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安倍政権下で国民の実質賃金5%減…消費増税の裏で大企業と富裕層には減税
http://biz-journal.jp/2018/06/post_23586.html
2018.06.05 取材・文=林克明/ジャーナリスト Business Journal
安倍晋三首相(写真:つのだよしお/アフロ)
森友学園問題、加計学園問題などで、嘘と開き直りがまかり通っている国会。まるで日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル事件とセットになっているかのようだ。というよりも、むしろ日本中に“安倍化現象”が起きているといえる。
「この状況を打開するには政権交代するしかなく、無党派市民が前面に出るしかない」と主張するのは、昨年秋の衆議院総選挙で安倍晋三首相のお膝元である山口4区で無所属から立候補した黒川敦彦氏だ。
日本を大きく変えるには、これまでの永田町の枠組みではなく、市民政権の樹立が必要だろう。そのためには「アベノミクスに全面対決する5大経済政策」「2019年夏の参院選における32ある1人区の選挙戦術」が重要だという黒川氏に、3回にわたり話を聞く。
■私たちは誰と戦っているのか
――森友・加計問題で安倍政権は弱体化しているにもかかわらず、その先の一歩が進みません。野党共闘も実現するか疑問です。
黒川敦彦氏(以下、黒川) 最近気になったのは、4月の京都府知事選で立憲民主党が自民党・公明党が推す候補に相乗りしたこと。そして、5月の大型連休明けに旗揚げした国民民主党と立憲民主党の関係です。このまま候補乱立状態で来年夏の参議院選挙に突入していったらどうなるかという話をしたいと思います。
麻生太郎財務大臣が「経済成長の恩恵を受けていないと感じている人は、よほど運が悪い」という旨の発言をしました。ぜひ、この発言を覚えておいてほしい。多くの人が貧乏なのは、運のせいらしいです。国のトップの人たちは本当にそう思っている。
国民の0.1%しかいない、極めて裕福な状態が何世代も続いている超富裕層の家に生まれた麻生氏ですから、「カップラーメンが1杯400円」といった、庶民感覚とズレた発言が出てきたわけです。
「1%の支配層と99%の庶民」と言われていますが、実際は0.1%と99.9%くらいの格差はあると思います。グローバリズムは0.1%の人たちのためにあり、自民党や公明党はこういう勢力のために政治をしており、今後もし続けると決めているのでしょう。
はっきりしなければならないのは、私たちは誰と戦っているのかということ。選挙の面からみれば、与党である自民党・公明党と戦っています。しかし大きくとらえると、国際金融資本やグローバリズムとの闘いだと思います。
“99%の人々のための政治”と言い換えれば、厚生労働省の国民生活基礎調査で「生活が苦しい」と答える“約6割の庶民のための政治”にするにはどうするかが、緊急の課題ではないでしょうか。
■“反安倍”の結集軸は「消費税ゼロを目指す政策」
――“0.1%に支配される社会”を変えようと、あえて安倍首相と同じ選挙区で立候補したわけですね。
黒川 もともと私は、愛媛県今治市で加計学園問題を追及して活動してきました。情報公開をはじめ、独自に入手した獣医学部棟建築図面を基に、建築費水増し疑惑などを追及してきたのです。ところが昨年9月、“モリカケ隠し解散”が行われてしまいました。解散の慌ただしさのなかで、モリカケについて話す人が激減してはまずいと思い、どうせなら安倍首相と同じ選挙区で戦おうと山口4区で立候補したのです。
同年10月6日の午前1時に山口4区で立候補することを決め、前日に支援者らが集めてくれた選挙供託金300万円だけを持って朝6時の新幹線に乗り込み、一人で山口に向かいました。最初の3〜4日は「モリカケ隠し」を追及して訴えました。そのあとは、「皆さんの給料が下がるのは安倍政権の経済政策のせいだ」という方向にしたのです。
労働者の実質賃金指数は、第2次安倍政権以後に5%下がっている
「経済政策を変えて暮らしをよくしよう」「消費税をゼロにしよう」と訴え始めると、周囲の反応が「あいつ、けっこういいこと言っているね」と変化したのを実感しました。市民派やリベラル陣営は、憲法9条、平和、人権などを重視しますよね。それには賛成だし大切なことですが、リベラル派が経済政策をメインにアピールする例が非常に少ないのは少々問題です。
民主党が政権を取ったときのスローガンが「国民の生活が第一」「コンクリートから人へ」と、経済政策に焦点を当てていたことを思い起こすべきではないでしょうか。
国政選挙では、生活重視で経済問題を中心に置いたほうがよく、その中核として「消費税ゼロ」を前面に出して訴えました。さらに、「人々の生活が貧しいのはなぜか」「税金はどうやって取られ、どう使われるのか」と問いかけ、グローバリズムと戦うことと関連付けました。
