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「米朝歴史的和解」の舞台裏と取り残された日本の命運<中>
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231051
2018年6月12日 日刊ゲンダイ 文字お越し
満面の笑みで文在寅大統領と握手(C)共同通信社
表に出てきた金正恩の笑顔を専門家はこう分析 |
2011年12月に父の金正日総書記が死去して権力を継承して以降、徹底した秘密主義を貫いてきた金正恩。その動静は、北朝鮮の国営メディアを通じてしか知り得ず、強権的で狂気の独裁者というイメージが定着していた。
ところが、4月27日の南北会談では、満面の笑みで韓国の文在寅大統領と握手を交わし、抱き合う姿がリアルタイムで報道された。あまりのイメージ落差に世界中が驚いたものだ。米朝首脳会談のためにシンガポール入りしてからも、金正恩はカメラの前で笑顔を見せ続けている。
これは、米朝会談が自らのシナリオ通りに進んでいるという満足の笑顔なのか、それとも虚勢を張っているのか。専門家はこう分析する。
「表舞台に出てきてからの金正恩氏の笑顔は、非常に演技的なものに見えます。これまでは高圧的で強い指導者のイメージで世界と渡り合っていこうと考え、国営メディアを使ってそういう演出をしてきた。しかし、挑発し過ぎると、どんな報復をしてくるか分からないトランプ大統領にコワモテ路線は通用しないと判断したのでしょう。『トランプをハッピーにすれば、現体制が守られて自分たちもハッピー』という戦略に変えた。その象徴が、あのフレンドリーな笑顔です。トランプ大統領も表情がコロコロ変わります。威圧的で冷酷な顔をしたかと思えば、労働者や支持者には笑顔を振りまく。そういう手法を金正恩氏はよく研究していると思います。もちろん不安もあるでしょうが、どう接すれば自分たちに有利に働くかを計算し、トランプの先を行っている印象です」(明大講師の関修氏=心理学)
やはり、したたかな男だ。中国の習近平国家主席と会談した際のやや緊張した面持ちが、金正恩の本心を表しているのかもしれない。
世界から失笑されている安倍首相(C)日刊ゲンダイ
「圧力」から「猫なで声」で失笑されている安倍外交 |
世界が注視した米朝会談。いま、国際社会から失笑されているのが安倍首相だ。
なにしろ、ほんの数カ月前まで北朝鮮に対して「対話のための対話には意味がない」「最大限の圧力が必要だ」と声高に“圧力路線”を主張していたのに、一転、猫なで声で「国交を正常化し、経済協力を行う用意がある」と、金正恩に秋波を送っているのだから、信じられない。世界のリーダーから「この男には外交理念がないのか」とバカにされても当然である。
あれだけ多用していた「最大限の圧力」も、トランプが「最大限の圧力という言葉は使いたくない」と明言した途端、パタッと口にしなくなってしまった。
「世界のリーダーは、安倍首相に呆れているでしょうね。重要な外交方針を“圧力”から“対話”にカンタンに変えてしまった。しかも、変更した理由も情けない。ひとつは、トランプ大統領が“米朝融和”へカジを切ったから合わせるしかなかった。もうひとつは『このままではバスに乗り遅れる』と慌てて北朝鮮に秋波を送ったのでしょう。関係国の米、中、ロ、韓は次々に北朝鮮との対話に向かっているのに、日本だけは接触できていませんからね。要するに、信念から外交方針を変えたわけではない。国際社会では、口にしたことをコロコロ変える、こういうトップが一番信用されない。しかも、安倍首相は、心の中で米朝会談の“失敗”を期待していることも見透かされています。世界のリーダーは、日本の首相を哀れに思っているはずです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
いま頃、金正恩も「あの男、どうなっているんだ」と失笑しているに違いない。
歴史的な会談が始まったが……(C)ロイター
この会談は声明だけのセレモニーか、今後の行方 |
トランプは、シンガポール入りの直前になって「チャンスは1回きりだ」と言い出した。この会談は1回きりのセレモニーで終わるのか。
「本来、非核化と体制保証は慎重に進めていかなければなりませんが、トランプ大統領は一発で決めたがり、首脳会談についても『会えば1分で分かる』と言っていた。そういう人だから、物事が大きく動いたと言えます。金正恩氏がディールできる人物か、見極めたのでしょう。超大国の米国と、小国の北朝鮮が対等な立場で話し合ったという意味では画期的な会談であり、86年にゴルバチョフ書記長とレーガン大統領がレイキャビクで会った米ソ首脳会談と重なる。レイキャビクでは具体的に何も合意できなかったが、この会談が冷戦終結への大きな一歩になった。今回の米朝会談でも、会ってお互いの意思を確認することが重要だったのです」(朝鮮史の専門家で東大名誉教授の和田春樹氏)
