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イージス・アショアは「無敵の超兵器」か「大いなる無駄」か?(ハーバー・ビジネス・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/499.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 20 日 21:45:55: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

イージス・アショアは「無敵の超兵器」か「大いなる無駄」か?
https://hbol.jp/173066
2018.08.20 ハーバー・ビジネス・オンライン


ハワイ・カウアイ島にあるイージス・アショア実験施設。photo by U.S. Missile Defense Agency via flickr (CC BY 2.0)


 イージス・アショア、昨年5月に新聞などで取り上げられたアメリカ合衆国(合衆国)の弾道弾迎撃システム、まるで無敵の超兵器のように取り上げられたり、無駄だと批判されたり、賛否は分かれていますが、ろくな情報が巷にはありません。

 私はこの分野は専門外なのですが、弾道弾防衛(MD)については弾道弾迎撃ミサイル(ABM)にはじまり戦略防衛構想(SDI)、戦域ミサイル防衛(TMD)から現在のイージスMD、終末高高度防衛(THAAD)、Patriot Advanced Capability3(PAC-3)の三段防衛まで専門外なりに追跡してきましたので、高校卒業程度の方が分かるように記事を書いて行こうと思います。

 この軍事関連の界隈、「素人質問で恐縮ですが」と質問すると、罵倒したり、嘘を教える変なひとが大勢おりまして、なかなか素人には取りつきにくい分野ですが、理解の一助になればよいと思います。

「THAADは高いからイージス・アショアを買う」のアホらしさ

 イージス・アショア導入については、昨年5月16日の稲田朋美防衛大臣(当時)の会見が公式には始まりの筈です。(参照:「ミサイル防衛強化で中期防前倒し論 地上型イージス、THAAD… 予算が最大の壁、慎重論も」産経新聞 2017.5.16 21:39

 北朝鮮によるミサイル実験が多く実施され、緊張度が高まっている為に弾道ミサイル防衛を強化する。従前より検討中のTHAAD導入は初期費用で1250億円と高すぎるので、陸上型イージスを2基導入する。それによって、初期費用は800億円に節減されるということが導入の理由でした。

 THAADは、終末弾道迎撃(ターミナルフェーズ迎撃)システムであり、イージスMDは、中間飛翔段階迎撃(ミッドコース迎撃)システムですので、二つは全く異なるものですから、「THAADのかわりにイージス・アショアを導入する、理由は安いから。」と言う発言を聞いて私は腰を抜かしました。農作業用に軽トラック10台が必要なのに「安いらしいから」高級ベンツを2台買うと言うようなものだったからです。

 日本では、弾道弾防衛について市井に良い本がなく、早速報道でも個人ブログでもまるで超兵器かのようにイージス・アショアの迎撃範囲を過大評価する図表が乱立し始めました。


図1-1 イージス・アショア導入報道で乱立した誤りの例1(赤丸が有効迎撃範囲を示す)中心は佐渡分屯地 迎撃半径2000km

 これを見たとき、私は笑いが止まらずに椅子から転げ落ちました。

 これはStandard Missile 3; SM-3 Block IIAまたはIIBという現在開発中の弾道弾迎撃ミサイルの最大飛程が2000kmであるということからの誤解による図です。

 ミサイルは三次元を飛びまして、ノドンなどの準中距離弾道弾(MRBM)は高度500km程度、ムスダンなどの中距離弾道弾(IRBM)は、高度1000kmまで上昇しますので、ミッドコース・防衛用のSM-3 Block IIAの飛程は2000kmほど必要になります。ですから、射程距離が2000kmということは無いのです。当時、この赤丸がTwitterにもブログにも、新聞、TVにも乱立し、私は「ミートボールと」名付けました。

しばらくしたら「ミートボール」が増えた!

