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財務省の掌の上で転がされる安倍首相
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2018年8月 6日 植草一秀の『知られざる真実』
2012年12月の第2次安倍内閣発足以後の日本経済は低迷を続けている。
メディアが「アベノミクスは成功した」かのような報道を展開し続けてきたから、その情報操作に洗脳されてしまっている国民は少なくないが、実態としては低迷し続けている。
経済推移のパフォーマンスを測る第一の尺度は実質経済成長率である。
「もはや経済成長を追求する時代ではない」の声があるのは事実だが、そのような価値判断は横に置いて、経済全体が発展したのかどうかを測る尺度が実質経済成長率であることに異論はないだろう。
その実質経済成長という第一の尺度から第2次安倍内閣発足後の日本経済を評価すると、極めて悪い評点しかつけられない。
第2次安倍内閣発足後の経済政策を安倍内閣が自分で「アベノミクス」と命名したからこの表現を用いると、「アベノミクス」は悪い結果しかもたらしていない。
第2次安倍内閣発足後の実質GDP成長率平均値は+1.3%で、これは直前の民主党政権時代の実質GDP成長率平均値+1.8%を大幅に下回る。
民主党政権時代の日本経済も、東日本大震災やフクシマ原発事故などの影響で極めて低迷していた。
その低迷していた民主党政権時代よりも、第2次安倍内閣発足後の日本経済の方がはるかに悪いパフォーマンスを示している。
アベノミクスは日本経済発展という視点から見て、失敗していることは明らかだ。
他方、国民にとって最重要の経済指標は実質賃金の推移である。
厚生労働省が発表している統計に「現金給与総額」というものがある。
本給、時間外手当、ボーナスをすべて合わせたものだ。
従業員5人以上の企業全体の現金給与総額統計があり、これを物価上昇率で調節した実質賃金指数がある。
労働者1人当たりの現金給与総額を実質化した指数で、この推移で労働者の実入りの変化が分かる。
実質賃金指数は民主党政権時代には、ほぼ横ばいで推移したが、第2次安倍内閣が発足してから、約5%も減少した。
過去をさかのぼると、労働者の実質賃金は1996年をピークに20年以上も減少し続けてきている。
2015年を100とすると、1996年は115.8だった。
1996年から2015年までの19年間に、実質賃金指数は13.6%も減少してしまった。
生活が一向に改善しない、むしろ、苦しくなっているという生活者の実感は経済統計によって裏付けられる。
「アベノミクスで経済は良くなった」というのは、安倍内閣が流布している「風説」=「虚偽情報」に過ぎない。
この日本経済にとって極めて重大な経済政策が年内に決定される。
2019年の消費税増税問題である。
安倍内閣は2019年10月に消費税率を現在の8%から10%に引き上げる方針を示している。
これまで、2度にわたって延期してきた消費税率の引き上げだが、3度目の正直で2019年10月に、これを引き上げる方針が示されている。
消費税率引き上げが決定されれば、まず、株価が急落に転じることになるだろう。
連動して日本経済は景気後退に転落することになる。
個人消費は一段と冷え込む。
消費税増税は所得の少ない階層の消費支出を著しく抑制する効果を発揮する。
景気が後退し、株価が急落して、日本経済の暗転が誰の目にもはっきりと映し出される。
このタイミングで2019年夏に参院選が行われる。
消費税増税阻止を掲げる政治勢力が共闘すれば、この参院選に勝利することは間違いない。
安倍政治に終止符を打つ契機になるだろう。
この見通しを踏まえて、安倍内閣が3度目の消費税増税延期を打ち出すのかどうか。
現状での全体の流れは消費税増税強行に傾いているように見えるが、その背後には、転んでもただでは起きない財務省の深謀がある。
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