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この掲示板では政治について多くの記事が投稿されていますが、そもそも日本に(国民に選ばれた代表者が法律を制定し予算を配分するという意味での)政治はかつて一度も存在したことがないし、今も存在しないことをご存知でしょうか?ブログ「独りファシズム」を運営する秋嶋亮(旧名・響堂雪乃)氏がそれについて詳しく語ったインタビューをお読み下さい。
編集者: しかし立憲民主党が野党第一党に躍進し、改憲問題を取り上げ、多少ではありますが、今の流れを変える動きも出てきているように思いますが。
秋嶋: 各党の国会質疑に目を通しましたが、日本の代表議会が両建構造(八百長の対立)にあることを証明するかのように全く差し障りのない内容です。安倍内閣の致命傷となる重大問題には全く触れておらず、むしろ与野党談合の下で(細心の注意を払いながら)それらの不可視化が図られた格好です。
編集者: 要するに「本当に議論しなくてはならない問題」が国政からゴッソリ削除されているということですね。具体的にはどのようなことでしょうか?
秋嶋: ざっと挙げてみれば、平和憲法を守り先軍体制を阻止すること、TPP批准を撤回し敵対的貿易(自国の産業が叩き潰される通商体制)から離脱すること、原発事故の被災者を救済し各種の補償に努めること、物流の制限と食品安全基準の強化によって二次被曝を防止すること、特別会計と独立行政法人(公務員の天下り制度)を廃止し財政破綻を防ぐこと、財政収支の黒字化が達成されない間は外国支援(ODAなどを通じたばら撒き)を停止すること、年金の過剰な株式運用を禁止し給付体制を従来どおりに維持すること、外資企業の特権税制を是正し医療と教育の財源を確保すること、正規雇用の義務付け(派遣の禁止)により内需を再生することです。
編集者: これはまさに与野党が談合して国民を欺いていると言ってもいい状態です。
秋嶋: かくも議会は度し難いイモビリズム(野党の衛星政党化により変化できない状態)に在るわけですね。これがまさにG・サルトーリの言う「非競合的政党制」の成れの果てですよ。
編集者: しかし野党は加計疑惑なども取り上げています。極一部ではあるにしても政党間の対立は存在しているのではないでしょうか?
秋嶋: それらは先に挙げた喫緊の問題群に比すれば全く些末なことですよ。要はそのようなポピュリズム的(大衆受けするような)質疑そのものが与党と連携したスピンだということです。改憲への抵抗も野党という立場的なポーズに過ぎず、結局は「数の論理によって押し切られた」という毎度の文脈に落ち着くだけのことでしょう。早い話、野党も改憲を阻止しようなんて本気では思っていないということです。
編集者: 秋嶋さんは先の著作でも「政治が無いこと」を主張されておられますが、それはこういう意味だったのですね。
秋嶋: 日本の議会は典型的なヘゲモニー政党制(形式的に野党は存在するが与党になることを永劫に許されない体制)ですよ。これはもう不文律と言っていい。だから野党なんて国会のコサージュ(花飾り)程度のものでしかありません。もっとも与党も似たようなものですが。これは政治過程論(どのような経緯で法律が決まるか考察する学識)から見れば議論の余地すらありません。その意味において総選挙などはAKB48の人気投票と大差のない国民行事です。
編集者: 国民は政治過程論なんて言葉があることすら知らないでしょうね。だから単純に法律が国会で作られると思っている。
秋嶋:繰り返しますが中央省庁が在日米軍と調整して法案を起草しているわけです。そしてそれを(自民党の)政務調査会に提出し、その後形式的に総務会を通過させた後、事務次官がとりまとめ閣議決定させるという流れです。だからこのような立法過程においては民意が反映される余地など皆無だと言っていいでしょう。国会議員の仕事とはあたかも自分たちが法案を起草したかのごとく振舞い、国会という劇場でそれを承認して花押(お飾りのハンコ)を添える程度のことです。
編集者: まるで清朝末期の紫禁城の光景のようです。全く実権のない皇帝が宦官を相手に宣布の式典を執り行っているという。
秋嶋: というか満州国議会みたいな感じですね。傀儡の溥儀が日本軍のもってきた法案にハンコを押しているようなものです。駐留軍に脅され、家族も人質にとられているわけですから、言われるままに法律を制定するしかありません。いずれにしろ、(国民の代表である)立法府が(役人の集団である)行政府より上位にあることは民主主義の大原則なのに、日本ではそれが完全に逆転していることを知らなくてはなりません。
編集者: 植民地ニホンにおいては議員よりも米軍の代行者である官吏の方がずっと権力者だということですね。
政治学者のK・ウォルフレンが日本の権力構造を分析し「官僚はあらゆる部門に命令できる」と語りましたが、おっしゃるとおり役人は在日米軍という「上位の権威の光背」を受けているわけですよ。しかし、もともと日本の議会は1890年に開設された当初より、天皇の決定に賛同する協賛機関に過ぎなかったのです。そして戦後もGHQの公職追放(戦犯と見なした者を政府や民間の要職から排除する政策)と同時に官僚機構が代表議会の上に置かれました。以来、官吏は植民地の中間支配者として国会を監督しているわけです。そう考えると、この国は明治政府より一貫して国会以外の機関が法律を制定する「委任立法」の体制にあると言えます。
編集者: 日米合同委員会には法務官僚が常時在籍し、検事総長など司法トップの人事もここで決定されると言います。
秋嶋: だとすれば戦後70年が経過した現在においても、ニホン国の法治体系は在日米軍の厳戒な統制下にあるということです。そして我々は自決権(自国の利益や発展を重視して法律を整備する権利)はおろか、最低限の政治(国民に選ばれた代表者が法律を定める制度)すら持たないということです。このような主張はある種の「背後仮説(実証性はあるものの公式には認められない論理)」なのでしょうね。しかし今や代表議会を超越した意思決定のヒエラルキーがあることは疑いようのない事実です。
出典: 「北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか - 国民は両建構造に騙されている - 」(白馬社)
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