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新潟県知事選の辛勝で与党が勘違い…自民党内が真っ二つ
http://biz-journal.jp/2018/06/post_23732.html
2018.06.17 文=神澤志万/国会議員秘書 Business Journal
安倍晋三首相(写真:ロイター/アフロ)
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
6月12日、ついに米朝首脳会談が実現しました。「本当に実現するなんて……」と感慨深く映像を見ていました。永田町の住人たちの大半も、実現は半信半疑だったと思います。
この間の流れについては、神澤はシンガポール在住の友人から現地情報をもらっていたのですが、現地は日本のマスコミほど大騒ぎはしていなかったようです。特に、5月24日にアメリカのドナルド・トランプ大統領がいったん「会談キャンセル」を公表したあたりから、熱が冷めたそうです。独立国家のシンガポールとしては、「場所を提供してあげているだけ」という気持ちなのかもしれませんね。
また、両首脳の来訪中は、学生たちが「セントーサ島には近づくな」「外出も控えろ」などと散々言われていたそうで、正直なところ「ウザい」という感想が多くを占めるようです。
さて、この会談がもたらす成果はなんでしょうか。議員秘書たちは、日本人拉致被害者の帰還をはじめ、日朝間の諸問題の解決を待っています。
■新潟県知事選、野党敗退の舞台裏
関東地方も梅雨入りし、毎日ジメジメしています。週明け11日のランチの話題は、やはり10日の新潟県知事選挙でした。
ご存じの通り、自民党と公明党が支持した花角英世氏が当選しました。今回は両陣営に神澤の友人たちも入っていたので、なんとも複雑な心境です。神澤も、現地入りこそしませんでしたが、所属している政党の方針にしたがってお手伝いはしていました。
情勢はずっと拮抗していたので、国会でも、与党の筆頭理事が知事選を考慮して野党の理事に委員会の延期をお願いするシーンなども見られました。それほど、国会議員たちも注目していたのです。
結果は、投票率は上がったにもかかわらず花角氏が当選しました。通常は投票率が上がると野党に有利といわれているため、花角陣営の喜びようは相当なものでした。
さて、ランチでの国会女子たちの野党候補敗戦の分析と結論は、ずばり「タマが悪い!」でした。「タマ」とは、候補者のことです。「菊田真紀子議員が出馬していたら、結果は逆転していたよね」「(野党が推薦した)池田(千賀子)候補も県議としての実績はあったけど、花角氏の功績や評価に比べると今一歩」「外見も、小池百合子都知事のような色気も備わった貫禄があれば、また違ったかもしれないね」などと言いたい放題でした。
実際、候補者の外見は投票行動をかなり左右するといわれています。また、一時は野党統一候補として出馬がささやかれた菊田議員は、まだ若いこともあり、民主党政権時代はけっこう注目されていた人物なんですよ。
選挙戦では、花角氏は原子力発電所の再稼働について慎重な姿勢を示していましたが、新潟在住の友人によると「県民は信じていない」そうです。なぜなら、米山隆一前知事にしても、再稼働反対を訴えて当選したのに知事になった途端に態度を変えているからです。そして、最後はあんな辞め方……。みんなウンザリしているのが現実です。
地元では、「最初から接戦が予想されていたので、争点にならないように池田さんと同じことを言っていただけ」という受け止め方が多かったようです。とはいえ、花角氏のこれまでの実績は評価できるため、神澤は「有権者が“候補者の質”で冷静に判断した結果だな」と感じました。
つまり、花角氏の勝利は「自公のおかげ」というわけではないのです。一方で、自公が支持していたのも事実なので、安倍晋三首相と参議院自民党はまた勘違いしているようです。
「知事選も勝ったし、国会の会期は7月いっぱいくらいまで延長だな」
参議院自民党の議員が漏らしていました。本当に勘弁してほしいです。小さい子どものいる秘書は「このままでは、夏休みの予定も立てられない」と今から涙目です。
■参議院議員の定数増をめぐり、自民党内で対立
実は、参議院の議員定数を増やす法案が今国会に提出されていて、与党は同法案を通したいようです。ご存じのように、今は全国で「一票の格差」が問題になっています。それを解消するために、2016年の選挙から「鳥取県と島根県」「徳島県と高知県」がひとつの選挙区になりました。いわゆる「合区」です。隣接県の選挙区をひとつにすることで、「一票の格差」を是正しようという趣旨です。
与党は、この合区をやめて「各県で最低でも1議員を選出」というふうにしたいのだそうです。一票の格差をめぐっては最高裁判所も違憲の判断を下していますが、それにもかかわらず定数を増やしたいというのは意味がわかりません。
また、この問題は自民党内でも衆議院と参議院で対立しているようです。とはいえ、「参議院の独立性を尊重する」という建前で、表立っての反対はできないようです。実際には、多くの衆議院自民党の議員が「定数増なんて、世間に通用しない」と理解はしていると思いますし、小泉進次郎議員のように堂々と発言している議員もいます。
今のところは陰で愚痴っている衆議院議員がほとんどですが、さすがにマスコミもこの流れには反対の論調です。秘書たちは「今後、自民党内、公明党、野党、マスコミを巻き込んでぶつかったら、相当殺気立つだろうね」と戦々恐々としています。
そんなこんなで、毎日くたくたです。先日、マッサージに行ったら、さらに衝撃的なことがありました。
「もしかして、プロレスしていた人ですか?」
真顔で聞かれました。笑ってごまかしましたが、あとで秘書仲間たちに話したら大ウケでしたよ。前回の総選挙で増えてしまった体重を維持していたからでしょうか。この日から、きっぱりとダイエットを決意しました。それにしても、誰と間違えられたのか気になるところです。今度行くときは、恐る恐る聞いてみようと思っています。
ちなみに、神澤が女子レスラーで親しみを持っているのは、元参議院議員の神取忍さんです。繰り上げ当選で参議院議員を務められていたのですが、とても大変そうでした。きっと、「もう国会議員なんてこりごり」と思っているのではないでしょうか。
まぁ、神澤もある意味、毎日戦っていますけどね。
(文=神澤志万/国会議員秘書)
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