 その後、配備予定地が秋田市と萩市ということが伝えられ、すぐに「ミートボール」が二つに増えました。


図1-2 イージス・アショア導入報道で乱立した誤りの例2(赤丸が有効迎撃範囲を示す)中心は 秋田市と萩市 迎撃半径1800km

 凄いです。SM-3 BlockIIAの最大射程は2500kmということになり、迎撃半径は1800km前後と言う事になってしまいました。東アジア全域が迎撃覆域にはいり、もはや「アジアの平和は日本が守る」です。

 もちろん、これらは根本的に誤っています。自衛隊のMDを担当する幹部は、さぞや困った事でしょう。日本から見れば鉄壁の防衛ですが、ロシア、中国、北朝鮮、韓国、台湾、フィリピンにとっては領域侵犯(侵略行為)の予告にも見えかねません。そもそも完全に事実と異なります。

 本稿では、弾道弾防衛(MD)について簡単な解説をした上でイージス・アショアの日本配備の真の意味を探ります。

ABMからSDIを経てテポドンショックまで

 弾道弾防衛は、降ってくる弾道弾を着弾前に撃破し、無能力化する事が目的です。音速の21〜24倍で落下してくる核弾頭を迎撃するのですからたいへんな事です。


【表2-1 弾道ミサイルの種類】防衛省 弾道ミサイル防衛 平成20年3月より引用

 当初、合衆国もソ連邦も核弾頭付き高加速ミサイルの二段迎撃を開発しました。

 合衆国は、高空用のスパルタン(LIM-49A 到達高度 560km 核出力 5Mt)と低空用のスプリント(到達高度30km 低核出力・放射線強化弾頭)の二段構えでセーフガードシステムと言う弾道弾迎撃システムを組み、弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM条約)に従い2か所に配備される予定でしたが、核ミサイル基地防衛の為に配備された翌日に議会で廃止が決まり、廃棄されました。

 自国領内と高層大気中で核を使えば自国が放射性降下物と電磁パルス(EMP)で破滅してしまいますから当然です。

 一方ソ連邦は、モスクワと核ミサイル基地の2か所に同様なABM基地を配備し、改良を続け、二段防衛を完成していたとされます。もちろんすべて核弾頭装備で、使えば放射性降下物とEMPでたいへんな事になります。

 ABM条約は、ABMによって相互確証破壊(MAD= Mutual Assured Destruction:やったらそちらも壊滅だ)戦略が破綻し、むしろ全面核戦争が生じやすくなると言う理由で締結されたもので、簡単に言えば、首都と核ミサイル基地1か所の合計2か所だけにABMの配備を認めると言うものです。

 合衆国は自国のMD配備の為に2002年にABM条約を脱退しました。合衆国は、SDI構想の当時は、レーザ兵器や粒子ビーム兵器はミサイルではないのでABM条約に抵触しないと言うアクロバット論法を使っていましたが、結局MDはミサイルによって行われる事となり、ロシアによる批判をかわす事が出来なくなったのです。

 1983年にSDIをレーガン政権が打ち上げ、スターウォーズ計画と報じられました。TVを賑わす目玉であった光線砲や粒子ビーム砲は、研究費をバカ食いすれども全く進捗せず、計画は縮小を重ねて、結局、ミサイルはミサイルで迎撃する事になりました。まずは一番簡単な短距離弾道弾(SRBM マッハ3〜9)迎撃から始まり、これにペトリオットが充てられました。湾岸戦争では、ペトリオットPAC-2を使いましたが、迎撃効果はきわめて低いものでした。しかし心理効果は絶大で、戦略的には大きな成果を挙げたと言えます。

 なお、SDIで最大の成果を挙げたのは、ミサイル探知、追尾、解析システムの開発ではなかったかと私は考えています。

 余談ですがSDIが始まった当時、私は高校生で、たいへんに心酔し、防衛大学校の入試で歯が立たずに時間の余った教科の時間に、答案用紙の裏面に図表入りのミサイル防衛に関する小論文を書いたのですが、完全に諦めていたのに1次合格し、その後国分市で受けた2次試験も合格した為に、地方連絡部のおじさんが自宅に押し寄せ来ました。