北は非核化を約束し、米国が体制維持を保証。それで東アジアの平和に向けた動きが加速すれば、今回の会談が第一歩なのだ。
「今後の具体的な交渉は、ひとつ決まれば、後退しないように信頼を積み上げ、少しずつ進めていくことになるでしょう。しかし、期限がある。トランプ大統領の最初の任期が切れる2年半後までに決着させなければなりません。お互いに失敗はできない。最後までまとめ上げるのは難しいが、それでも飛び込んでいった両首脳の決意は評価したい。革命的な変化を促す世紀の会談です」(和田春樹氏=前出)
トランプは再選のツールとしてノーベル平和賞が欲しい。
金正恩は、トランプ政権の間に国交正常化と不可侵条約を勝ち取らないと、次の政権でちゃぶ台返しされかねない。両者にとって、タイムリミットとの戦いでもある。
レイキャビクの米ソ会談から冷戦終結のマルタ会談までは3年かかった。米朝はどうなるか。
完全な非核化とは何か、何年かかるのか、途中で「やめた」とならないのか |
アメリカが北朝鮮に求めてきた完全な非核化。しかし、核を実戦配備した国が交渉で放棄した例は過去に一度もない。そもそも「完全で検証可能かつ不可逆的非核化」(CVID)は、実現可能なのか。
すでに北朝鮮は核兵器を12〜60個も保有し、核の関連施設は300〜400カ所に及ぶという。地下にも広がる核関連施設の全容をつかみ、査察し、核兵器を解体するとなったら、その手間と費用はハンパじゃない。アメリカの核専門家は「15年かかる」と予測している。元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓大客員研究員の高永テツ氏はこう言う。
「非核化に15年かかると予測しているアメリカのハッカー博士は、何度も北朝鮮に入っている核の専門家です。非核化を実現するためには、国際原子力機関(IAEA)の査察チームが入って調査することになりますが、査察チームの専門家は300人。世界中で査察しているため、十分ではありません。トランプ大統領が『核廃棄は急がなくていい』と口にし始めたのも、CVIDはカンタンではないと理解したからでしょう。問題は、どこまでやったら非核化とするかです。極端に言えば、保有しているすべての核を国外に運び、全施設を破壊しても、データと技術者が残っていれば、もう一度、核をつくれる。結局、カギは、核を完全に放棄するという北朝鮮の意思が本当かどうかということになります」
北朝鮮にとって核は命綱のようなものだ。核を保有しているから大国のアメリカとも渡り合える。非核化したら、ただの弱小国だ。途中で金正恩が、「やっぱり非核化をやめた」と反故にする可能性もゼロではないのではないか。
<「米朝歴史的和解」の舞台裏と取り残された日本の命運<中> > 安倍首相は「最大限の圧力が必要だ」と声高に“圧力路線”を主張していたのに、一転、猫なで声で「国交を正常化し、経済協力を行う用意がある」と、金正恩に秋波を送っているのだから信じられない。https://t.co/wnwxtDRiP6 #日刊ゲンダイ
— 石川栄一(元大学職員)自由と平和 脱原発 (@ishi2011t) 2018年6月12日
「『残された道:平壌宣言に戻れ』
— 三日月村9条の会 (@tobatozankoudes) 2018年6月12日
平和主義者:文在寅の大勝ち
独裁者:アベの負け
独裁者:金正恩の勝ち
独裁者:トランプの勝ち
米朝歴史的和解」の舞台裏と取り残された日本の命運<中> https://t.co/7TuRsrsxwR #日刊ゲンダイDIGITAL
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— 上海*海鴎《安倍、お前の罪を数えろ》 (@haiou4b1) 2018年6月12日
「最大限の圧力が必要だ」→「国交を正常化し、経済協力を行う用意がある」
世界のリーダーから「この男には外交理念がないのか」とバカにされても当然
表に出てきた金正恩の笑顔を専門家はこう分析 「圧力」から「猫なで声」で失笑されている安倍外交 この会談は声明だけのセレモニーか、今後の行方 完全な非核化とは何か、年々かかるのか、途中で「やめた」とならないのか 朝鮮戦争終結で日本の安全保障、防衛予算は変わるのか(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/QDM9HAbSJz
— KK (@Trapelus) 2018年6月12日
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