だから、経済政策で反安倍勢力がまとまったほうがいいのです。その結集軸としての「消費税ゼロ」だと考えています。この考えに無党派市民が結集して、受け皿になればと思います。野党や野党共闘を否定するつもりもないし、否定してはいけないと思いますが、このままでは政権交代の受け皿はできません。
■大企業と富裕層の減税の穴埋めとして消費税増税
消費税が導入された1989年の税収は54.9兆円、2016年の税収は55.5兆円で、28年間ほとんど変わりません。しかし、消費税は3%→5%→8%と増税されています。逆に減ったのは法人税と、高額所得者を中心とした所得税です。つまり、消費税は大企業と富裕層を減税して減った分の穴埋めにされているわけです。
法人税などが減税されて税収が減った分を、低所得者も払う消費税で穴埋めしているのが実態だ
そもそも消費税は、社会福祉を充実させる目的で導入するとうたわれていました。しかし、少子高齢化も進んで福祉の費用が増えていく一方で、税収は増えていないから福祉が向上しないのです。消費税を増やすなら、税収そのものが上がっていなければおかしいのです。
一方、労働者の賃金は、消費税を3%から5%に上げた1997年からずっと下がりっぱなしで、民主党政権時代はなんとか横ばいでした。ところが第2次安倍政権になってから5%も下がっている事実を見てください。
1990年代以降、実質GDPはほとんど変わりません。それどころか、第2次安部政権発足以降、実質賃金だけが5%下がっているのは政治が悪いからです。
消費税増税とは反対に減税された法人税の影響はどうでしょうか。法人税を下げたとき、企業の国際競争力をつけることが理由として挙げられました。法人税を下げると、下げた分を企業が事業に使って日本企業は強くなるという論理です。実は、私の前職はハイテク系のベンチャー企業に投資をしていました。自分でハイテク系のベンチャー企業の経営をしていたこともあります。ITやライフサイエンス産業などの先端分野で何が起きてきたかを専門的に見てきました。
この分野で日本は、中国やインドにボロ負けしています。いろいろな指標がありますが、いずれも日本の産業力はアジアで6〜7位でした。法人税減税の結果として、産業競争力はまったく上がっていないのです。単純に税金を減らして大企業の利益を増やしただけです。
大企業や富裕者を減税して景気が良くなるわけがありません。労働者や若者はやる気をなくし、出生率も下がっています。若い人や新しい人がどんどん入り、働くことで、発展して国際競争力が高まります。しかし、現在の政治は若者をないがしろにし、教育の機会を奪ったり、奨学金という名の借金漬けにしています。その結果、結婚できない、子供をつくれないという状況の人が増え、若者が生きていく道の選択肢が減っていくのです。そもそも家庭が貧しくて高等教育が受けられず、就職口も少なくなるという、“貧困の連鎖”が日本でも起きています。
いま、単身世帯の20代の6割近くが貯蓄ゼロです。そのパーセンテージは急速に増えています。高齢者の方のケアも大切ですが、こうした若い人たちに働いてもらって高齢者の福祉を賄っていくしかないじゃないですか。それなのに、なんとなく安倍政権が押し出してくる「株が高い」「経済はうまくいっています」みたいな雰囲気にのまれているのです。
■アベノミクスに全面対決する経済政策を
――単身世帯の20代の貯蓄ゼロは2012年に38.9%だったのが、17年には61.0%にまで激増していますが、14年に消費税が5%から8%に増税されたあとに増えています。増税による出費増が生活や人生設計に大きく影響しているわけですね。
黒川 消費税をゼロにして本当の景気回復を図るべきです。加えて抜本的な経済政策を市民が打ち出し、選挙になだれ込むべきです。4月に行われた市民団体「オールジャパン:平和と共生」主催の院内集会で、消費税ゼロをはじめ、アベノミクスに全面対決する経済政策をエコノミストの植草一秀氏が発表しました。細かな内容や数字的なことは議論していくとして、十分にたたき台になると思います。
「『むしり取る経済政策』から『分かち合う経済政策』へ」をスローガンにするその政策は、次のとおりです。
(1)消費税をゼロ
(2)最低賃金を国が保障
(3)最低保障年金の充実
(4)9兆円の奨学金徳政令(借金チャラ)
(5)一次産業すべてに個別所得保障
これらは99%の人々、生活が苦しいと感じている6割の人のための政策であり、実は、その財源はあるのです。
(取材・文=林克明/ジャーナリスト)
【関連情報】
■6.6オールジャパン総決起集会「愛・夢・希望の市民政権樹立へ!」
.日時:6月6日(水) 午後4時開場 午後4時30分開会
場所:憲 政 記 念 館 講 堂(国会議事堂前)
住所:東京都千代田区永田町1−1−1.
丸ノ内線・千代田線 国会議事堂前駅下車 2番出口から徒歩7分
有楽町線・半蔵門線・南北線 永田町駅下車 2番出口から徒歩5分
参加費:無料
主催者ホームページ
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