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被災者支援よりも博打法 会期末まで国民愚弄の安倍政権
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/233720
2018年7月20日 日刊ゲンダイ 文字起こし
2014年5月のシンガポールのカジノ視察(C)共同通信社
22日(日曜)に会期末を迎える通常国会が事実上、20日閉幕する。世論の7割が成立を望まないカジノ法案を、傲慢な自公両党はゴリ押し。野党の徹底抗戦もむなしく、数に勝る与党の採決強行で成立。安倍政権は最後まで、ぶれることなく民意無視の政治姿勢を貫いた。
182日に及ぶ今国会の審議はハッキリ言って憲政史上、最低最悪と評価せざるを得ない。その元凶は驚くべき身勝手、冷血政権の国会軽視と恥知らずな振る舞いだ。
安倍首相が「働き方改革国会」と名づけた今国会は「モリカケ」一色。「廃棄した」「なかった」と言い張っていた文書が相次いで見つかり、政権の嘘八百が白日の下にさらされたためだ。
朝日新聞が3月2日に財務省の森友文書改ざんをスクープ。財務省は決裁文書14件、約300カ所にも及ぶ改ざんを認めた。4月10日には同じく朝日が、愛媛県や今治市の職員と加計学園幹部が官邸を訪問した「2015年4月2日」の面会記録を報道。当時の柳瀬唯夫首相秘書官は昨年の参考人招致で、県・市職員と「記憶の限りではお会いしたことはない」と繰り返したが、県の保存記録には面会時、学園の獣医学部新設について「本件は首相案件」と語った発言録が残っていた。
さらに5月21日には、愛媛県が獣医学部新設の交渉記録を国会に提出。加計学園側の報告として、15年2月25日に加計孝太郎理事長との会食の場で、安倍が「新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたと記載されていた。
それまで安倍は獣医学部新設計画を知ったのは、「国家戦略特区諮問会議で学園が学部設置の事業者に決まった17年1月20日」と説明してきた。大きな矛盾が生じる記録発覚で、「さすがにオシマイ」と思いきや、ここから安倍は本領を発揮。異様なまでの身勝手、冷血、恥知らずをさらけ出したのだ。
嘘と居直り、論点ずらしのオンパレード |
勢いづく野党の追及に安倍が徹底したのは、周囲を次々と巻き込んでいく驚愕の開き直りだ。「いいね」のコメントは「伝聞の伝聞」の一点張りで否定。この居直りに呼応するように、愛媛県に報告した加計学園の事務局長も首相と理事長の会食は「嘘」と謝罪し、「その場の雰囲気で言ってしまった」と、あり得ない説明でシラを切り通した。
5月に再び参考人招致された柳瀬元秘書官も、「愛媛県や今治市の関係者が同席したかもしれない」「私は『首相』という言葉を使わない。違和感がある」とシラばっくれた。これだけ記憶は曖昧なのに、学園側と3回も面会しながら、「総理に報告も指示を受けたことも一切ない」とキッパリ言い切る不自然さ。
浮かび上がったのは、とにかく責任を他人になすりつける安倍と、自ら進んで泥をかぶり、その期待に応えようとする“腹心の友”の部下や高級官僚の異常な忠誠心だ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「森友文書改ざんでも、安倍政権はすべての罪を財務省の役人におっかぶせました。改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問では、自民党議員の質問に答える形で、わざわざ『首相や官邸、昭恵夫人からの指示はなかった』と言わせた。この政権は全責任を下位の者に押しつけ、末端の職員が自殺しても平気の平左。巨人のオーナーでさえ、選手の不祥事連発の責任を負って辞めたのに、誰も取るべき責任を取ろうとしない。今国会で安倍政権は、従来の常識が通用しない異常な政治状況を生み出したのです」
公文書改ざんは、国民の行政への信頼を失墜させ、議会制民主主義の根幹を揺るがす前代未聞の不祥事だ。それなのに、無責任政権はわずかに麻生財務相が170万円の閣僚給与12カ月分を返納したのみ。これっぽっちのカネは億万長者の麻生にとって痛くもかゆくもない。国民はつくづく、なめられている。
すべて部下に押しつけ(C)日刊ゲンダイ
■時間空費の「ご飯論法」をメディアは伝えず
わざわざ会期を延長し、採決を強行した「過労死法案」こと働き方改革関連法案も、嘘を嘘で塗り固めてきた。
