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イラン原油禁止要求を毅然として拒否せよと書いた毎日の正論
http://kenpo9.com/archives/3948
2018-06-29 天木直人のブログ
米国が、イラン原油の輸入禁止を日本に求めてきたことが判明して以来、日本政府もメディアも、ただうろたえるだけだ。
どうしたらその要求をかわすか、日本の事情を説明して、日本だけは「おめこぼし」してもらわなければいけない、といった事ばかりだ。
そうではない。
こんな一方な要求は毅然として拒否すべきなのだ。
毅然と拒否できるこれだけの理由がある。
そもそも、今度の米国の対イラン制裁強化は国際合意違反である。
米国を含めた欧米首脳国は、難交渉の末に2015年にイランと核合意した。
つまりイランの核開発の制限と引き換えにそれまでの制裁を解除をしたのだ。
イランはその合意を順守してきた。
そのことは核開発を監視するIAEAも認めている。
だからこそ、欧州はこぞって米国の一方的な合意破りに反対しているのだ。
これはオバマのやったことをすべて否定しようとするトランプの暴挙だ。
しかもトランプは、歴代の大統領すらためらった米大使館のエルサレム移転を強行したほどのあからさまなイスラエル寄り政策を取っている。
つまり、今度の米国の一方的なイラン合意からの離脱と対イラン制裁強化は、米国の横暴であり中東を不安定にする間違った政策なのだ。
それだけでも拒否すべき十分な理由がある。
その上に、原油価格の値上げにつながり国民生活を苦しめる。
しかも今度の米国の対イラン制裁強化は、日本政府に対してだけではなく、民間企業まで対象にしている。
つまり、イラン原油の取引がある金融機関を米国の市場から締め出そうとしている。
日本国民は怒らなければいけない。
そして、当然ながらイランは、日本国民以上に強く反発する。
そもそもイランが2015年の合意に応じたのは、経済制裁による困窮だった。
今度の制裁強化はイランを更なる経済困窮に追いやることになる。
合意を守っているのに、再び一方的に経済制裁を強化され,生活を苦しめられる。
イランの反米、反イスラエル感情は高まり、中東情勢に悪影響を及ぼすのは必至だ。
こう考えていくと、誰が見ても米国のイラン原油禁輸要求は不当であり、日本は毅然として拒否しなければいけないことがわかる。
実は、ここまで書いて来た事は、きょう6月29日の毎日新聞が、「米国のイラン原油禁輸要求 日本は毅然として拒否を」という見出しで掲げた社説の要旨である。
この毎日新聞の社説は正論であり、イラン原油禁酒要求が報じられて以降、はじめてメディアで目にした気骨ある主張である。
この正論がメディアで広がらなければいけない。
政治の中からもこのような正論が出て来なくてはいけないのである(了)
社説 米国のイラン原油禁輸要求 日本は毅然として拒否を
https://mainichi.jp/articles/20180629/ddm/005/070/033000c
毎日新聞 2018年6月29日
イラン核合意から5月に離脱したトランプ米政権が、イランへの制裁の一環として、日本を含む各国にイラン産原油の輸入を完全に停止するよう求めている。
イランの収入源を遮断し、より厳しい核合意を実現するための圧力とする狙いがあるようだ。
制裁が適用されれば、イラン原油の取引がある金融機関が米国の金融市場から締め出される恐れがある。日本の金融機関も例外ではない。
核合意は今もイランと英仏独中露の合意参加国で維持されている。米国が金融市場での絶大な影響力をテコに力ずくで合意を崩壊させようとしているなら、横暴に過ぎる。
イラン原油の禁輸制裁はオバマ前政権が2012年に発動した。欧州連合(EU)も独自に制裁した。
厳しい制裁にもかかわらず国際社会が足並みをそろえたのは、核開発の疑念がそれだけ強かったためだ。
日本など多くの国がイラン原油の輸入を減らし、その結果、経済的に困窮したイランが交渉に応じて3年前の核合意に至った。
しかし、今回の禁輸要求は関係国の理解と支持を得られていない。そもそも問題は核合意を離脱したトランプ政権の決定にある。
イランが核開発を制限する見返りに各国が制裁を解除するのが合意の柱で、国際機関は関係国が順守していることを認めてきた。
ところが、トランプ政権は合意の不備を理由に日欧などの反対を押し切って離脱し、制裁の再発動を表明した。理屈を欠く制裁への国際社会の理解が低いのは、当然だろう。
トランプ政権は11月に制裁を発動する方針だ。例外は認めないという。イランに原油調達の5・5%を依存する日本への影響は大きい。
もとより、国際的な取り決めを一方的に破り、民間企業を人質に他国のエネルギー政策に干渉することなどあってはならないことだ。
だが、日本の態度は定まらない。核合意を支持しながら、破棄したトランプ政権に理解を示し、禁輸要求を批判せず回避策を探っている。
米国の顔色をうかがうばかりに、筋の通らぬ振る舞いを見過ごしていいはずがない。安倍晋三首相は毅然(きぜん)として禁輸要求を拒否し、制裁発動の再考を求めるべきだ。
毎日新聞社説に載った。「米国のイラン原油禁輸要求に日本は毅然として拒否を」⇒まったく、その通り。それなのに日本政府は「対応に苦慮」と言ってる。自主性が全くない。ここでも100%米国と共にあるか?これでは世界で相手にされない!
— hiromu (@hdemu) 2018年6月28日
アベちゃんには無理だろう!!!いつものように米国に追随するのでは......。情けないアベ、情けない日本.....。
— 琵琶湖のニゴロブナ (@maro2h) 2018年6月28日
社説:米国のイラン原油禁輸要求 日本は毅然として拒否を - 毎日新聞 https://t.co/tcUJENbjmA
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