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マスコミ報道だけでは見誤る「文科省汚職事件」の深い闇 特捜捜査の裏に見える、もう一つの側面
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56790
2018.08.02 伊藤 博敏 ジャーナリスト 現代ビジネス
文部科学省のキャリア官僚が2人逮捕された文科省事件は、一方で「ネット時代の犯罪報道」を象徴、東京地検特捜部とマスメディアの司法記者が、検察の“落とし所”に向けて事件を作り上げるという構図に異議を突きつけるものとなっている。
そうさせているのは、事件の主役とされる谷口浩司被告(47歳)の妻と称する人物のブログである。
「谷口浩司を信じる妻の疑問」という副題がついており、7月24日、最初の事件である東京医大の裏口入学に絡み、佐野太前局長(59歳)の受託収賄罪を幇助したとして起訴された直後に立ち上がり、毎日のように更新。「政官業」の癒着は日常であり、「霞が関ブローカー」と“命名”された夫・谷口被告の行動は、その歯車のひとつとして機能しているに過ぎない、と訴えている。
事件はふたつに分れる。
ひとつは、東京医大前理事長の臼井正彦被告(77歳)を贈賄側、佐野、谷口の両被告を収賄側とする裏口入学事件。
もうひとつは、谷口容疑者を贈賄側、140万円相当の接待を受け、スポーツ庁幹部の紹介などの便宜を図った前国際統括官の川端和明容疑者(57歳)を収賄側とする接待汚職事件である。
これまでの事件報道なら、「贈」と「収」の高級クラブなどでの接待供応、車代を含む金銭授受、見返りの便宜供与などを特捜部が暴き、それをマスメディアが報道、「立件に価する犯罪者」であることを浮き彫りにして捜査は終結。後は公判に委ねられた。
「妻のブログ」は、そうさせない迫力に満ちている。特捜部が、起訴するに際し、切り捨てた政治家や官僚、業界関係者を登場させ、写真入りで実名報道。「この人たちを調べないのはなぜ?」と、責める。
返す刀で、谷口被告の無実を訴える。
〈2015年から2018年までの3年間、谷口は東京医科大学のために不正な仕事を続けたことになりますが、谷口個人、関連する会社、組織のいずれも東京医科大学やその関係者から1円のカネももらっていません。また、契約書や覚書等も作成されていません〉
銀座クラブ、ゴルフコンペ、ベビーカー……
では、谷口被告は何を目的に、政治家の勉強会やパーティーにマメに出席、文科省に限らず霞が関の官庁街に足繁く通って人脈を築き、連夜の宴席、高級クラブでの接待を重ねたのか。
「霞が関ブローカー」の生態に詳しい政界事情通が解説する。
「政治家と官僚と業界が、直接の人間関係を結び、頼み事をしたり飲食の場をセッティングしたりするのは、互いの立場もあって難しい場合が多い。そういう時、谷口被告のような存在は役に立つ。如才なく立ち回り、潤滑油、クッション材になる。なくてもいいが、いないと困る存在です」
確かに、ブログにアップされた数々の写真は、「マメさの証明」である。
銀座のクラブでのおふざけ写真や佐野被告らとのゴルフコンペ写真を掲載。家族ぐるみでつきあい、最近2年間の会食の回数は100回に及ぶという経産省キャリア官僚には、ベビーカーをプレゼントしたといい、元首相秘書だったという夫人と子供の写真もアップ(現在は削除)していた。
それが谷口被告の仕事である。
だから特捜部が、17年5月10日、臼井、佐野、谷口の3被告が都内で飲食、その際、臼井被告が私大ブランディング事業の対象校になるよう指導、その見返りに佐野被告が「息子をよろしく頼む」と、受け取れなくもない会話の音声データをもとに、「収賄ほう助」の罪に問うたのが許せない。
谷口被告は拘留されているが、「なぜこの録音で逮捕されるかがわからないし、政治家も交えたいろんな会合があったのに、なぜこの日だけなのか」と、訴えているという。
本当のワルはだれなのか
川端容疑者への接待供応もそうである。なぜ、川端容疑者だけなのか――。
谷口夫人は、7月31日、「特捜部が戸谷一夫文科事務次官ら局長級幹部を参考人聴取。谷口容疑者らから飲食接待を受けたことの説明を求めた」と、マスメディアがいっせいに報じたのを機に、15年11月、戸谷事務次官(当時は審議官)が野党代議士に向けた、「先週は、飛び入りのような形で、楽しい飲み会に参加させていただきありがとうございました」というメールをアップした。
この日のメンバーは、野党代議士を囲む会のような形で7人が参加。代議士、戸谷氏、谷口、川端両被告などで、うち6人が銀座高級クラブに流れて痛飲。支払いは、谷口被告がコンサルタントを務めていた通信会社社長が行ったという。
日体大出身で、接骨院を経営、スポーツトレーナーも務めていたという谷口被告が、最も熱心に取り組んでいたのが一般社団法人「スポーツコンプライアンス教育振興機構」の立ち上げだった。
