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私たちの生活に直結する経済政策を正しく知る
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2018年7月 9日 植草一秀の『知られざる真実』
7月6日の金曜日に、生活協同組合パルシステム東京の「六か所から地球を考える委員会」が主催する学習会
「〜未来のために〜Part2」
https://bit.ly/2KZRXzm
に講師として参加させていただいた。
私たちの暮らしに大きな影響を与える経済政策。
経済政策に焦点を当てて、現在の経済政策の本質がどこにあるのかを明らかにし、今後の経済政策についての新しい考え方を紹介させていただいた。
講演会は午前10時から午後1時までの3時間に及び、その後、パルシステムの主催者スタッフのみなさんと昼食をともにさせていただいた。
この講演会では小さな子供を持つ母親も参加できるように保育の対応も採られていた。
生協や各地域での草の根での学習会、講演会が地道に催されることは、とても意義深いことだと思う。
講演会後半では参加者から提出された質問に対して回答もさせていただいた。
主権者である市民が正しい判断を下すためには、正しい情報、正しい知識が必要である。
しかしながら、正しい情報、真実の情報が市民に十分に伝えられていない。
極めて深刻な問題である。
現在日本では、安倍内閣の下で明確な政策が遂行されている。
憲法解釈を変えて、日本は「戦争をしない国」から「戦争をする国」に改変されている。
福島の深刻な原発事故が発生し、いまだにその重大な影響が広がったままであるが、安倍内閣は日本全国で原発再稼働を積極的に推進している。
経済政策での大きな特徴は、「小さな政府」、「規制撤廃」、「民営化・特区創設」、「市場原理主義」が基軸に置かれていることである。
市場原理にすべてを委ねると、必然的に格差は拡大する。
「小さな政府」は社会保障を小さくするという政策である。
極めて少数の超富裕な人々と、圧倒的多数の所得の極めて少ない階層とに、日本社会が二分されつつある。
こうした政策運営に賛成する人もいるが、反対する人もいる。
大事なことは現実を正確に把握して、その上で自分自身の判断を持つことである。
安倍内閣の経済政策は通称「アベノミクス」と呼ばれているが、アベノミクスに対する正しい認識、正しい知識が浸透していない。
その大きな原因としてメディアの偏りがある。
メディアが、あたかもアベノミクスがうまくいっているかのように伝えるために、その評価を鵜呑みにしてしまう人が多い。
安倍首相は、有効求人倍率が上昇した、雇用が増えた、大企業の利益が増えた、株価が上がった、日本を訪問する外国人が増えた、などを列挙して、アベノミクスは上手くいっているとアピールする。
安倍首相が繰り返す、これらのことがらはすべて事実である。間違ってはいない。
しかし、これだけではアベノミクスがうまくいっていることの証明にはならない。
安倍首相は日本経済の多数の指標のなかの、良いものだけを選りすぐって強調しているのである。
問題はマスメディアが、この安倍首相の宣伝をそのまま流布していることなのだ。
情報が偏っている。そのために、市民は経済政策全体を正しく評価できないのだ。
一言で表現すると、枝葉においてプラスの評価を受け得る部分があるのは事実だが、日本経済の根幹においてアベノミクスには落第点しかつけられない。
この全体評価が何よりも大事である。
併せて、
第254回UIチャンネル放送
「鳩山友紀夫氏×植草一秀氏」
https://www.youtube.com/watch?v=pRMOTkBhU8w
をぜひご高覧賜りたい。
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