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謝罪会見での山口達也 ©文藝春秋
なぜ#MeToo運動はジャニーズ事務所やTOKIO山口達也には文句を言わないのか?――2018上半期BEST5
8/15(水) 11:00配信 文春オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180815-00008548-bunshun-soci
2018年上半期、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。オピニオン部門の第4位は、こちら!(初公開日:2018年5月3日)。
【写真】憔悴した表情で記者会見に臨むTOKIOのメンバーたち
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ちょっと聞いてくださいよ。
嘆かわしいのは記者会見までやって「本人は相当酩酊状態で、記憶が若干明確でない状態ではあるが、被害者にキスをしたことは間違いありません」ということで、アルコール依存の話になっちゃったことなんですよね。
何がって、旦那、分かるでしょ、TOKIO山口達也氏の書類送検後の記者会見のことです。
核心については明らかにされずに終わってしまった
弁護士同席の下で行われたこの記者会見、どのような経緯で事件にいたったかという核心については明らかにされずに終わってしまった、ただただ残念な話なんですよね。
もちろん、世間一般のアルコール依存な人たちについて、投げかけられる目線が冷たいわけです。本人の意志とは関係なく、つい酒を飲んでしまう、飲んだうえでいろいろやらかしてしまう……。これらは、社会通念上は「酒癖が悪い」とか「酒で失敗するタイプの人」などという、まるっとしたワードで語られて終わってしまいます。如何にも「意思が弱いからアルコールを断てないのだ」と。
でも、実際にはアルコール依存から脱却しようとすると、本人の意志の強い弱い関係なく、きちんとした治療は必要です。「もう飲まないぞ」となっても、きちんと見ていてくれる家族が必要だ。場合によっては長期入院したり、定期的なケアを受けながら、酒からの自立を志す人も少なくありません。一度依存してしまうと、なかなかその誘惑を断てないのはもはや完全な病気であります。
マネジメントをしていたジャニーズ事務所は何をしていたのか?
人気グループTOKIOの一員として、テレビの定番番組に出演してきた山口氏にとっても、アルコール依存からの脱却は強い仕事上のストレスからの解放を意味していた部分もあるかもしれません。それは分かる。しかし、親しいメンバーとロケで移動したりすれば、本人の悩みもその酒癖も分からないはずがないと思うんですよ。一度は入院していたっていうじゃないですか。ならばなおさら、マネジメントをしていたジャニーズ事務所はどうしてこんな問題を起こすまで山口氏に寄り添ってやれなかったんだ、せめてアルコール依存から脱するところまで伴走してやれなかったんだって思うわけです。
他のTOKIOメンバーにしても、彼らがお詫びしなければならないほど、TOKIOが悪かったんでしょうか。被災地・福島への貢献も、仕事としてやっていたにせよ愛される行動をとり続けてきたことは称賛されるべきで、それすらも無かったことのように語られるのはもったいないですし、山口氏のしでかしたことをグループで連帯責任とるような内容には違和感があります。江戸時代の五人組制度じゃあるまいし。もしもアルコール依存で山口氏が苦しんでいるとして、それに本当に気づかなかったとしたら、どういう付き合い方だったんだろうあの五人の中では、と思うのです。心が通い合っている存在だったとするならば、飲酒習慣や酒癖から何かしら気づくことはあったであろうし、山口氏も信頼して「実は俺さ」という膝詰めの相談のひとつもあって、強制わいせつで書類送検されるなんてことは止められたと思うんですよ。もちろん、そこに芸能人ならでは、人気者でないと分からない孤独があるとか、何か余人には分からないものはあるとは感じますけれども。
別にこれ、ジャニーズ事務所だけを責めている話じゃないんです。そういう場面に居合わせたかもしれない局の人間や、女子高校生側の事務所は何も言わなかったんでしょうか。高校に通っている共演者の連絡先を聞くだけじゃなく、山口氏の自宅にまで呼ぶというのは尋常じゃありませんが、その番組に出て連絡先を聞くまでのあいだは少なくとも酔っ払っていないわけでしょう。 呼び出したときは酔っていたかもしれないけど、酔った勢いで何をしたくなるか分かっているから、敢えてMCを務めている番組に出演している断りづらい相手を選んで呼び出しをかけていた常習犯だったんじゃないのか、と勘繰られても仕方のないところです。言わば「酒癖がいけないのではなくて、酒癖がその人のいけないところを暴く」という類の話ですよ。