名誉顧問に王貞治氏を迎え、身体教育科学の医師である武藤芳照東大名誉教授が代表理事を務めるが、谷口被告は理事として、政界、官界、産業界などから理事や顧問を、これまでに培った人脈を駆使して集め、17年4月に設立した。
そうした活動も含め、先読みと気配りで築き上げた「人脈ビジネス」が、特捜部の「文科官僚を逮捕したい」という思惑で切り取られ、事件にされたのが谷口被告は許せず、夫人がブログでその代弁をする。
事件に興味を持つ一般人も、事件を追う取材記者も、一方向に流れさせないブログには困惑させられ、「誰がワルなのか」の判断がつき難くなっている。
だが、ブログで発信されていることも事件の一断面であり、国民も記者も、ネットを含めたあふれる情報のなかから真実を拾う作業を求められている。
文科省汚職で逮捕者の“妻”がHP開設 国会議員の実名飛び交う衝撃度
http://news.livedoor.com/article/detail/15078865/
2018年7月28日 17時0分 東スポWeb
東京医科大学への裏口入学あっせんや宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務を巡る収賄などで、文部科学省の幹部が相次いで逮捕された汚職事件。文科省にとどまらず、他の省庁や永田町にも広がる気配の中、あるホームページが“ヤバ過ぎる”と永田町や霞が関で話題になっている。
私大支援事業を巡る受託収賄罪で前科学技術・学術政策局長の佐野太被告が24日起訴され、高額な飲食接待を受けた前国際統括官の川端和明容疑者が26日逮捕された。いずれも贈賄容疑で逮捕された元コンサルタント会社役員谷口浩司被告が関与したとみられるが、東京地検特捜部の調べに容疑を否認。すると谷口被告の妻を名乗る者がネット上でHPを開設し、反撃に出たのだ。
「谷口浩司を信じる妻の疑問」と題し、東京医科大の臼井正彦前理事長と佐野被告の間を仲介したのは谷口被告とされているが、実際は立憲民主党のA議員だと実名で告発。また容疑とされる飲食等の経費は谷口容疑者ではなく、B会社のC社長としている。
ほかにも国民民主党のD議員や自民党の複数議員の実名を挙げ、ツーショット写真なども掲載。人脈の広さを示したうえで、「主人が『霞が関ブローカー』扱いになってしまいました。長年政治家の秘書や政策顧問として活動してきており、けっして胡散臭いブローカーではない」と夫の身の潔白を訴えている。
永田町関係者は「いずれも名前が取りざたされていた国会議員で、迷惑がっている人もいるでしょう。ただ、誰かをおとしめようとの意図ではなく、純粋に夫の無実を信じているように見える。もっとも既に特捜部に逮捕・起訴され、世論に訴えようにも永田町や霞が関の独特の世界の話だけに厳しいのでは」と指摘する。HPは日々、更新されており、さらなる爆弾が投下される可能性もある。
谷口浩司を信じる妻の疑問
http://kojitaniguchi.com/
マスコミ報道だけでは見誤る「文科省汚職事件」の深い闇 https://t.co/uilf1RacL7
— モモのモモ (@oo33maiko) 2018年8月1日
特捜捜査の裏に見える、もう一つの側面
最近、文科省から文化財を自治体に移譲したし、旧科技庁系や高等教育を経産省に移管するという動きがあるからな。 / “マスコミ報道だけでは見誤る「文科省汚職事件」の深い闇 (伊藤 博敏) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)” https://t.co/gFtaQbwIzQ
— kenchan3 (@kenchan3) 2018年8月2日
マスコミ報道だけでは見誤る「文科省汚職事件」の深い闇 https://t.co/wmgrucka0r #現代ビジネス
— 甘味処 茶屋「たんご」(偽) (@kagaamatusima) 2018年8月2日
こういうのがテレビで報道されないのが現状を端的に示してる
霞ヶ関ブローカーじゃないけど、ロビー活動家みたいな人は身近にいるので、そういう人達が存在していることはよく分かる。
— RYUB (@RYUKKEB) 2018年8月2日
マスコミ報道だけでは見誤る「文科省汚職事件」の深い闇 https://t.co/QzuWtYymjZ #現代ビジネス
マスコミ報道だけでは見誤る「文科省汚職事件」の深い闇 https://t.co/lzJG8Tgg5F 谷口氏「妻ブログ」は、「東京地検特捜部とマスメディアの司法記者が、検察の“落とし所”に向けて事件を作り上げるという構図に異議を突きつけるものとなっている」
— くっくり@六四天安門事件 (@boyakuri) 2018年8月2日
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