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「トランプは合理的、バカと切り捨てられない」『国体論』著者・白井聡インタビュー(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/18/senkyo246/msg/848.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 6 月 27 日 00:28:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 



「トランプは合理的、バカと切り捨てられない」『国体論』著者・白井聡インタビュー
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10473.php
2018年6月26日(火)16時40分 深田政彦(本誌記者) ニューズウィーク


戦後の日本はアメリカへの恭順の意を示すことで経済繁栄を謳歌してきた PUBLIC DOMAIN


<敗戦を境に天皇を頂点とする日本の統治体制「国体」は、アメリカへの従属にとって代わられた――注目の新書『国体論』の著者が語る戦後日本の矛盾>

アメリカと米同盟諸国との対立が目立ってきている。6月のG7ではその対立が際立っていた。一方、日本は、6月12日の米朝首脳会談で非核化費用の負担ばかり求められ、北朝鮮をめぐる外交において「蚊帳の外」かと騒がれた。

そんななか、『国体論――菊と星条旗』(集英社新書)が注目を集めている。1945 年の敗戦を境に、天皇(菊)を頂点とする日本の統治体制であった「国体」が、アメリカ(星条旗)への従属にとって代わられた、と歴史的に分析。この特殊な従属体制から脱却しなければ、日本は敗戦に続く二度目の破綻に向かうと警告する。著者・白井聡に本誌編集部・深田政彦が話を聞いた。

               ***

――ドナルド・トランプ大統領は従来の米政権とは異質だ。その点で、戦後史の考察から日米関係を論じた本書の視点は通用しにくいのではないか。

いや、米大統領が誰になろうとも、日本の側は何にも変わらないということが、この間証明された。大統領がどんな人であろうが、何を言おうが、安倍晋三は迎合するだけだ。しかも、必死に媚びを売る安倍の姿が日本国民を憤激させることもない。むしろ、「よくやっている」などと喧伝されている。だから、『国体論』に書いたことは、より一層明白になったと言える。

つまり、トランプ政権の登場によって「戦後の国体」の矛盾は、いよいよ隠せなくなってきている。「戦後の国体」の頂点たるアメリカに、恭順し、媚を売れば売るほど、日本が収奪の対象とみなされていく構図がはっきりしたからだ。

トランプの言動には、「われわれアメリカは公明正大なのに、その善意に同盟諸国は付け込んでいる」といった被害者意識が感じられる。日本のような、アメリカ頼みの同盟国の付け込みを止めさせれば、「アメリカを再び偉大に」できるというわけなのだろう。

「アメリカを再び偉大に」という、このスローガンの元祖はベトナム戦争後の暗い世相を打ち破ったレーガン大統領だと思う。レーガノミクスは製造業復活を唱えながらドル安誘導をせず、「強いドル」を支持。ブードゥー(いんちき)経済と呼ばれるほど矛盾だらけだったのに、レーガンの颯爽とした姿に米国民は「偉大なアメリカの復活」を見て熱狂した。

その後の大統領も皆、「偉大なアメリカ」を演出しようとした。次のジョージ・ブッシュは宿敵ソ連を崩壊に追い込み、湾岸戦争で「世界の警察官」になったが経済運営に失敗。ビル・クリントンは製造業復活を目論見ながらも、レーガン同様の金融資本主義化でしのいだ。ブッシュ・ジュニアはネオコンのイデオロギーに基づいて対テロ戦争にのめり込む一方、金融資本主義化のツケがリーマンショックによって爆発的に露呈してきた。

ここでいよいよ行き詰まりが酷くなり、バラク・オバマが登場した。オバマはインテリで弁舌さわやかな黒人大統領。人種融和という「アメリカの夢」を象徴する存在だった。彼の姿に世界中が「偉大なアメリカの復活」を期待した。しかしながら、何もできなかった。格差は広がり、荒廃している。つまり、歴代大統領が皆「偉大なアメリカ」を演じながら、繰り返し失敗してきたということだ。

そこで、「偉大なアメリカ」をスローガンとして直接打ち出すことで政権を取ったのがトランプだ。アメリカが衰退局面にあるなか、他国よりも自国中心に、という姿勢で、日本に厳しくあたる。

日本では、特にリベラル派に「トランプ当選にがっかりした」との論調がある。だがアメリカはずっと「アメリカ・ファースト」だったし、「偉大なアメリカの復活」というプロジェクトを繰り返してきただけだ。日本がそんな物語を共有する必要はない。米大統領は偉大でなければ、と期待することこそ、日本が「魂の従属」下にある証拠だ。