法案に当初、対象拡大を盛り込むはずだった裁量労働制で働く人の労働時間を巡り、安倍は「一般労働者より短いというデータもある」と強弁したが、真っ赤な嘘。野党の指摘により、根拠となった厚労省のデータを不適切に使っていたことが判明し、安倍は答弁撤回に追い込まれた。
その後も、調査データの異常値が次々と発覚。加藤厚労相は「調査原票はなくなっている」と答弁したが、これも嘘だ。厚労省の地下から原票が見つかり、さすがに安倍は裁量労働制の拡大を法案から削除せざるを得なかった。
ここで本来なら、法案は白紙撤回、出直しがスジだが、安倍自身が「働き方改革国会」と命名した手前、審議を強行。批判噴出の高度プロフェッショナル制度の創設について、安倍は「労働者のニーズ」と国会でヌカしたが、またもや嘘だ。
ニーズ把握の厚労省ヒアリングの対象者はたったの12人で、うち9人は今国会開会後に慌てて聞いた数合わせ。ヒアリングをでっち上げた疑いすらあるのに、安倍は国民に一切、謝罪もせず過労死法案は成立。労働環境はメチャメチャに破壊されるのだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。
「これだけ国会で平然と嘘を並べる政権は世界でも珍しい。マトモな国なら総辞職に追い込まれてもおかしくありません。他にも都合の悪い質問をはぐらかし、野党に言いがかりをつける。安倍首相らの正面から答えず、論点をスリ替える答弁は『ご飯論法』や『信号無視話法』と命名されたほど。それでも政権が維持できるのは、時間空費のヒドイ答弁をメディアが伝えないからです。特にテレビはW杯以降、ドン・ファン事件や酷暑報道にかまけ、国会報道は皆無に近い。これでは政権を増長させ、嘘で逃げ切りを許す悪循環です」
メディアの国会報道も史上ワーストである。
■これ以上、おごり高ぶる首相を甘やかすな
最低最悪国会のオーラスを飾ったのが、西日本豪雨の被災地ソッチノケで、選挙制度を壟断する参院の定数6増の改悪公選法の強行成立と、揚げ句にカジノ法案の押し切りだ。
参院の定数を6議席も増やしたのは、3選を目指す安倍の露骨な総裁選対策。参院自民や定数増をまとめた竹下派に恩を売り、支持を取り付ける下心はミエミエだ。
カジノ法案を急いだ理由は、トランプ米大統領の命令に唯々諾々と従っただけ。訪日外国人を呼び込むなんて嘘はバレバレで、見込み客の8割は日本人。儲けの7割はトランプのスポンサー、カジノ企業「サンズ」のアデルソン会長の懐に入ることになる。
安倍は日本人から巻き上げた賭け金をトランプに献上するため、被災地に目もくれず、カジノに邁進。生活インフラ復旧に向けた補正予算を編成するそぶりすら見せない。カジノ利権にガムシャラになる前に、被災者救済が先決なのに、この政権に常識は全く通じない。被災者よりカジノ優先で、サッサと国会を閉じて涼しい顔とは恐るべきハレンチ政権だ。
「カジノも参院6増も、安倍首相の自己保身のたまもので、ひたすら我が身が大事。部下に責任を押しつけ、自殺に追い込んでも罪の意識を感じず、被災者の苦しみや嘆きも実感できない。恐ろしいほど国民の痛みに鈍感なのです。こんな政権を放置していたら、国民はより立場の弱い者から切り捨てられるのは、目に見えています」(五十嵐仁氏=前出)
この政権に殺されたくなければ、おごり高ぶり、国民の足元を見ている首相をもう甘やかしてはダメだ。徹底して「不支持」の意思を明確にしなければいけない。
安倍は日本人から巻き上げた賭け金をトランプに献上するため、被災地に目もくれず、カジノに邁進。被災者よりカジノ優先で、国会を閉じて涼しい顔とは恐るべき政権だ。国民はより立場の弱い者から切り捨てられる。
— アトン (@aton_blog) 2018年7月20日
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— tomstar 戦争反対!原発反対 (@tomstarharash) 2018年7月20日
これでも気づかぬ「馬鹿国民」何回でも「戦前」を繰り返せ。身から出た錆じゃねーか。
被災者よりカジノでさっさと国会開幕 驚くべき身勝手、冷血、恥知らず 何度も言うが、こんな政権を放置していたら、国民は弱者から切り捨てられて、殺されてしまうぞ 嘘と居直り、論点ずらしのオンパレード 時間空費の「ご飯論法」をメディアは伝えず(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/sVvTxFLY6k
— KK (@Trapelus) 2018年7月20日
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