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釈迦の手のひら 民主主義は英米の世界管理の枠組み
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2018年07月08日 世相を斬る あいば達也
50年に一度の規模の豪雨災害が起き、死者・行方不明者が100人規模の大災害が起きている西日本豪雨の中、安倍を含む自民党議員は宴会でおだを上げていた。その中には、オウム真理教の麻原彰晃を含む7人の死刑執行を命じた上川陽子法務大臣も含まれていた。国民は、このような奇形な政治集団の無神経さに、何も感じないのか、とても不思議だ。たしかに、豪雨が自民党の責任ではないだろうが、安倍政権が掲げていた「国土強靭化」のお題目を忘れたのだろうか。カルト集団の殺人犯は、憎むべき犯罪だったのだろうが、その死刑執行の夜に、宴会でおだを上げる神経は並みのものではない。
悪魔の上をゆく狂気の宴会なのだが、豪雨災害ニュースの喧騒に打ち消されたようだ。そういえば、「国土強靭化計画」という掛け声の公共工事は、どこに金を注ぎ込んだのだろう。国土強靭化とは、どのような災害が発生しても、被害を最小限に抑え、迅速に復旧・復興できる、強さとしなやかさを備えた国土・地域・経済社会を構築すること。第二次安倍内閣の主要政策の一つである。日本列島、自然災害は起きる前提で、上手に法案は出来ているようだが、被害を最小限度には抽象的で、1000人死んでも、最小限度であり、本来なら1万人死ぬところであったと、今の安倍政権なら言いそうだ。
おそらく決壊した堤防などのコンクリートの経年劣化など、多くの課題が積み残されたままで、都会一極集中のあおりで、地方は「国家強靭化計画」から見逃されているのだろう。トンネル事故以降、高度経済成長期等々に完成した国土のインフラ修理が喫緊の課題と言われたが、都会のインフラへの一極集中で、地方は見放された「国家強靭化計画」のあおりを食った災害といっことが言えそうだ。そんな最中に行われた自民党宴会は、批難に値する。
筆者は最近、欧米社会における民主主義の政治体制とは、英米という第二次大戦の実質的勝利者による国際的枠組み、それを容認した国家に与えられた、“ママゴト”の政治的ショーだと思うようになってきている。つまり、欧米の民主主義とは、釈迦の手の平とも言える英米の手のひらで、我が国は踊りますと約束した国に与えられる“ママゴト政治ショー”だと云うことだ。そのように考えると、釈迦の手の平で踊っている日本の民主主義は“ママゴト政治ショー”なのだから、仏の手の平から逸脱すると云うイデオロギーを持たない限り、どのような政党が政権についても、どのような内閣総理大臣が就任しようと、五十歩百歩なのではないかと云うことだ。
戦後70年以上を経た現在、この問題は回答が出ている問題であり、もういまさら、議論する必要もないという空気が、我が国を覆っているのではないかと思うに至っている。つまり、日本の場合だと、アメリカの支配から逃れることは政治的に死を意味し、日本で“ママゴト政治ショー”をしたければ、先ずは、仏の手の平に乗る資格を得なければならないと云うことだ。そう云う意味では、政治的無関心層の増加は、極めて健全な解であり、批難には値しないのだろう。
この論法の延長線上で考えれば、投票率の低下も、これもまた健全である。ただ、無関心や無気力が蔓延すると、安倍内閣のような、国民を愚弄しても、私利私欲に走るような政権を許すことになるのは考えものだ。国際的に、英米の手のひらに異変が起きていることに気づかないことは、国民的に悲劇だ。英米の手のひらが重い病で震えているというのに、その手の平に縋るだけの政治的態勢は問題だろう。国民がそれに気づかないのであれば、それを、国民に訴えるのが政治の役目であり、学者ら識者の務めだろう。
しかし、残念ながら、日本の政党で対米追随に警鐘を鳴らしているのは日本共産党くらいのもので、他の政党から、対米追随への問題指摘は、多くは語られない。無論、現状で、そのようなイデオロギーを披歴してしまえば、“ママゴト政治ショー”の時点でアウトになるので、本音を隠して“ママゴト政治ショー”を勝ち抜く必要がある。まして、米軍に軍事基地を抵抗して我が国の政治は、驚くほど狭いレンジで、喧々諤々せざるを得ないのだから、情けない。
しかし、他力本願で切ない気持ちになるにしても、中露北朝鮮の奮闘や、EU各国やカナダ、メキシコなどの政治体制の大きな変化など観察すると、近い将来、世界の潮流が、英米の手のひら(英米主義)から、異なる価値観に移行している現実は、否応なくみることになるだろう。我が国では、英米主義で現在のポジションを得てきた人が中心の世の中なので、そのような動きを見せないように努力しているが、いつまでも隠し通せるチャチナ問題ではない。
このような観点に立つと、安倍首相が三選されても、安倍の宴は『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。 遠くの異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱忌、唐の禄山、これらは皆、旧主先皇の政にも従はず、楽しみを極め、諫めをも思ひ入れず、天下の乱れんことを悟らずして、民間の愁ふるところを知らざつしかば、久しからずして、亡じにし者どもなり……』に等しいと云うことだ。
まぁ、出来るだけ、多くは失わず、多くを傷つけず、3年以内くらいに退陣して貰えば良いのではないのか。そんな風に思うこともある今日この頃だが、それは許し難いと思う人達もいるだろう。しかし、民主主義とは、英米体制の配下になるための登竜門と考えれば、米国が死に物狂いで、民主主義を御旗に、他国に干渉する姿も納得出来る。そのように考えると、デモクラシーを信じていても良いのだろうかとふと考える。
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