 元通訳憲兵だった英語私塾の老先生は、新聞に私の名前を見付けて、「陸大に合格したとですか! 私に黙って陸大を受験した。でも許す。これは最大の誉れですぞ。絶対に行かせなさい。もう大学受験はやめて良い!」と大騒ぎでした。級友は、陸戦隊に居たと言うおじいさんに知られ「海大に合格した、これは誉れだ! もう大学受験はやめて海大に行け」と大騒ぎになり、家を逃げ出していました。あれは裏面に勝手に書いた小論文が評価されたのだろうと今も思っています。SDIというと、どうしてもこの時のことを昨日のことのように思い出します。

 SDIが冷戦終結とともに消え、限定的攻撃に対する地球規模防衛構想(GPALS:ジーパルス)を経て更に縮小し、クリントン政権時に戦域ミサイル構想(TMD)へと移行しました。

 この時、北朝鮮によるテポドンショックが起きたのです。結果、ABM条約に抵触する可能性の高い国家ミサイル防衛(NMD)も並行して開始されました。

 この当時、テポドンショックで大わらわとなった日本に対して、現在のイージスMD、THAAD、PAC-3による多段階ミサイル防衛の売り込みが合衆国よりなされました。当時、NHKスペシャルでかなり詳しく報じられていました。

 本稿、続きます。イージスMD、THAAD、PAC-3などの現在のミサイル防衛(MD)について解説する弾道弾防衛の概要第二弾は近日公開予定です。

※図1-1、1-2ともに地図上に好きな半径の円を描けます (Google Maps API V3版)を利用して、巷に出回っていた迎撃範囲を過大評価した図表をベースに筆者が作成



<文/牧田寛 Twitter ID:@BB45_Colorado photo by U.S. Missile Defense Agency via flickr (CC BY 2.0)
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガを近日配信開始予定





















 

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コメント
1. 日高見連邦共和国[9731] k_qNgoypmEGWTYukmGGNkQ 2018年8月20日 22:34:46 : rXs5IWEZm6 : O4zS6zlHJrE[3] 報告

『無敵の兵器』だと?(大爆笑)

30ノットの機動力のない“イージス艦”。

それを“棺桶”という。

2. 佐助[5945] jbKPlQ 2018年8月21日 07:48:09 : RbPZf2tsH6 : K9EhTpDjOxI[364] 報告
大いなる無駄.そんな無駄なものはマグマの法則から地震予知できる地上イージスに改良せよ。

2020年までの「ルール破壊」の終盤に,革新的平和的なカリスマが登場し,日本は政敵を失い,改革がストップする。相手がいないイージス・アショアは何の役にも立たない。

それならイージス・アショアなどは,地震と火山の分布やマグマの法則から地震と火山の噴火などの関係と予知できるものに改良せよ。

3. 2018年8月21日 11:40:00 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-7293] 報告
2018年8月21日(火)

軍事費、5兆3000億円超へ

概算要求調整 過去最大を更新

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-21/2018082101_02_1.jpg

 防衛省は、2019年度予算の概算要求について、過去最大となる5兆3千億円超を計上する方向で調整に入りました。秋田、山口両県への配備を目指す陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入費などを計上することで、18年度当初予算より1千億円以上増える見通しです。朝鮮半島で始まった平和のプロセスに逆行する大軍拡です。

(関連記事)

 18年度当初予算は、過去最大の5兆1911億円。第2次安倍政権が発足して以降、13年度から6年連続で増加しており、15年度から4年連続で過去最高を更新しています。

 軍事費は現行の中期防衛力整備計画(14〜18年度)で、米軍再編関連経費などを除いた当初予算ベースで年平均0・8%の増加が認められています。防衛省は、年末に改定する次期中期防(19〜23年度)で伸び率を1%超に拡大させたい考えで、そのための地ならしです。

 防衛省はこれまで、「北朝鮮脅威論」を最大限強調して、軍拡の口実にしてきました。今回の概算要求でも、6月の米朝首脳会談後も「北朝鮮の脅威は変わっていない」として、「ミサイル防衛」態勢を強化する方針。東シナ海で活動を活発化させる中国を念頭に、南西諸島における自衛隊増強費用も積み増します。