――本書ではアメリカ流新自由主義に従属する日本を批判しているが、トランプはTPP(環太平洋自由貿易協定)を離脱。他の先進国と対立している。

この間、TPPについて後押しをしてきた日本の「識者」たちのインチキぶりが白日の下にさらされた。彼らは「TPPは自由貿易の推進だから良いものだ」と言っていた。ところがいま、トランプ政権が日米FTA交渉へ日本を引きずり出すべく圧力を高めてくると「これは困ったことだ」と論評している。けれども、FTAだって自由貿易の推進だろう。何の一貫性もない。

つまり、彼らがTPPを支持していた本当の理由は、「自己利益をゴリ押ししてくるアメリカを多国間で抑え込む」ということだったわけだ。それを隠して、「自由貿易=善」という抽象的図式を喧伝することで、アメリカは「慈悲深い天皇」であるかのように演出されてきた。しかし、もうこんな猿芝居も限界だ。

TPPの交渉過程でせり上がってきたことだが、本質的な問題は、非関税障壁という概念の危険性や、大資本の権力のさらなる肥大化であり、それらが自由貿易推進の大義名分のもとで昂進してきたことなのだ。本当はこれらの問題に目が向けられるべきなのだが、対米従属の「戦後の国体」を仕切っている連中は、「トランプは《アメリカ・ファースト》だから大変だ」と言ってオロオロするしか能がない。『国体論』は、こうした「馬鹿につける薬」だ。

       
        『国体論』の著者・白井聡 

――トランプの問題は政策そのものよりも政策決定がいい加減で、選挙アピールばかりなことにあるのでは。

ただ11月の中間選挙で負ければ、政権運営に支障が出る。ここのところの大統領はみな中間選挙で負けてしまい、指導権を失っている。首尾一貫性がなくても、選挙に勝つことを狙うのはある意味で合理的なところがある。

現時点でトランプを無暗に称賛できないが、「バカ」と切り捨てる議論にもくみしない。米朝交渉でも、リビア方式が持論だったジョン・ボルトン大統領補佐官を抑え込んだことに、トランプの強固な意志を感じた。確かにトランプ政権は官僚のポストが大量に空席で片肺飛行なのに、国家は崩壊していない。驚くべき政権だろう。

――駐留米軍撤退論もトランプ独特の持論だ。

トランプが中長期的にどうするつもりなのかよくわからないが、米韓軍事演習を中止すると言っただけで、日本の親米派は「やめないで」と騒ぎだした。朝鮮戦争が終わるくらいなら、再開して日本に核ミサイルが飛んできた方がマシだというのが彼らの本音だということが明らかになった。「異次元の圧力」というのは、そういうことだ。それもこれも対米従属を続けるためであり、この「国体」を維持するためならどんな犠牲もいとわないというわけだ。第二次大戦中の指導者層と全く同じ発想だ。

――米軍基地問題に関して、トランプの撤退論に期待する声もあった。

対米従属を自己目的化した支配体制を取り除かない限り、日本にはそれをチャンスにできる主体性がない。政官財学メディア全てに言えるが、その主流派は従来の対米従属システムを維持することで自分の権益を守るのが行動原理になっている。「原子力ムラ」という言葉があるが、「安保ムラ」はもっと巨大で、政官財学メディアの主要部分全体が安保ムラだと言えるくらいだ。

「アメリカの一の子分」として戦後復興に邁進した時代には、その問題性が表面化しにくかったし、単なる子分でよいというメンタリティーもなかったはずだ。むしろ復興を支えた日本のエートス(社会規範)は、アメリカに従属しながらも「(経済戦争で)今度こそアメリカに勝つ」という、戦前の教育を受けたリーダー層の複雑な感情にあったと思う。アメリカに反発しながらも、自国の繁栄がアメリカのパワーによって保障されているという矛盾や葛藤がそこにはあった。

ところが世代交代でそうしたエートスが失われ、親米スタンスは、日本の支配層の階段を上る単なるパスポートのようなものになった。そして、復興の成功体験があまりに強烈で、何のための従属が分からなくなってしまった。

だから、無条件に従属のための従属をしている。そこには以前のような葛藤がない。葛藤のない人間は成熟せず、幼児化する。

冷戦以降、アメリカが日本を保護する理由がなくなる一方、東アジアは激動の時代に入った。中国の国力の大幅な増進が第一のファクターだが、それに加えて朝鮮戦争の終結が視野に入ってきた。東アジアにおける冷戦構造の残滓の一大要因がなくなる。これが実現すれば、在韓米軍は不要となり、今度は在日米軍の問題に議論は移行するだろう。一方で中国共産党政権は、台湾を版図に治めないと国家が完成しないという神話を持ち、それを長年国民にプロパガンダしてきた。台湾問題は朝鮮半島問題よりも難しい課題だ。

