人に上り、同州の医療機関で診察や検査などを受けた人の数は延べ7457人などの数字を挙げた。また、州内の刑務所に収監されているベネズエラ人は99人おり、1人につき、2014・58レアルの経費が発生している事なども列挙し、具体的な対応を取るよう求めた。 同州知事が提出した要請には、ベネズエラ人急増に伴う諸経費として1億8422万1179・38レアルを支払う事、ボア・ヴィスタに野戦病院を即時開設する事、消防車5台の寄贈、ボア・ヴィスタやパカライマで巡邏活動を行う軍警用の警察車両50台の寄贈、市警の活動を活性化し、諜報・捜査活動を拡大するために市警用の車両20台の寄贈、平和維持部隊の派遣強化などが含まれている。(29日付G1サイトより) https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/post-10870.php ペルー、国境に非常事態宣言 疫病感染のベネズエラ人が大量流入? 2018年8月29日(水)12時23分 8月28日、ペルーは28日、経済危機と飢餓から逃れてくるベネズエラ人の流入が止まらない問題を受け、北の国境について公衆衛生に関する非常事態を宣言した。写真は流入したベネズエラ人。ペルーのトゥンベスにある臨時の避難所で25日撮影(2018年 ロイター/Douglas Juarez) ペルーは28日、経済危機と飢餓から逃れてくるベネズエラ人の流入が止まらない問題を受け、北の国境について公衆衛生に関する非常事態を宣言した。 ビスカラ大統領は、移民により保健と公衆衛生に「差し迫った危険」が生じているとして、北部2県について60日間の非常事態を宣言、文面を官報に掲載したが、危険に関するそれ以上の詳細は明らかにしなかった。 国連は今週、ベネズエラ人の中南米諸国への脱出は地中海地域の難民問題に匹敵する「危機的状況」となりつつあると指摘した。 ペルー、コロンビア、ブラジルの移民当局者は、コロンビアのボゴタで2日にわたって対応を協議。その後、28日に発表した共同声明で、現在コロンビアに暮らすベネズエラ人は約100万人、ペルーには40万人以上いると明らかにした。ペルーでは、合法的な滞在が認められているか、もしくは手続き中の状態にある人は17万8000人にすぎない。 ペルーの保健当局は先にも、大半の流入者は母国で基礎的な医薬品と医療にアクセスできておらず、流入した人々からはしかやマラリアが拡大することが懸念されると表明している。コロンビアとペルーは28日、流入状況を追跡するとともに、支援を公平に分配するため流入に関する情報をデータベースとして共有していくと表明した。 コロンビア移民当局の責任者は、来週に同国とエクアドル、あるいはペルーとブラジルも加わり、ベネズエラからの流入について協議すると述べた。 [リマ 28日 ロイター]
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