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2018年08月19日 「ジャーナリスト同盟」通信
<岸信介と笹川良一の右翼反共人脈健在>
思いついたら、急ぎ活字にしておかないと、忘れてしまうので今日も書かねばならない。8・15の清和会現職とOB首相、スポンサーのギャンブル王別荘の異様な集いのことである。愚民向けの演技なのであろうが、政府の中枢がここまで腐敗堕落してしまっていることに、涙が出るほど悲しい。そのことに気付こうとしない、新聞テレビにも驚きを禁じ得ない。それどころか、この腐敗の場所にメディアの悪党までも顔を出していたという。博打王と清和会の深い結びつきは、岸信介と笹川良一にさかのぼる。修身斉家治国平天下とは無縁の日本である。
<現在は安倍晋三首相と笹川陽平・日本財団会長>
岸も笹川も戦争責任を問われた人物である。巣鴨刑務所の世話になった反共右翼・戦争勢力の代表格で知られる。
戦後に復権して、権力の中枢に駆け上った岸と、岸にまとわりついてギャンブル王となって蓄財に成功した笹川、現在はその孫と息子が、前者が権力を握り、後者がその政権を支える不気味な関係を、恥ずかしげもなく、むしろひけらかしている。
世界は、こうした異様な権力図を、ドイツと比較して、日本民族のあまりにもいい加減・でたらめ体質にあきれ返っている。そして、そのことに全く気付こうとしないジャーナリズムと日本国民に、世界の識者は辟易しているのである。
戦後右翼の双璧となった児玉誉士夫は、ロッキード事件で沈没したが、笹川は息子にギャンブル王を継承させて、昨今は日本財団を名乗り、安倍を支える不気味な役割を果たしている。
これこそが戦後の日本民主主義なのだ。
<岸のテコ入れでギャンブル王となった笹川>
岸のすごさは、戦後右翼の双璧である児玉と笹川を抱え込んで、政権を維持したことである。なぜこんな事態を許したのか、筆者はずっと理解できなかった。
真相はワシントンにあった。米謀略機関CIA工作の賜物だった。しかし、たとえそうだとしても、平和主義と民主主義の憲法のもとで、この奇怪な政権が実現したところに、自らを含めて日本民族の資質を疑うほかない。
「岸が笹川のためにモーターボート博打を認めたものだ。当時、相撲と
ドッグレースとモーターボートが、ギャンブルの候補に上ったが、岸の政治力で盟友の笹川に競艇ギャンブルを認めた。このことで、岸は亡くなるまで政治力を維持、娘婿の安倍晋太郎を福田赳夫の後継者にさせたものだ。福田は岸派をもらったことから、岸に逆らうことが出来なかった」という。事情を知る清和会OBの説明である。
岸と笹川の戦前からの結びつきが、今日の晋三と陽平の深い仲となっている。安倍の北京情報は、笹川パイプに依存している。「公然たるスパイもどき」と事情通は分析しているのだが。
<中野四郎元国土庁長官の証言>
東京市議から政界入りした中野四郎は、晩年、福田の清和会メンバーとなったのだが、彼の貴重な証言録の一つが、笹川との関係である。
「戦前の東京市議時代のことだった。笹川は右翼政治団体の大化会を主宰していた。その会合に中野を招待した。ところが、中野に用意された宴会場所は下座だった。これに怒った中野は、膳をけ飛ばして席を立って帰った。このことで、中野は戦犯にならなかった」と証言している。
大阪の橋下某は「維新」を立ち上げたが、笹川は「大化」である。右翼は時代がかった名称にあこがれる。問題の料亭が「中野の日本閣」だった。右翼は日本をよく使用する。日本会議と日本財団の関係も注目すべきだろう。
事情通は「笹川は本物のやくざで、何事も口先三寸の輩。利権に目ざとい。岸がモーターボート利権を提供して、財を成したものだ。モーターボートのエンジンは大和発動機に独占させて、利権を膨らませている」と指摘する。
さらに大きな問題を抱えている。「競輪や競馬は、国や自治体が利益の配分権を握っている。ところが、笹川の競艇ギャンブルだけは、笹川が独占して、利益の一部を配分するという巨大利権を行使して、暴利を得てきている」というのである。
確か田中角栄内閣のころ、この笹川利権をはがそうとしたことがあったが、岸が抵抗して、笹川利権を死守したという。
<清和会・やくざ・博打・カジノ法強行>
思い出した。現役政治記者のころ、岸の後継者となった福田派の集金パーティーに出た時のことである。なんと笹川が、駆け足で登壇して、若さを売り込んでいた。彼は6・4事件の直後に北京に乗り込んで、要人を感激させたようだ。
筆者が東京タイムズ政治部長のころ、同僚の斎藤・社会部長が、福田と右翼やくざの写真を入手、それを1面に大きく掲載した。福田の驚きは尋常ではなかった。そういえば、最近、安倍の地元事務所でのやくざ事件が話題になっている。清和会と右翼やくざとの結びつきは、岸時代からだから、根が深く、消えることがない。恥部なのだが、笹川の倅は、オヤジとは無関係とばかり、日本財団会長名で堂々と安倍との関係を内外に吹聴している、と事情通は分析している。
「日本破局」を心配する福田の息子・康夫元首相は、これに猛反発しているようだ。
こうしてみると、安倍・自公内閣が、先の通常国会でやくざ利権そのもののカジノ法を、公明党の石井国交相を先頭に押し立てて強行した理由が、小学生でもわかるだろう。
やくざは公明党にも巣食っているのだろう。現に筆者が追及している「木更津レイプ殺人事件」の犯人は、富津出身のやくざ浜名である。殺害された戦争遺児の証言だと、なんと創価学会員である。彼は厚労省認可の介護施設を運営している。やくざに介護施設認可となると、政治力の存在を裏付けている。
笹川と安倍と清和会の関係が、信濃町にも伝染しているものか。ここは現役ジャーナリストと野党国政調査権の出番であろう。
余談だが、中野が衆院予算委員長としてワシントンを訪問した際、当時読売ワシントン支局に勤務していたナベツネが、実にすばらしい接待をした。秘書の話だと、中野は彼に高額の小遣いをはずんだ。
2018年8月19日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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