<後編(26日に掲載予定)に続く>

     



 

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コメント
 
1. 2018年6月27日 05:44:31 : EqPMdUQxOs : CfxFuGTQGyQ[8]
トランプは中々やり手だと思う。
主体性のない従属者は狩猟民族に骨迄シャブリ尽くされるだろうよ。

2. 2018年6月27日 20:13:19 : pxgwgovz2Q : W8I8Zx2GSxE[310]
アメリカに へつらい保つ 既得権

3. 2018年6月27日 20:59:05 : NSaLveHaho : xdaw4ktgztw[249]
トランプは株価のように動き、老司(ろうつかさ)のように高台に腰を下ろす。
感覚だけで意味はない。

4. 坂の上の下[43] jeKCzI_jgsyJug 2018年6月27日 21:01:30 : t08CbP6aiH : Wd8k_2JblqQ[2]
白井聡氏の本、拝読した事有り。

高尚な話でなくて申し訳ないが、トランプが自国国益ビジネス?かで中東を訪問した際の海外NEWSで、中東の男ばかりの閣僚とトランプが横一列で、剣を持ちながら、手を繋いでの儀式の踊りを、ワイフの顔を見ながら、ニヤニヤのしたり顔で踊る姿を見て、アベ始め日本の閣僚はトランプのように、軽々とできるだろうか?と思った。
それがアメリカの強さかも知れない。
あべちゃんより、トランプの方が、遥かに自国の利益、自国を愛しているのだろう。


5. 2018年6月28日 08:37:23 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-1689]
2018年6月27日(水)

とことん共産党に政治学者・白井聡さん

対米従属なくそう

視聴者から反響

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-27/2018062704_03_1.jpg
(写真)「とことん共産党」に出演する(左から)小池、白井、朝岡の各氏

 日本共産党のインターネット番組「とことん共産党」は25日、政治学者の白井聡・京都精華大学専任講師を迎え、「どこまで続くアメリカ従属 安倍政権」をテーマに、司会の小池晃書記局長、朝岡晶子さんと、安倍政権の異常な対米従属について語り合いました。ツイッターでは「歯に衣着せぬ語り口、気持ちよし!」など、反響を呼んでいます。

 冒頭、白井氏はベストセラーになっている最新刊『国体論 菊と星条旗』について、「いまなぜ国体論か」との質問に答えました。白井氏は、戦後日本の対米従属について、戦前の天皇制が日本を一つの家に見立て、天皇を家長、国民を赤子(せきし)に例えて軍国主義を進めた「国体」に似ていると指摘。最近の米朝関係でトランプ米大統領が発言を二転三転させても、そのつど安倍首相が「100%支持する」と繰り返したことに触れ、「米国が戦前の天皇のように日本の上に君臨している。安倍政権はとくにそれが顕著だ」と強調しました。

 小池氏は「日本共産党は、現在の日本を高度に発達した資本主義国でありながら世界でも異常な対米従属国としている。大本にある日米安保を廃棄し、対等平等の日米友好条約締結を提案しています」と答えました。

 白井氏は小池氏に、共産党の一貫した対米従属の見方について「ゆらがなかったのはすごい。なぜ貫けたのか」と質問。小池氏は「綱領の立場だからです。資本主義の枠内で民主主義革命を進める上で、対米従属を根本問題として捉えている」とし、「ここがなくなったら共産党でなくなる」と説明しました。

 白井氏は「それが理論に基づく現実の認識の力、理論の強さだ」と述べました。

 また、小池氏は、安倍政権が立憲主義破壊と国政私物化を表裏一体で進めたとする「赤旗」の特集記事(18日付)に白井氏が登場したことを紹介。

 白井氏は「日本国と日本国民の生命、財産も私物化しているのが安倍政権だ」と批判。政権打倒に向け、「野党共闘で、自民党政権の対米従属に根本的な否定を突きつけてほしい。共闘の原理を議論し、強化してほしい」と要望しました。

 小池氏は、「(市民と野党の共闘が廃止を求める)安保法制は、米国の要請に基づく日米共同作戦のための法整備だ。対米従属の対抗軸を持つことは重要だ」と応えました。

 白井氏は、米朝首脳会談を受け、「トランプ大統領の下で対米従属の問題点が表に出てきた。朝鮮半島で平和が実現すれば、在日米軍駐留の大きな目的の一つが消え、安保条約の存在意義もゆらぐ。共産党が原理的に主張してきたことがますます有効になっている」とエールを送りました。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-27/2018062704_03_1.html

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