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8月 14, 2018
<財務省は10日、国債と借入金などの残高を合計した「国の借金」が6月末で1088兆9851億円になったと発表した。3月末から1兆1721億円増え、過去最高を更新した。7月1日時点の人口推計(1億2659万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約860万円になる。
国の借金は国債、借入金、政府短期証券の合計。このうち国債は962兆2655億円で、3兆1242億円増えた。低金利で資金調達できる環境を背景に長期国債の発行額が増加した。借入金や政府短期証券は減少した>(以上「時事通信」より引用)
未だにこんな世論操作をしているのかと驚く。財務省が「政府の借金」を「国の借金」と勝手に読み替えるのは自由だが、マスメディアが財務省発表のまま情報を垂れ流すのは国民世論を誤誘導するものでしかない。
断っておくが日本の純資産は2018年4月末で366兆円で世界で最大の債権国だ。つまり世界随一の金満大国だ。だから財務省が日本は借金大国で国民一人当たり860万円の借金をしている、というのは嘘だ。
ただ財務省が「国債発行残高」が財務省の「大福帳会計」では6月末で1088兆円を超えた、というのなら正しい。しかし、それは決して国民一人当たり860万円の借金ではない。
日本は世界でアフリカの数ヶ国しか採用していない「単式簿記」を江戸時代以来未だに採用し続けている稀な国だ。ほとんどの世界各国は会計原則に基づく複式簿記を公的会計に用いている。そして当然のように連結決算を行い、すべての公的会計を一枚のペーパーで網羅している。
なぜ日本は原始的な「単式簿記」を採用し続けているのか。それは国民を誤魔化すのに最適だからだ。国会で審議される一般会計が100兆円に満たないが、ブラックボックスと化している一般会計以外の特別会計は400兆円を超えている。
そして連結決算を行えば国の子会社に過ぎない日銀は連結され、日銀の保有する国債は政府発行の国債と相殺されてB/S上から消える。その他にも年金基金積立金や為替会計や諸々の基金や積立金が「赤字国債」と相殺されて消える。
つまり複式簿記を採用して連結決算を行えば日本政府は財務相が宣伝するような赤字だらけの末期的な会計状態ではない、ということが誰の目にも明らかになる。そうすると消費増税する大義名分がなくなるから、財務省は複式簿記にしないのだ。もちろん、ガラス張りにして各省庁が財布として持っている各種会計を「総記原則」により一纏めにされてはかなわない、という各省庁の思惑も単式簿記から複式簿記への移行を阻む原因になっている。たとえば厚労省は国民の知る年金会計以外に、労働保険(失業保険)の積立金も厚労省の財布になっている。
しかし財務省の発表をそのままタレ流す時事通信に「時事通信よお前もか」といわざるを得ない。来年実施予定の消費増税10%の下地作りにマスメディアを総動員して世論操作を行っている。
少しも景気が良くなっていないにも拘らず、いざなぎ景気以来の好景気などと大嘘をマスメディアに報道させ、ここに来て「国の借金は1088兆円」と煽り立てる。
残念ながら日本ではマスメディアの流す報道が必ずしも正しくない場合が往々にしてある。そして報道すべき事実を流さないで隠蔽する。日本のマスメディアは腐り切っている。マスメディアが流す報道を疑わなければならないとは、日本は随分と残念な国になってしまったようだ。
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