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全く別の2つの取材先が問題視… 加計学園問題はこうして暴かれた
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180808-00000035-sasahi-pol
AERA dot. 8/10(金) 16:00配信
加計学園問題をめぐり、朝日新聞が入手し、特報した一連の文書 (c)朝日新聞社
朝日新聞取材班が一連の疑惑の「中間報告」として、『権力の「背信」――「森友・加計学園問題」スクープの現場』(朝日新聞出版)を出版した。
加計学園の獣医学部新設をめぐって、政治・行政の手続きは公平・公正に行われたのか。朝日新聞東京社会部デスクとして一連の取材に携わってきた西山公隆(現・文化くらし報道部生活担当部長)が、その経緯を振り返るとともに、問題点を寄稿した。
* * *
「裏は完全に取れています」
2017年5月16日深夜、社会部記者の水澤健一は、取材先から社会部朝刊担当デスクの私にかけた電話でこう言った。
ある「スクープ」についてだった。「もはや、大都市部に届く最終版にしか記事が入らない時間だ。もう1日待てば、早版から最終版まで記事を載せることができ、全ての読者に同じ日の紙面でこのスクープを届けることができる」とも考えたが、水澤の一言で腹は決まった。何より、ニュースはきちんと裏が取れれば、一刻も早く報じるのが基本だ。
「わかった」。電話を切ると、東京編集センターデスクの石嶋俊郎に向かって、大声で怒鳴った。
「さっきの話、いきます」
記者が書いた記事に見出しを付け、紙面の形に組み上げていく責任者の石嶋には、原稿のことは前もって話してあった。予定稿を一読し、「これ、1面アタマやん」とつぶやいていた石嶋は、急きょ紙面を差し替えるべく、若い編集者に大声で指示を飛ばした。
こうして、プリンターからはき出された朝刊1面のゲラ刷りには、特に大きなニュースであることを示す「横カット」で、「新学部『総理の意向』」という見出しがつき、「加計学園計画 文科省に記録文書 内閣府、早期対応求める」と続いた。その後、永田町、霞が関を長らく揺るがし続けた学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる、最初の特ダネだった。
水澤とともに、この取材をしていた教育問題担当の編集委員・氏岡真弓は、ゲラを読みながら「あしたから騒ぎになるのでしょうね」とつぶやいた。
「ああ、間違いないですね」。私はそう返した。
加計学園報道の中心になった水澤と氏岡が、この問題を追いかけ始めたのは2017年に入ってすぐのころだった。文部科学省の違法な「天下り」問題を取材する中、氏岡が取材相手の1人から「獣医学部の新設問題で、首相官邸、政治家、大学側の関係がおかしいんですよ」という話を聞き込んできた。しかし、その時点で、私も氏岡も「どんな話なんでしょうね」という程度の認識だった。だが、偶然にも、水澤が安倍政権に近い立場にある別の取材先から、獣医学部新設が「あとあと、問題になるかもしれない」という話を耳にした。
まったく違う2人の取材先が、そろって獣医学部新設を問題視している……。獣医学部をめぐり、政・官・業をめぐる「何か」があるのかもしれない。本格的な取材が始まった。
この過程で、関係者への取材を通じ、加計学園が国家戦略特区の制度を使って愛媛県今治市に獣医学部を新設しようとしたことに対し、内閣府がさまざまな形で、大学設置を担当する文科省に強く働きかけていたという構図が浮かんできた。安倍晋三首相と学園理事長の加計孝太郎氏は「腹心の友」(首相)という関係にある。加計学園という一学校法人に首相官邸側が強い関心を示していたといった証言が多数得られた。
その一方で、官庁取材の経験がある氏岡や私は、学部新設に関係した官僚がこうした経緯を文書に記録として残しているはずだと考えていた。一つひとつの証言は詳細で、重く、具体的なものだったが、それらを裏付ける記録がないか、重ねて、関係者をしつこく訪ねて回る日が続いた。
そうするうち、決定的な文書がもたらされた。そのうちの1枚には、獣医学部新設について「総理のご意向と聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」という文言があった。加えて、この文書が本物なのかどうか、貸し会議室で、カラオケボックスで、秘密裏に関係者に当たりながら確認する取材を進めた。そして文書が間違いなく、文科省が作ったものだという確認が取れた。そして、冒頭のスクープの報道に踏み切ったのだった。
一連の報道は、水澤、氏岡の2人が「これは何かおかしいのではないか」と感じた心のひっかかりを大事にし、何より、独自の取材をあきらめずに続けたことで結実したといえる。
報道の直後、菅義偉官房長官は、朝日新聞が報じた一連の文書を「怪文書」と呼んだが、その後も取材を蓄積し、確認が取れた文書の存在や前川喜平・前文部科学事務次官の証言などを次々に報じた。前川氏は単独取材に対し、「文書はいずれも獣医学部新設について、担当の専門教育課の職員から、自分が説明を受けた際に示された」と証言した。菅長官はほどなく「怪文書」と言わなくなった。
このほか、獣医学部新設の手続きが進んでいた当時に事務次官だった前川氏は、首相補佐官から「首相は自分の口からは言えないから、自分が言う」と言われ、学部新設を進めるよう求められた、とも明らかにした。
獣医学部新設をめぐる文書が明らかになったのは、文科省だけではない。当時の柳瀬唯夫首相秘書官が、愛媛県や今治市、加計学園の関係者と面会し、その際に獣医学部新設についてアドバイスをしていた、という情報を入手した。取材班はさまざまな取材から、この情報がほぼ間違いないと確信したが、やはり、このときの記録が存在するはずだと、さらに数カ月かけて取材を続けた。
その結果、柳瀬氏が面会の中で、獣医学部新設について「本件は、首相案件」と述べていたなどという内容が記録された愛媛県の記録文書を入手。1面トップで報じた。直後、中村時広県知事も記者会見で、県職員が作成した備忘録だと認めたが、柳瀬氏は面会の中でこうした言葉を使ったことは否定した。
獣医学部新設に関して、首相官邸側が関与したのではないかとうかがわせる数々の文書や証言が明らかになった。安倍晋三首相や名前の上がった首相側近の官僚たちは、文書や証言の内容を強く否定する一方で、「記録がない」「記憶がない」という答弁を繰り返している。
この問題は、一学校法人の学部新設の是非だけにはとどまらない。私たちの取材は、党内に強力な対抗勢力がなく、野党も分裂する「1強」政権のもと、行政の透明性や公正性は確保されているのかを「加計問題」を通じて検証しようとしたものだ。一連の問題では、厳正に扱われるべき公文書が、極めてずさんに、恣意的に扱われている実態も明らかになった。獣医学部新設だけでなく、その背景にある構造的な問題まで含め、幅広く、深く、さまざまな角度から、今後も報じていきたい。(朝日新聞文化くらし報道部生活担当部長・西山公隆)
桃丸氏@eos1VRT@iwakamiyasumi @tim1134
— 宮澤 望 (@yuakira1) 2018年8月10日
朝日新聞取材班が一連の疑惑の「中間報告」として、『権力の「背信」――「森友・加計学園問題」スクープの現場』を出版した。
https://t.co/tbUG9eL5q7@tim1134 @iwakamiyasumi
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