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戦前の官僚は天皇陛下の吏僚として天皇(国家)に対して忠実義務を負わされ意識していました。
戦後になって体制が変わり公務員は公僕と位置づけられたが、その公僕の意識が醸成されないままに時が経ってしまいました。
公僕とは「公衆に奉仕する者」の意味だそうですが、ただ、この言葉だけで数百万の公務員を統制できるかと言えばトンデモ無い話です。
人間は禁断の実を食べて現実社会へ送り出されたと言うように、本来、我欲の塊の本性を持っています。
倫理、道徳の話など数千年前から言われていますが、未だに、倫理、道徳を説くだけで社会の安寧が保障されるとは思いません。
「公僕」と言う言葉の概念だけで、公務員を縛れるとは思うべきではありません。
であれば、公務員の有り様について誰が管理、保証するのか。
組織としては、公務員の最上部、内閣があります。
内閣が公務員の行状を把握し糺さねばならないのですが、その内閣自身が汚濁に浸かっている現状です。
また行政と言っても、実際の権限は官庁が持っていて、雇われ内閣では掌握できない現状もあります。
別の見方、それは内閣と言うものは何処の国でも(独裁国家でない限り)このようなものなので、高級公務員の質を上げて常に正しい行政が行われるようにエリート官僚の養成に力を注いでいます。
また、フランスなどでは、ノブレス・オブ・リージュ(騎士道精神)をエリートが持つべく精神として育成している様です。
日本の場合、戦前は天皇の吏僚という形が、彼らを支えていました。
戦争直後20年間くらいは、戦前の生き残り官僚が采配していたので、無意識の内に国家の為と言う枠組みが働いていたと思います。
戦後の復興期を向かえ、財政的にも充実し、国家として自立出来たころには官僚も入れ替わり、社会の発展の成果を自分たちの努力のたまものと思うようになりました。
同時に国家を率いるのは自分たち官僚と思い上がってしまいました。
官僚として思い上がったものですから、新たな将来の国家像、自分たちがそれに奉仕すべき国家像を描き国民のために邁進することを忘れ、自民党政治とつるんで、成果物を自分に取りこむようになって行きます。
公務員の給料のアップ、多くの天下り法人を作って退職後の生活保障、共済年金など自分たち公務員にだけ有利なシステム、官舎、厚生施設の充実(各地に新設した公務員の宿)などなど。
「公僕」と言う概念からは、とても想像できない事をやり始めました。
内閣で言えば、佐藤、田中内閣のころからです。
官僚は自分たちの待遇改善を見逃す代わりに自民党の政治屋の利権確保を見て見ぬふりをするばかりか、協力さえもしています。
政治と行政の癒着ですね。
現実的に公務員の暴走を抑えるためには公務員法よりありません。
ですが、その法令を司る検察も司法も仲間の公務員です。
今回の森友学園問題の結末は、この関係を良く物語っています。
まあ、このような事は霞が関に留まらず全国各地の行政で起きています。
大阪市では、職員が雨の中を市内に出る場合は、長靴代の様な特別手当が出る様です。
京都市の市バスの運転手の年収は1000万円を超える者が多いそうです。
当地の貧乏市、宮津市でも、職員が業務で市内に出ると主張手当がでるようです。
選挙の投票場の立会人に、民間から選出した者は時間給650円、市の職員が立ち会う場合は日曜手当、出張手当など可能な限りの名目をつくり日当40000円くらいは取っています。
公務員一人、一人を見れば善良な人間に見えるでしょう。
ですが奴等は、組織としてこのような犯罪を犯しているのです。
そうして、この犯罪は、必ず法令、条例で保証されているので摘発出来ません。
善良に見えても全ての公務員は、このシステムを承知で身を任せているのです。
退職金を貰うまで。
東南アジアで、良く警官などの汚職が問題になっていますが、それは個人的犯罪であり、日本の場合とは違います。
これが「公僕」と言えるでしょうか。
公務員は「マフィア(組織犯罪集団)」とした方があっているのではないでしょうか。
公僕の代紋を掲げたマフィア、此れが我が国の公務員。
本当のマフィアも逆らわなければ大人しい様ですよ。
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