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北朝鮮危機、W杯、次は五輪 危ない政権下のナショナリズム
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232461
2018年7月2日 日刊ゲンダイ 文字お越し
安倍首相(C)共同通信社
ワールドカップ「日本―ベルギー戦」が、今夜(日本時間3日午前3時)行われる。
始まる前から、メディアは大ハシャギだ。民放各局は、朝からサッカー一色である。しかも、「日本いける!」「チャンスはある」と勇ましい論調ばかりだ。戦力を冷静に分析する番組は、ほとんどない。
もちろん、日本が決勝トーナメントに進出したことは結構なことだ。日本人が日本チームを応援するのも自然のことだろう。しかし、突然、にわかサッカーファンが街にあふれ、メディアのニュースがサッカー一色になるのは異様なことだ。
戦前もそうだったが、この国はすぐに一色に染まってしまう。日本人は1億人もいるのだから、中には「俺はサッカーより野球だ」「渋谷のスクランブル交差点でバカ騒ぎしているサッカーファンは胸クソ悪い」と不愉快に思っている国民がいてもおかしくないのに、なんだか日本全体で応援するのが当たり前のような空気になっている。もし、芸能人が「日本は弱いから負けるのが当たり前だ」などと発言したら、猛バッシングを受けるのではないか。
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督が、「同調圧力の強い国の中で、多様性の大事さを訴えていくのはすごく難しい」とヤフーのインタビューで口にしていたが、まさにその通りだ。
「日本社会の特徴は、無意識に“同調圧力”をかけていることです。たとえば、テレビの司会者は、当然のように『皆さんサッカーの応援で寝不足でしょう』などと発言してしまう。日本チームを応援していることを前提にしている。視聴者も、司会者の言葉に疑問を持たず、応援することは当たり前だと刷り込まれてしまう。そうやって、一色になっているのが日本です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
■自分と違う意見は許さない社会
もともと一色に染まりやすい日本だが、深刻なのは、同じ色に染まらない「異論」を許さない空気が強まっていることだ。しかも、ナショナリズムと結びつき始めている。
是枝監督がパルムドールを受賞した「万引き家族」に対しても、ネトウヨは「文化庁の補助金をもらいながら日本の恥部を描く反日映画を作った」などと執拗に攻撃している。
「万引き家族」は、非正規労働、賃金格差、児童虐待、家出女学生の性風俗産業、年金不正受給、住民票のない児童の未就学といった日本社会の歪みを描いている。どれもこれも、紛れもなく、平成ニッポンの現状である。
なのに、日本を「美しい国」だと信じて疑わないネトウヨは、「日本人は勤勉で正直で礼儀正しいです」などと、「万引き家族」が映す日本を認めようとしない。「勤勉で正直で礼儀正しい」のが日本人なら、「万引き家族」が描いている社会も、目の前に存在する日本社会である。しかし、ネトウヨにとって、日本社会は1つなのだろう。
「是枝監督は、かつて映画が“国益”や“国家”と一体化し、大きな不幸を招いたとして『公権力とは潔く距離を保つ』と、政府から直接、祝意を受けることを辞退しています。まったくまっとうな意見です。でも、国家を第一に考えるネトウヨは、許せないのでしょう。本当は、多様な意見、さまざまな考えがある方が、社会は健全だし強いのに、彼らは理解できないのでしょうね。心配なのは、ネトウヨだけでなく、日本社会全体に自分と違う意見を受けつけない空気が強まっていることです。SNSが発達し、自分と同じ意見ばかり目にするようになっている影響もあるでしょう」(五十嵐仁氏=前出)
SNSでは「日本ガンバレ」「日本も優勝候補だ」といった書き込みが飛び交っている。
金正恩(C)ロイター
子どもたちを「愛国心教育」で洗脳 |
ちょっと、この国はヤバイことになり始めているのではないか。
ただでさえ、日本は一色に染まりやすいのに、安倍政権が異論排除とナショナリズムを煽っているからだ。
この春からは、小学校で「道徳」が教科化され、道徳心や愛国心に成績がつけられるようになった。テキストには「国と郷土を愛する」というフレーズが並んでいる。中学校は来年2019年度からスタートする。安倍政権は、まだ頭の柔らかい小中学生に対して徹底的に愛国心教育をするつもりだ。
信じられないのは、ある教科書は「おはようございます」という挨拶の仕方にまで、なにが正しいのか正解を求めていることだ。いずれ子どもたちは全員、同じ挨拶をするようになるだろう。
本来、教育は個人の尊厳や精神の自由を教え、一人一人の個性を伸ばすものだ。なのに安倍政権は、子どもたちに「愛国心」を植えつけ、集団の一員、国家の一員になることを求めているのだからどうかしている。
すでに自民党は多様性を失い、安倍サマ一色になっている。安倍首相は、日本も1つの色に染めるつもりだ。
「右翼にしろ左翼にしろ、全体主義の怖さは、個人の考えが許されないことです。個人の考えを貫くには、大きな覚悟が必要になる。非常に生きづらい社会です。安倍政権がやろうとしていることは、この国から多様性を排除し、戦前のような全体主義国家にすることでしょう。驚いたのは、つい先日、自民党の二階幹事長が『この頃、子どもを産まない方が幸せじゃないかという勝手なことを考えている人がいる』と言い放ったことです。言うまでもなく、結婚も出産も個人の自由です。でも、安倍自民党の価値観は、あくまで女は子どもを産むものであり、国民全体をその価値観に染めたいのでしょう」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
■2020年がこの国の分かれ目
今頃、安倍は、日本国中がワールドカップに熱狂し、必死になって日本チームを応援している姿を見て、ほくそ笑んでいるに違いない。国民が1つに団結し、ナショナリズムが高まることほど、支配者にとって好都合なことはないからだ。
ちょうど1年前は、北朝鮮の危機を訴えて、ナショナリズムを煽っていた。
この先、安倍が2020年の東京五輪を利用してくるのは間違いない。安倍は、2020年を総仕上げの年にするつもりだ。
「安倍首相は『2020年に改憲を実施する』と宣言しています。今後『東京五輪が開かれる2020年を、新しい国のスタートにしたい』と訴えてくるはずです。本来、オリンピックと改憲は、まったく関係がありません。でも、国民に対して『オリンピックと一緒に日本は羽ばたくべきだ』などと、情緒に訴えかけてくるでしょう。当然、マスコミも味方につけて、総動員してくる。問題は、その時、日本国民が大きなうねりに流されないかどうかです」(金子勝氏=前出)
この5年間で、日本国内のナショナリズムは、間違いなく強まっている。韓国や中国をバカにした本が書店に並び、少しでも日本の欠点に触れると、「反日だ」「売国奴だ」と批判が噴出する。パルムドールを受賞した映画さえ「日本の恥部を描く反日映画」などと攻撃されるのだから末期的だ。ワールドカップは、ただでさえナショナリズムを刺激する。国民は、サッカーはサッカーと、冷静になった方がいい。
北朝鮮危機、W杯、次は五輪 危ない政権下のナショナリズム https://t.co/JbKzxim43I #日刊ゲンダイDIGITAL
— Hosokoshi(fu-dao-le) (@SIANDLS) 2018年7月2日
1年前は北朝鮮 今W杯、次は五輪 アブナい政権下のナショナリズム 決勝トーナメントに行った瞬間、にわかサッカーファンが溢れ、ボロクソだった監督、選手が英雄になり、もうあらゆる批判が許されなくなる異様な国 自分と違う意見は許さない社会 子どもたちを「愛国心教育」で洗脳(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/T3LknEfrzM
— KK (@Trapelus) 2018年7月2日
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