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原発の「再稼働阻止」には小泉元首相の力が欠かせない 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/234208
2018年7月28日 日刊ゲンダイ
小泉元首相(左) 自由党の小沢共同代表と「脱原発」で意気投合(C)日刊ゲンダイ
日本の政治は今、権力者、とりわけ首相は何でもできるという空気がある。その風潮を作ったのが小泉元首相だ。それまでの自民党は幅広い主張を認める政党だった。しかし、小泉氏は、郵政民営化に反対する自民党議員を公認せず、その議員の選挙区に「刺客」の候補を送り込んだ。以降、日本の政治では、権力を持つ者が何をしても許される空気が蔓延し、今の安倍政権へとつながっている。こうした政治背景を生み出した小泉氏の責任は重い。
一方で、今の小泉氏は脱原発に力を注いでいる。朝日新聞は、小泉氏が「来夏の参院選では『原発ゼロ』が争点になるよう、野党共闘への期待感を表明した。自民党の首相経験者としては異例の主張だ」と報じた。
脱原発をめぐる小泉氏の主な発言は次の通りだ。
▽私が「原発ゼロ」と言った時に、直ちにゼロなんて無理だと言われたが、2013年9月から15年9月の2年間は、全くゼロだった。
▽(推進を求める勢力が)強いんだな。原子力産業の裾野は広い。原発1基造るだけで今、1兆円かかる。それにつながる企業がたくさんある。労組も押さえているから、野党もはっきり言えない。
日本は地震国であり、現在の原発は大規模地震には耐えられない。日本より事故の危険のはるかに少ないドイツは原発ゼロに踏み切った。ドイツは自然エネルギーへの新たな投資や、雇用機会の創造、費用面などを勘案して、脱原発が国益にかなうと考えたのである。
しかし、今の日本では、国全体の利益を考えるのではなく、自分たちの利益だけを優先する勢力が政財界のあちこちで目立っている。安倍政権も原発再稼働に向けて着々と動いている。国会で反対派が多数を占めない限り、国益に大きく反する原発の再稼働は進むだろう。原発利権を狙う勢力は、再稼働に反対する個々の力よりも圧倒的に強いため、再稼働の反対を主張する力の結集が不可欠だ。革新的な意見を持つ反原発の人々の声はなかなか自民党支持者の耳に届きにくいが、そこにこそ小泉氏が果たすべき役割がある。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
原発の「再稼働阻止」には小泉元首相の力が欠かせない https://t.co/4LCKE7aFXB #日刊ゲンダイDIGITAL
— 木津 繁 (@KizuShigeru) 2018年7月27日
記事の内容に一理はあるが、来夏参院選で、野党の中に“共産の一方的譲歩”を求める動きがある限り、野党共闘は成立しない。
原発の再稼働阻止には小泉元首相の力が欠かせない
— KK (@Trapelus) 2018年7月27日
原発利権を狙う勢力は、再稼働にに反対する個々の力よりも圧倒的に強いため、再稼働の反対を主張する力の結集が不可欠だ。革新的な意見を持つ反原発の人々の声はなかなか自民党支持者の耳に...
日本外交と政治の正体 孫崎享(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/VsbZEtKkQZ
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