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“こぶとりじいさん”さながらの安倍&石破の対決
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2018年07月27日 世相を斬る あいば達也
日本昔ばなしの“こぶとりじいさん”には幾つものバージョンがあるようだが、善良な爺さんと意地悪爺さんが出てくる点は同じようだ。無論、善良な爺さんがいい思いをして、意地悪爺さんが酷い目に遭うのだが、自民党総裁選の二人の対決は、そう云う結果にならないブラックな日本昔ばなしになりそうだ。日刊ゲンダイなどは、気を回し過ぎて、安倍4選も視野と不安げだ。
モンサント除草剤ランドアップ並みの強烈な毒で、安倍晋三の勢力は、自民党を根絶やしさせようとしているやに見える。岸田が消え、残るは石破のみの総裁候補。石破を、ボコボコにさえすれば、あとはお調子者の河野太郎。そして、口先三寸の小泉進次郎。それに続く政治家は皆無というお寒い状況だ。いわゆる敵なしと云うのが、安倍勢力の自民党勢力図の読みだろう。無論、まだ石破の善戦もあり得る状況だが、地方票の出方が読めない場合は、お調子者、偽ごまめの歯ぎしりを立候補させて、票の分断まで考えているらしい。
しかし、冷静に考えると、“安倍一強”はあらゆる面で盤石の強さかと思いきや、たかが自民党内の総裁選びで、ここまで小賢しい手段をとらないと当選できないのであれば、実は“安倍一強”ってのは幻想なのではないかと疑いたくなる。不思議な点は、ギリギリ当選した安倍が一強となり、石破が、一度は立候補を見合わせたくらいだから、安倍官邸の権力掌握が尋常ではなかったことを物語る。おそらく、安倍政権自体が、ギリギリ権力だと云う自覚が、現在に至るような異様な権力維持のツールを使い果たしていると云うことになる。
ゆえに、自民党総裁選が行われる寸前は、安倍官邸の機能不全があるわけで、ガラガラポンの無権力の空白が生まれる。この権力の空白空間を観察すれば、実は安倍晋三の権力は、彼が、官邸に籠る時点から生まれている権力であって、一政治家の実力ではないことが、明らかになる。逆に言えば、我々は、なにか幻想をみせられて、安倍晋三が絶対的権力者のように錯覚しているのかもしれない。仮に、今回の総裁選で敗れれば、山口出身の陣笠代議士に過ぎないと云う評価も可能だ。
正直、自民党の政治は、戦後の55年を、曲がりなりにも日本を先進国の仲間入りをさせるために尽力した政党であり、米国との距離感も、意図的に長尺に腐心していた。日米安保における集団的自衛権行使容認の有無が、その象徴でもあっただろう。しかし、安倍自民党政権が、集団的自衛権行使容認に舵を切った瞬間から、おそらく、自民党は今までの自民党ではなくなったと云うのが事実なのではないか。つまり、現在の自民党は、安倍野党であり、保守本流の自民党ではなくなったと見ることが出来る。
つまり、安倍自民党は、実は野党なのである。安倍ファシズム勢力に乗っ取られた政党であり、所謂、自民党ではないのだ。石破勢力以外は、その多くは引退し、自民党を実質去っているので、残っているのは、小選挙区制度で、党公認だけで当選してきた当選三回以下の議員の烏合集団で、安倍ファシズム党の党員なのである。こういう風に考えると、本来の自民党気質の議員らは、離党すべき絶対条件が揃いつつあると云う見方が可能だ。集団離党があっても不思議ではない条件が整った。
その時が問題だ。その集団離党が、単純な新党結成なのか、現野党も巻き込んだ政界再編なのかと云うことだ。出来る限り、後者の方がインパクトはある。安倍ファシズム党VS民主勢力(離党組・立憲民主・社民党・無所属)+選挙協力(共産党)という構図が考えられる。現在、水面下で、小沢一郎が国民民主の一部と立憲民主党、社民党の合流を画策している動きの先には、安倍ファシズム党からの離党組が視野に含まれているのかもしれない。そうなれば、我が国も、民主主義らしい視野のある政治が堅持できるのかもしれない。どうにかして、安倍ファシズム党を国民につまびらかにする政治行動が必須の時が来ている。
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