#MeToo 界隈はなんでこんなに静かなんでしょう
そういういけない酒癖の人が、大手を振って芸能界の真ん中で活躍されていたというのはアルコール依存の人でも社会で活躍できるという優れたモデルケースなのかもしれないけど、やらかしたことはパワハラでありセクハラです。出演していた女子高校生にきちんと事務所がついていたかは分からないけど、トイレに逃げ込んで助けを求めた女の子も、話を聞いて相手がだれであろうとちゃんと怒ることができた父親も偉い。事実関係は分かりませんが、仮に累犯だとするならば、それまでの間にどれだけの女の子が泣き、親が憤ったかは分からんわけですからね。どうであれ、パワハラやセクハラがあったとして、それが「酒のせいでした」で済ませることはできないし、それなら酒場で女の子がアルバイトしているところでボディタッチしている酔客は全員無罪放免になるのかという話ですから、酒を飲んでいたから免責されるという類の都合の良い話は通らないであろうと思います。
当然、そのような立場ある芸能人が力関係が相対的に弱い女子高校生を呼び出して強制わいせつにいたるわけですから、さぞかし #MeToo 界隈も盛り上がっているのかと思ったらお通夜のように静かなわけです。海外メディアで雨傘もって写真に納まっている人も、赤い #MeToo パネル持って声を張り上げていたおばさんがたも、なんでこんなに静かなんでしょう。
ネットに溢れる声は「イケメン無罪」
そもそも #MeToo 運動は米ハリウッドの映画産業で強い立場にあったワインスティーン氏の、ちょっと異常とも言える女性への迫害に声を上げられなかったということで勃発した社会運動のはずです。セクハラは良くないですよね。これはこれで大事なことだし、日本でもBuzzFeedが中心になってあれこれ頑張っていたので、何かするんじゃないかと思うじゃないですか。ジャニーズ事務所の大物タレントがやらかしたセクハラなんだから、#MeTooパネルどころか、でっかいうちわとか、火消しが振り回すまといみたいなのも動員して、ノボリ背負ってパレードでもやるのかと思って期待してみていたのに、記者会見も特になく、デモ行進するでもなく、ネットに溢れる声は「イケメン無罪」とか「憔悴している山口さん可哀想」などと話が違う。全面的にだ。そもそも、文科事務次官として天下り斡旋のかどで辞任した前川喜平さんは「出会い系バーで視察・見学」と称して素敵な店舗に出入りしてもそうお咎めない一方、同じくセクハラをやらかした財務省事務次官の福田淳一さんは容赦なくぶっ叩かれて、いまや財務省なんか解体して歳入庁でいいんじゃないかとまで言われる始末ですよ。
みんな、党派性が強すぎるんじゃないですか。立場を利用してセクハラして騒ぎを起こしたのがみんな組織の責任に帰するというのならば、山口敬之さんのいたTBSも文部科学省も財務省もジャニーズ事務所もみんな等しく #MeToo 運動に監督責任を問われて建物の前でデモを打たれたりピンポンダッシュに遭ったり黄色いペンキがぶちまけられるべきなんですよ。
なぜジャニーズ事務所は説明責任を果たせ、という話にならないのか
本当に社会正義のために日本社会から男尊女卑的な風土を取り除き、女性にとって働きやすい環境づくりに貢献したいと考えるのであれば、なおのこと相手の組織ややらかした本人とは無関係にセクハラ事案には立ち向かうべきじゃないでしょうか。
わたし個人としては、本当にセクハラをやった本人だけでなく、組織も責任をしっかりとるべきなのだ、という発想で行くのはそう反対ではありません。襟は正すべきだし、責任はしっかりとるべきだと感じます。だから、財務次官の福田淳一さんが本当に問題だとするならば、財務省は解体するべし、財務大臣の麻生太郎さんも辞任しろと主張するのは構わないと思うんですよ。
でもなぜ、山口達也氏が出てきたとき、ジャニーズ事務所は説明責任を果たせ、ジャニー社長も管理不行き届きだから釈明のひとつもしろ、という話にならないのか、不思議で不思議でなりません。 #MeToo 問題に積極的な英BBCももっと攻めるべきだし、おかしいなあと思いました。
山本 一郎
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