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7月 12, 2018
<「非常に激しい雨が断続的に数日間降り続き、記録的な大雨となる恐れがある」。経緯を振り返ると、気象庁が異例の緊急会見を開いて豪雨への警戒を呼び掛けたのは5日の午後2時。これを受け、2週間余り前に最大震度6弱を観測した「大阪北部地震」の直撃を受けた京都、兵庫では、大雨による土砂災害を懸念して計約16万人に避難勧告が出された。
さらに気象庁は翌6~7日に「数十年に一度レベルの非常事態」として、大雨特別警報を発令したのだが、安倍首相が関係閣僚会議を開いたのは、メディアで<中国地方で多数の行方不明者が出ている>などと報じられ始めた7日午前。政府が「非常災害対策本部」を設置したのは、気象庁の緊急会見から60時間以上も経った8日だ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
そして、赤坂自民亭で宴会が開かれていたのは5日の夜だ。時系列で分かり易いように上記引用記事と突合して頂きたい。5日の午後2時には気象庁が異例の緊急会見を開いて「豪雨災害への警戒」を呼び掛けていた。
その夜に安倍首相をはじめ小野寺防衛大臣や広島出身の岸田氏や西村官房危機管理担当副長官などが酒を酌み交わしていたわけだ。そして6~7日と豪雨が西日本の広範囲に降り注ぎ、各地で甚大な被害をもたらしマスメディアが報道し始めた7日の午前になって、政府はやっと「非常災害対策本部」を設置したのだ。
これほどスローな「非常」災害対策本部の立ち上げがかつてあっただろうか。なぜ気象庁が異例の緊急会見を開いた夜の宴会を中止にしなかったのだろうか。東京には雨が降っていなかったから、安倍首相をはじめ「緊急事態」に対応すべき防衛大臣も能天気に宴会をしていたというのでは話にならない。
北朝鮮のミサイルに関しては発射情報だけで早朝派手にテレビジャックしてJアラートを一時間も鳴らし続けたというのに、少なくとも北朝鮮のミサイルによる日本本土攻撃の確率よりも、気象庁の豪雨災害に関する方が遥かに確率が高いはずだが、安倍氏とその仲間は無視したというのだろう。
つまり米国のポンコツ兵器爆買いや「国難突破」の選挙に大勝するためには北朝鮮の脅威は必要だが、安倍首相三選には災害対策よりも自民党議員と宴会を開く方が有効だと考えたのだろう。安倍晋三という人物の判断基準によって5日夜の「自民亭」は開かれたのは間違いない。
それに対して、立川談志の弟子の立川某という噺家は昼のワイドショーで安倍氏たちが宴会を開いて何が悪い、と擁護して見せたそうだ。その番組に同席していたレギュラーの八代某という弁護士までも「安倍氏が宴会に出席しても法的にとやかく言われる筋合いではない」などとのたまったそうだ。馬鹿も休み休み言えというしかない。
イージスアショアを配備するのは北朝鮮が日本へ向けてミサイル攻撃をする、という万に一つもない可能性に備えてのことだ。万が一北朝鮮が日本へ向けてミサイルを発射した場合、試射実験で迎撃率30%しかないというから、予告なしの実戦ではまず迎撃は望めないポンコツ兵器を日本に二ヶ所配備するという。
それに引き換え、気象庁が異例の緊急会見を開いて「豪雨災害への警戒」を呼び掛けた、というのは豪雨災害が起きる可能性がまず100%だと想定すべき事態だ。2014年8月の広島安佐南区の土砂災害時を上回る異常豪雨が予測されていたのだから。
立川某や八代某といったコメンテータは何のために雁首を並べているのか。噺家や弁護士として食い詰めたからテレビに出て下らないコメントを言っているわけではないだろう。それぞれの見識を生かしたコメントを述べるために出演しているのだろう。それとも彼らも安倍氏の寿司友になりたいのだろうか。
噺家が権力者におもねては話にならない。弁護士が検事役に回っても話にならない。噺家は人情噺が基本だし、弁護士は社会的弱者を弁護するのが本筋ではないか。
安倍氏とその仲間たちは7月5日夜半の宴会一つで潔く政界から身を退くべきだ。それが「人」としてのケジメの付け方だ。
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