 陸上イージスについては、最新鋭レーダー「LMSSR」搭載で本体価格が増大し、2基で計約2679億円となる見込み。最新鋭ステルス戦闘機F35Aは計42機調達する計画で、来年度も購入するなど、米国製武器の大量購入がいっそう拡大しています。

 イージス・アショアの配備が狙われている秋田、山口両県では、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が減少する中、「配備する必要があるのか」といった疑問の声が相次いでいます。それにもかかわらず、引き続き、「北朝鮮の脅威」を口実にしての軍拡には何の道理もなく、国民の理解が得られるはずはありません。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-21/2018082101_02_1.html

2018年8月21日(火)

軍事費膨張 目立つ米国製武器購入

借金5兆円超、将来にツケ

 5兆3000億円超―。安倍政権が狙っている来年度軍事費が成立すれば、5年連続で過去最大を更新する異常事態となります。

約7倍に拡大

 なぜ、軍事費の膨張が止まらないのか。目立つのは「対米関係」の予算です。第2次安倍政権後、米国の武器輸出制度である「対外有償軍事援助」(FMS)に基づく米国製武器の購入が急増。発足当時の2013年度の589億円から、18年度には4102億円と約7倍に拡大しました。(過去最大は16年度の4858億円)

 トランプ政権は米軍需産業に利益をもたらすため、日本への武器輸出を強硬に推し進め、安倍政権もこれに唯々諾々と応じています。この間、FMSに基づいて購入している米国製武器の主要製造元を見ると、世界最大の軍需産業ロッキード・マーティン社など、主要企業が並びます(表)。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入が強行されれば、単価では過去最高額になる可能性があります。

 防衛省によれば、装備品調達費に占めるFMSの比率は3〜4割に達しており、日本は貴重な「お得意様」になっています。

 また、在日米軍再編経費も、名護市辺野古の米軍新基地建設費の積み増しで13年度の656億円→18年度の2161億円と約3・3倍に拡大しています。

匹敵する借金

 兵器や基地建設は高額であるため、単年度の予算ではまかないきれません。このため、将来へのツケ回しである「後年度負担」が増え続けています。

 今年度軍事費は、当初予算の5兆1911億円に加え、1兆9938億円の新規後年度負担が発生。過去に発生し、まだ返済されていない後年度負担の総額は5兆円を超えました。つまり、防衛省は年間予算に匹敵する借金を抱えており、これを返済するための予算(=歳出化経費)を計上せざるをえないという状況になっているのです。

 これ以上の軍拡を許さないためには、まずイージス・アショアなど、北朝鮮の核・弾道ミサイルを想定した巨額の支出や、沖縄県民の民意を無視した辺野古新基地建設の中止が求められます。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-21/2018082102_01_1.jpg
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-21/2018082102_01_1.html

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

4. 2018年8月21日 12:58:34 : nSLYTIXsiw : kVOhEpqIGdY[5] 報告
良く知らないのであれば、止せば良いものを。

THAADもPAC3も、ロシアや中国の超音速ミサイル(マッハ20)・飛翔体(マッハ5−10)を迎撃できない。

推測になるけれど、インドも開発に乗り出したようだ。

2025年配備の時点で、北朝鮮が、超音速ミサイル・飛翔体を保有していないと言う保証はない。

1兆円を使って、整備した直後には、無力化されている可能性が高い。

> 米国戦略軍司令官ハイトン将軍は、上院軍事委員会で、米国の迎撃ミサイル網では、(ロシア、中国の)超音速兵器を抑止できないと、認めた。 

General John Hyten, head of US Strategic Command, admitted during a Senate Armed Services Committee meeting that the US missile shield is unable to contain hypersonic weapons.

5. 2018年8月21日 19:17:01 : 37tAFtUcSE : LLgzy42ePeg[38] 報告
いいんだよ 見掛け倒しで 兵器など
6. 2018年11月04日 11:56:41 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-8933] 報告
米国製武器爆買い 将来にツケ
.
日本共産党
2018/11/03 に公開
2018.11.2 宮本徹議員が追及 衆院予算委員会
https://www.youtube.com/watch?v=m5eYngdnoFo

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

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