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『タネはどうなる?!』種子法廃止と種苗法運用改変
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2018年7月20日 植草一秀の『知られざる真実』
農林水産大臣を歴任し、オールジャパン平和と共生運営委員ならびに顧問を引き受けてくださっている弁護士の山田正彦氏が新著を出版された。
『タネはどうなる?!
−種子法廃止と種苗法運用で−』
(サイゾー出版)
https://amzn.to/2Lsr8nQ
帯には
「種子法廃止が意味するものとは?
自家採取ができなくなる?!
日本の食料の最大の危機をあきらかにする
元農水大臣・山田正彦渾身の一冊」
とある。
安倍内閣は主要農作物種子法を廃止し、種苗法の運用を大幅に変更している。
これらの施策は誰のためのものなのか。
そして、この施策はTPPといかなる関係を有しているのか。
最大の問題は、これらの重大問題が公の場でのオープンな議論なしに、闇の世界で検討、決定され、国会が単なる承認機関と化してしまっていることだ。
日本の国民に重大な影響を与える重大な施策が、国民の意識、認識のないなかで音速の勢いで推進されている。
支配しているのはハゲタカ=グローバル巨大資本である。
恐るべき現実=知られざる真実に私たちは気付かなければならない。
山田正彦氏はTPP阻止のために体を張って力を注がれてきた。
私的な経済的利得など皆無である問題に、全身全霊の力を注がれてきている。
その激務の合間を縫って、次から次に著作を執筆されて発刊されている。
その尽力に本当に頭が下がる。
安倍政治の下で、こうした国士然とした政治家は誠に稀有の存在になっている。
鳩山友紀夫元首相が私財を投入して東アジア共同体の創設、平和と共生=友愛社会の創設に心血を注がれている姿と重なる部分が多い。
国のLeaderには、このような方々になってもらいたいというのが圧倒的多数の市民の声だろう。
安倍政治には、「今だけカネだけ自分だけ」の「三だけ主義」の人間だけが集まり、最高幹部が国会において誠意ある対応をまったく示さず、ひたすら、スピーチライター・官僚が用意した原稿を読むだけのReaderと化している。
その用意された原稿すらルビが振ってなければ正しく読めないという、Readerにもなりきれない者が日本の行政機構のトップに居座っていることは、日本国民にとっての悲劇である。
しかし、その責任の一端が主権者である国民自身にあることも忘れてはならない。
主要農作物種子法廃止法案は2017年2月10日の閣議決定で突然国会に提出された。
政府は「種子法は戦後食糧増産のために、コメ、麦、大豆等主要な穀物の種子を種子法で安定して供給できるように制定された法律で、コメも消費が落ち込んで生産が過剰になった現在ではその役割は終えた」と説明したが、真っ赤なウソである。
政府は「国家戦略として農業の分野でも民間の活力を最大限活用しなければならない現代、民間による優秀な種子の利用を種子法が妨げているので廃止する」と説明しているが、行政としての役割をはき違えた主張である。
詳しくは『タネはどうなる?!』をご高読賜りたいが、国民にとって大切な食糧である米、麦、大豆などの主要農作物について、その種子を国が管理して農家が安価に安定的に種子を調達できるように、「公共財」として守ってきたのである。
ところが、ハゲタカ資本が、この種子をビジネスにしてきた。
ハゲタカ資本にとって、日本の種子法は邪魔な存在である。
国が管理して安価で優れた種子を安定供給したのでは、民間の種子ビジネスが成り立たない。
そこで、安倍内閣に命令して種子法を廃止させたのだ。
さらに、安倍内閣は「種苗法」の運用を根底から改変する方針を示している。
種苗法の第21条は、育種登録された種子でも自家採取して増殖することを認めており、同条第3項で例外規定として農水省が省令で定める品種については、この条文が適用されず、自家採取を禁ずるものとしている。
ところが、安倍内閣はこの規定を根底から覆す方針を示している。
自家採取を原則禁止する方向に転換し、法改定も視野に入れていることがすでに報じられている。
私たちの食糧の根源である「種子」がハゲタカ資本に完全支配されようとしている。
極めて重大問題であり、山田正彦氏の新著は日本の国民にとって必読の書である。
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